【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループ(当社及び連結子会社)の業績、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の分析
当連結会計年度の我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動の停滞からの回復の兆しがみられた一方、ウクライナ情勢の長期化や資源価格の高騰をはじめとする物価上昇や各国の政策金利の引上げによる景気後退が懸念されており、先行きが依然として不透明な状況となっております。
全国的にテレワークが定着する中、遠隔コミュニケーションの円滑化等のテレワークの実施に必要なツールや様々な業務のペーパレス化をサポートするツールの導入が進展しているものと考えられる一方、多くの企業でデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が経営課題として意識されており、遠隔でのプロジェクト管理やコミュニケーションの強化、データ・ナレッジ共有等をサポートするサービスは今後も継続して需要が高まるものと想定しています。
このような環境において、当社グループは「チームのコラボレーションを促進し、働くを楽しくするツールを提供する」という方針の下、プロジェクト管理ツール「Backlog」、オンライン作図ツール「Cacoo」、ビジネスチャットツール「Typetalk」、組織の情報セキュリティ・ガバナンスを高めるツール「Nulab Pass」を提供してまいりました。2023年1月には主力サービスであるBacklogの料金改定を実施し、サービスの中長期的な安定稼働やユーザーへの提供価値向上のための収益性の強化を図っております。また、継続的な人材採用強化による人件費の増加、円安の進行に伴うサーバー費用を含む通信費の増加や東京証券取引所グロース市場への新規上場及びこれに伴う公募増資や売出しに関連する費用の計上や機動的なマーケティングコストの投下といったコスト増要因があった一方、不急の外注業務の抑制などの費用削減の実施やBacklogの開発進捗に伴うソフトウエア及びソフトウエア仮勘定の資産化額の増加が生じております。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高2,706,183千円(前年同期比16.2%増)、営業利益101,150千円(前年同期比39.6%減)、経常利益92,564千円(前年同期比43.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は88,424千円(前年同期比55.3%減)となりました。
なお、当社グループはクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産総額は2,611,400千円となり、前連結会計年度末に比べ992,833千円増加いたしました。これは主に新株発行等により現金及び預金が614,821千円、Backlogの利用増加及び料金改定の実施により売掛金が41,116千円、サーバー費の年払い等により前払費用が262,828千円、繰延税金資産が16,951千円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は1,652,770千円となり、前連結会計年度末に比べ425,451千円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が36,438千円、長期借入金が8,500千円減少したものの、Backlogの利用増加により前受収益が368,311千円、広告宣伝費等の支払に係る未払金が106,978千円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は958,630千円となり、前連結会計年度末に比べ567,381千円増加いたしました。これは主に、新株発行により資本金が234,738千円、資本剰余金が234,738千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、利益剰余金が88,424千円増加したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ614,821千円増加し、1,742,622千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、サーバー費の年払い等による前払費用の増加額262,682千円があったものの、税金等調整前当期純利益86,333千円、減価償却費92,457千円、Backlogの利用増加による前受収益の増加額368,311千円等があり、全体として297,323千円の獲得(前連結会計年度は401,015千円の獲得)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主にパソコン等の工具、器具及び備品等の有形固定資産の取得による支出20,246千円、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定等の無形固定資産の取得による支出107,674千円があり、全体として130,737千円の使用(前連結会計年度は74,346千円の使用)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出44,938千円があったものの、株式の発行による収入462,351千円があり、全体として417,413千円の獲得(前連結会計年度は95,270千円の使用)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
サービスの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
Backlog
2,520,606
115.2
Cacoo
118,976
104.7
Typetalk
18,089
108.3
Nulab Pass
48,511
514.0
合計
2,706,183
116.2
(注)1.当社グループはクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。上記ではサービス別の販売実績を記載しております。
2.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績等の記載は省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
また、当社グループはクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
(売上高)
当社グループの主要サービスは、料金を顧客の使用期間及び使用容量、ユーザー数等に応じて定期定額契約(サブスクリプション)として課金することで、継続的な収益を獲得することができるものであるため、ARR、有料契約数及び解約率を指標として重視しております。
当連結会計年度における売上高は、有料契約数が18,752件(Backlog13,884件、Cacoo4,571件、Typetalk183件、Nulab Pass114件)に増加した結果、2,706,183千円(前年同期比16.2%増)となりました。サービス別の売上高につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ④ 生産、受注及び販売の実績」に記載しております。
(売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、972,535千円(前年同期比6.6%増)となりましたが、売上原価率は前連結会計年度の39.2%から3.2ポイント改善し、35.9%となりました。これは、AWS費用等のサーバー費用が増加した一方で、育児休業の取得を含む人員変動による労務費の抑制や外注費の抑制が生じたため、売上高の伸びに比して売上原価が増加しなかったためであります。
この結果、売上総利益は1,733,647千円(前年同期比22.4%増)となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,632,496千円(前年同期比30.7%増)となりました。これは、積極的なマーケティング施策の実施による広告宣伝費の増加等によるものであります。
この結果、営業利益は101,150千円(前年同期比39.6%減)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は3,771千円となりました。これは主に、補助金収入によるものであります。また、営業外費用は12,358千円となりました。これは主に、新規上場時に発生した株式交付費及び為替差損によるものであります。
この結果、経常利益は92,564千円(前年同期比43.6%減)となりました。
(特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において特別利益は発生しておりません。特別損失については、子会社のオフィス移転に伴う固定資産除却損6,231千円が発生しました。
この結果、税金等調整前当期純利益は86,333千円(前年同期比47.4%減)となりました。また法人税、住民税及び事業税を14,166千円、法人税等調整額を△16,258千円計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益は88,424千円(前年同期比55.3%減)となりました。
なお、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析は「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 経営戦略の現状と見通し
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
④ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1. 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。そのため、当社グループを取り巻く事業環境の変化を把握しつつ、ユーザーのニーズを的確に反映できるようサービス開発を進めるとともに人員の拡充に取り組む方針であります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主な運転資金需要は人件費、広告宣伝費、通信費等によるものであります。これらにつきましては、自己資金や新規上場時の公募増資により調達した資金を充当し、状況に応じて金融機関からの借入等の対応を検討する方針です。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,742,622千円となっており、資金の流動性を確保しております。
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