【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
①経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症対策に伴う各種制限の緩和により社会経済活動の正常化に向けた動きが見られましたが、同感染症の収束が未だ見通せないほか、ウクライナ情勢や不安定な為替相場など、予測が難しい経済情勢が 依然として継続しております。
当社グループを取り巻く環境としましては、スマートデバイス、スマートフォン(以下、スマホ)アプリやインターネット広告(動画広告を含む)の普及に伴い、これまで以上にインターネットでのデジタル素材の活用機会が増えております。また、近年、スマホに付属するカメラ機能の高機能化やアプリの加工技術の向上により誰もが手軽に高品質の写真撮影ができるようになり、さらに撮影したスマホ写真をソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、SNS)に投稿・共有するスタイルが若年層を中心に定着してきました。また、ライフイベントごとの撮影機会の増加やSNSでの写真共有の増加に伴い、個人の撮影サービス市場は拡大するとともに、顧客ニーズは多様化しております。
このような状況の下で、当社グループは「才能をつなぎ、世界をポジティブにする」という企業理念の下、主にデジタル素材マーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」、出張撮影プラットフォーム「fotowa(フォトワ)」、スマホ写真のマーケットプレイス・SNSビジュアルマーケティング「Snapmart(スナップマート)」を運営してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,787,412千円(前期比0.9%減)、営業利益は178,139千円(前期比42.7%増)、経常利益は187,358千円(前期比60.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は121,830千円(前期比33.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①PIXTA事業
PIXTA事業において、定額制の月間購入者数累計は、月50点ダウンロードプランの販売開始等のユーザーの利便性向上に資する取り組みが寄与し、129,874人(前期比15.2%増)となりました。一方、単品の月間購入者数累計は、オミクロン株の流行・まん延防止措置等により主要顧客(広告、印刷、旅行)の購買が鈍ったことや、Googleコアアルゴリズムのアップデートの影響でユーザーの当社サイトへの流入が減少したこと等により、133,439人(前期比15.1%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,403,834千円(前期比3.7%減)、うち定額制売上高は、 1,283,939千円(前期比7.2%増)となりました。また、セグメント利益は、コンテンツ資産の償却費用が減少したこと等により、931,145千円(前期比4.5%増)となりました。
②fotowa事業
fotowa事業において、ニューボーンフォト・お宮参りジャンルが好調に推移し、累計撮影件数は29,846件(前期比29.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は201,093千円(前期比26.2%増)となりました。また、セグメント損失は、広告宣伝費を抑制させたことにより、260,321千円(前期はセグメント損失325,201千円)となりました。
③Snapmart事業
Snapmart事業において、オンデマンド撮影は、新型コロナウイルス感染症等による顧客予算縮小によって新規案件の獲得に苦戦しており、累計売上件数が180件(前期比11.8%減)となりました。また、マーケットプレイスはオンデマンド撮影に注力する方針で経営資源の配分を抑制しており、月間購入者数累計は、9,420人(前期比9.8%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は118,349千円(前期比15.0%減)となりました。また、セグメント損失は、17,817千円(前期はセグメント利益7,034千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,470,772千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は167,876千円(前期は373,753千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が187,358千円となったこと、定額制販売の増加に伴い契約負債が41,843千円増加した一方、広告宣伝費の支払減少に伴い未払金が40,372千円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により支出した資金は56,239千円(前期は10,712千円の収入)となりました。これは主に、無形固定資産取得による支出31,199千円、投資有価証券の取得による支出18,000千円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により支出した資金は200,610千円(前期は120,594千円の支出)となりました。主な支出要因は、長期借入金の返済による支出88,804千円、自己株式の取得による支出111,926千円となったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の事業は、提供するサービスの性質上、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
PIXTA事業
2,403,834
△3.7
fotowa事業
201,093
26.2
Snapmart事業
118,349
△15.0
報告セグメント計
2,723,278
△2.5
その他
64,133
240.4
合計
2,787,412
△0.9
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社が判断したものであり、将来生じる実際の結果とは異なる可能性があります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ104,151千円減少し、2,335,838千円となりました。これは主に、流動資産その他が18,992千円、ソフトウエアが13,369千円増加した一方で、現金及び預金が93,387千円、コンテンツ資産が27,188千円、繰延税金資産が38,306千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ126,526千円減少し、1,426,445千円となりました。これは主に、契約負債(前連結会計年度は「前受金」)が38,111千円増加した一方で、長期借入金が60,258千円、未払金が46,027千円、買掛金が27,430千円、1年内返済予定長期借入金が28,546千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ22,375千円増加し909,393千円となりました。これは主に、利益剰余金が125,563千円増加した一方で、自己株式の取得に伴う自己株式の増加111,926千円により減少したことによるものであります。
2)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、2,787,412千円(前期比0.9%減)となり、そのうちPIXTA事業の定額制売上は1,283,939千円(前期比7.2%増)となりました。主な要因は、PIXTA事業の定額制の売上が堅調に推移した一方で、オミクロン株の流行・まん延防止措置等によりPIXTA事業の単品の主要顧客(広告、印刷、旅行)の購買が鈍ったためであります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は932,927千円(前期比7.4%減)となりました。主な要因は、PIXTA事業の単品売上の減少に伴い素材仕入が減少したこと及びPIXTA事業に係るコンテンツ資産の償却費用が減少したこと等によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,676,344千円(前期比0.3%減)となりました。主な要因は、fotowa事業の広告宣伝費の減少によるものであります。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は9,939千円(前期比27.9%増)となりました。主な内訳は、為替差益2,568千円、受取手数料3,597千円であります。
当連結会計年度の営業外費用は720千円(前期比95.5%減)となりました。主な内訳は、支払利息714千円であります。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は178,139千円(前期比42.7%増)、経常利益は187,358千円(前期比60.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は121,830千円(前期比33.8%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況の分析
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
②重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。当社が採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 会計方針に関する事項」に記載をしております。また、当連結会計年度における会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載をしております。
これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、システム、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場ニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。
④経営戦略の現状と見通し
当社グループを取り巻く事業環境においては、今後もインターネットメディア及び動画広告をはじめとするインターネット広告市場の拡大に伴い、デジタル素材へのニーズがさらに増加していくものと想定されます。
このような事業環境のもと、当社グループでは引き続きPIXTA事業については、サイトの改善による顧客獲得及びコンバージョン強化に注力するとともに、顧客の多様なニーズを満たすための定額制プランの拡充、販促活動や、音素材などの新たな素材カテゴリの拡充に積極的に取り組んでまいります。
加えて、出張撮影プラットフォーム運営のfotowa事業やスマホ写真のマーケットプレイス運営のSnapmart事業などの新規事業のさらなる成長のための施策を実施し、これらに対して必要な投資を行ってまいります。
⑤経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、当社グループの企業価値を最大限に高めるべく努めてまいります。経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりですが、特に既存事業において新規購入者及び継続的な購入者の増加施策やサービスの継続的改善を通じて収益基盤の安定化を図ると共に、さらなる成長のため新規事業を積極的に推進してまいりたいと考えております。
⑥資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、PIXTA事業及びfotowa事業における人件費、広告宣伝費があります。
これらの資金需要に対応するための財源は、営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金により調達することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入等により調達していく考えであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,470,772千円となり、当社グループの事業を推進していく上で充分な流動性を確保しております。
⑦経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社の経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、中長期的な事業拡大と企業価値の増大を図っていくために、重要な経営指標として売上高、営業利益及びそれらの成長率を重視しており、当連結会計年度における売上高は2,787,412千円(前期比0.9%減)、営業利益は178,139千円(前期比42.7%増)となりました。
引き続き、これらの改善に向け取り組んでまいります。
⑧セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)PIXTA事業
PIXTA事業において、定額制の月間購入者数累計は、月50点ダウンロードプランの販売開始等のユーザーの利便性向上に資する取り組みが寄与し、129,874人(前期比15.2%増)となりました。一方、単品の月間購入者数累計は、オミクロン株の流行・まん延防止措置等により主要顧客(広告、印刷、旅行)の購買が鈍ったことや、Googleコアアルゴリズムのアップデートの影響でユーザーの当社サイトへの流入が減少したこと等により、133,439人(前期比15.1%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,403,834千円(前期比3.7%減)、うち定額制売上高は、 1,283,939千円(前期比7.2%増)となりました。また、セグメント利益は、コンテンツ資産の償却費用が減少したこと等により、931,145千円(前期比4.5%増)となりました。
2)fotowa事業
fotowa事業において、ニューボーンフォト・お宮参りジャンルが好調に推移し、累計撮影件数は29,846件(前期比29.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は201,093千円(前期比26.2%増)となりました。また、セグメント損失は、広告宣伝費を抑制させたことにより、260,321千円(前期はセグメント損失325,201千円)となりました。
3)Snapmart事業
Snapmart事業において、オンデマンド撮影は、新型コロナウイルス感染症等による顧客予算縮小によって新規案件の獲得に苦戦しており、累計売上件数が180件(前期比11.8%減)となりました。また、マーケットプレイスはオンデマンド撮影に注力する方針で経営資源の配分を抑制しており、月間購入者数累計は、9,420人(前期比9.8%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は118,349千円(前期比15.0%減)となりました。また、セグメント損失は、17,817千円(前期はセグメント利益7,034千円)となりました。