【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年6月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う規制が緩和され、経済活動の正常化が進んだものの、世界的な金融引き締めに伴う景気の下振れ懸念や物価上昇等から、依然として予断を許さない状況で推移いたしました。
当社グループの主な需要先であります建設業界におきましては、民間設備投資は持ち直しの動きが継続したものの、慢性的な建設労働者不足による労務費の高騰や、鋼材価格の高止まり、電力・燃料費の高騰が長期化するなど、依然として厳しい環境となりました。
このような経営環境のなか、当社グループは、2024年12月期を最終年度とする中期経営計画「NEXT100-PHASE2.1」の施策である、脱炭素を含むSDGs経営・DX活用・グローバル展開加速等を重点課題とし、会社の持続的発展と企業価値の向上に向け取り組んでまいりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
① 建設関連製品事業
自社ブランド製品である、仮設・型枠製品、土木製品、構造機材製品は、適切に価格転嫁を進めたこと、土砂災害の防止に使用される製品等の需要に適切に対応したこと、首都圏の再開発案件の需要取込みに注力したことなどにより、売上高は堅調に推移しました。
建材製商品(海外)の売上高は利上げに伴い米国の住宅市場が低迷したことなどにより、建設資材の販売が伸び悩んだものの、円安による為替換算レートの影響から増加となりました。一方で、営業利益は人件費や荷造運送費等の増加により減少しました。
これらの結果、売上高は309億7千9百万円(前年同期比5.0%増)となり、営業利益は19億8千3百万円(前年同期比16.8%減)となりました。
② 自動車関連製品事業
米国における景況感悪化等を背景に、バッテリー端子製品の販売が伸び悩んだものの、円安による為替換算レートの影響から、売上高は50億8千9百万円(前年同期比6.9%増)となりましたが、工場稼働率の低下に伴い売上総利益率が低下したことなどにより、営業損失は5千1百万円(前年同期は1億7百万円の営業損失)となりました。
③ その他の事業
産業機械製品の販売が堅調に推移したものの、海洋事業において大型案件が減少したことなどから、売上高は19億5千2百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益は1億1千1百万円(前年同期比34.4%減)となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における連結業績は、売上高は380億2千1百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益は20億4千2百万円(前年同期比16.5%減)、経常利益は20億7千4百万円(前年同期比18.8%減)となりました。なお、米国の自動車関連製品事業のうちバッテリー端子製品の製造販売事業等における収益性の著しい低下などに伴い、固定資産が減損の対象となり、特別損失として18億5百万円の減損損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純損失は1億1千6百万円(前年同期は21億3千7百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
(2)財政状態の分析
① 資産
流動資産は主に商品及び製品の減少により前連結会計年度末に比べ30億2千4百万円減少し、604億9千万円となりました。
固定資産は主に機械装置及び運搬具の減少により前連結会計年度末に比べ16億5百万円減少し、387億4千1百万円となりました。
以上の結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ46億3千3百万円減少し、992億6千万円となりました。
② 負債
流動負債は主に短期借入金の減少により前連結会計年度末に比べ25億8百万円減少し、238億9千3百万円となりました。
固定負債は主にその他(繰延税金負債)の増加により前連結会計年度末に比べ8千3百万円増加し、104億6千4百万円となりました。
以上の結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ24億2千5百万円減少し、343億5千8百万円となりました。
③ 純資産
純資産合計は前連結会計年度末に比べ22億8百万円減少し、649億2百万円となりました。また、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.8ポイント増加し、65.4%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローに係る収入36億8千1百万円、投資活動によるキャッシュ・フローに係る支出6億4千1百万円、財務活動によるキャッシュ・フローに係る支出26億1千8百万円となったことなどにより、前連結会計年度末と比べ2億1百万円増加し、183億5千7百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入は、36億8千1百万円となりました(前年同期は16億7千7百万円の収入)。主な要因は、棚卸資産の減少によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローにおける支出は、6億4千1百万円となりました(前年同期は54億2千6百万円の支出)。主な要因は、事業譲受による支出の減少によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローにおける支出は、26億1千8百万円となりました(前年同期は6億2千7百万円の収入)。主な要因は、短期借入金の返済による支出の増加によるものであります。
(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、次のとおりであります。
米国バッテリー端子事業の収益性が著しく低下しており、当社として、事業ポートフォリオの観点から、同事業を不採算事業として認識し、今後、抜本的な施策を講じてまいります。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3億4千5百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。