【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)の世界経済活動に対する新型コロナウイルス感染症の影響は、各国で対策に差はあるものの、全般的には小さくなりつつあります。一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う資源やエネルギー価格の高騰など当社グループを取り巻く環境は厳しい状況で推移しました。
当社グループは2022年6月に、10年後のビジョンを「コラーゲンを通じて人々のQOL向上に貢献」することとし、その具体的な施策を「ゼラチンの汎用品から付加価値の高いコラーゲンペプチドへのシフトを進め、成長が見込める市場に経営資源を重点配分し、高収益企業に生まれ変わる」とする事業戦略を発表しました。
この事業戦略の下、フードソリューション、ヘルスサポート、スペシャリティーズの各領域にて、お客様の旺盛な需要に応えるべく製品の安定供給に努めると共に、適正価格への改定に取り組みました。ヘルスサポートにおいては、一般消費者向けコラーゲン健康食品のリブランディング並びに広告宣伝の強化により、拡販に努めました。また、2022年12月には、バイオメディカル製品の研究開発・生産機能並びに全事業部門の研究・開発機能を集約し、新事業につながる製品の創出を図るための新研究開発・製造棟「みらい館」を竣工しました。
以上の結果、各領域での売上伸長に加え、海外売上に対する為替影響により売上高は29,285百万円(前年同期比26.8%増加)となりました。営業利益は海外での売上伸長等により2,050百万円(前年同期比102.9%増加)、経常利益は2,089百万円(前年同期比75.2%増加)となり、その結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は894百万円(前年同期比43.7%増加)となりました。
当社グループは、コラーゲン事業の単一セグメントを適用しておりますが、販売区分別の概況は次のとおりです。
(フードソリューション)
フードソリューションにおいては、日本及び北米地域で販売が引き続き好調であったことにより全体の売上高は増加しました。
日本では、顧客のグミキャンディー販売が引き続き好調なことから、売上高が増加しました。また、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の解除により外食産業向けの需要が回復し、業務用スープ・調味料用途や業務用小分け製品の販売が増加しました。加えてコンビニエンスストア向け総菜用途への売上高が増加しました。
海外では、北米地域において食品用途の需要は堅調で売上高が増加しました。
その結果、フードソリューション全体の売上高は11,516百万円(前年同期比24.4%増加)となりました。
(ヘルスサポート)
ヘルスサポートにおいては、カプセル用ゼラチン及びコラーゲンペプチドの販売が伸長し、全体の売上高は増加しました。
日本では、インバウンド需要回復を見込んだ顧客の需要増に対応し、美容コラーゲンペプチド及びカプセル用ゼラチンの売上高が増加しました。また、一般消費者向けコラーゲン健康食品を通信販売している直販事業は、積極的な広告宣伝もあり、売上高が増加しました。
海外では、北米地域においてコラーゲンペプチドの販売が好調でしたが、アジア地域においては景気低迷、インフレ等の影響を受けた消費マインドの冷え込みにより、美容用コラーゲンペプチドの販売が減少しました。一方、北米、インドにおいてコロナ禍で健康促進や予防意識が高まり、カプセル用ゼラチンの売上高が増加しました。
その結果、ヘルスサポート全体の売上高は13,946百万円(前年同期比24.0%増加)となりました。
(スペシャリティーズ)
スペシャリティーズにおいては、飼料や肥料向け需要増と市況価格の上昇により副産物であるリン酸カルシウム等の売上高が引き続き増加し、全体の売上高は3,822百万円(前年同期比47.2%増加)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末比4,319百万円増加の41,730百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が915百万円減少した一方、受取手形及び売掛金が1,531百万円、棚卸資産が2,629百万円、その他の流動資産が333百万円及び有形固定資産が629百万円それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末比2,994百万円増加の19,842百万円となりました。主な要因は、その他の流動負債が368百万円減少した一方、支払手形及び買掛金が950百万円、短期借入金が1,077百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)が1,277百万円それぞれ増加したことによるものです。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末比1,325百万円増加の21,887百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が640百万円、為替換算調整勘定が302百万円及び非支配株主持分が481百万円それぞれ増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は45.4%(前連結会計年度末48.3%)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りに用いた仮定につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)に記載しております。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は761百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。