【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、小売業、サービス業、飲食業などの回復に加え、インバウンド消費の勢いが増しているものの、資源エネルギー価格や食料価格の上昇で企業は厳しいコストアップに直面しており、各社は値上げの判断に頭を抱える状況が続いております。また、個人消費の弱さも依然として残っており、外需頼みの状況が続いております。海外においては、米国経済は底堅くインフレが続く一方で、中国経済は減速が目立ってきており、資源価格や食料価格の高止まりと相まって世界的に不安定な状況が続いております。
リユース市場においては、循環型社会やサステナビリティといった環境問題への意識の高まりや、物価上昇による生活防衛意識の高まりを受けた価格面での優位性などの要因を背景とする追い風により、市場規模の拡大が続いております。また、イメージアップ戦略的なものも含め自社製品を回収し中古品として販売する2次流通も拡大傾向にあり、買取りの競争に加え、売れ筋確保の競争が今以上に進むものと思われます。
ゴルフ用品市場においては、国内旅行などレジャー関連の回復が進む一方で、対象的にゴルフ人気は落ち着きつつあり、下支えとなる施策が求められております。また、7月~9月の平均気温が3ヶ月連続で過去最高となり、非常に厳しい外部環境が続きました。なお、株式会社矢野経済研究所「YPSゴルフデータ」によりますと、2023年7月~9月の新品クラブ及びボールなど用品類のカテゴリー合計前年同月比(販売数量ベース・金額ベース)は、7月99.3%・99.4%、8月91.8%・94.8%、9月99.8%・110.6%となっております。7月、8月は前年同月との比較において数量ベース、金額ベースともに大半のカテゴリーが下回っておりますが、9月は一部モデルの値下げや新製品の発売もあり、クラブ(ドライバー、アイアン)は同両ベースともに上回っております。
ゴルフ場及び練習場においては、経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によりますと、2023年7月、8月のゴルフ場・練習場の利用者数前年同月比*は、7月100.6%・91.5%、8月95.5%・85.7%となりました。他レジャーとの競争による影響に加え、あまりの猛暑によりプレーを控えた方も一定数いるものと思われます。*9月分は公表日の都合で記載しておりません。
このような経営環境のなか、当社グループはゴルフ人気の落ち着きと夏場の猛暑により、「ゴルフドゥ!」店舗を始めとして非常に苦戦を強いられましたが、一方では将来を見据えた「EC戦略の強化」と「『ゴルフドゥ!』店舗の収益構造改革」に取り組んでまいりました。「EC戦略の強化」では「ゴルフドゥ!オンラインショップ」のリニューアルに向けた開発遅延により、秋に予定していたオープンが延期となるものの、現行サイトは「ゴルフドゥ!」店舗とは対照的に猛暑の影響をさほど感じさせず推移いたしました。また、9月1日にはネット、リアル、サービスの各面における3件同時オープンを行い、ネットではEC戦略の第一弾としてフィールド拡大を図るべく、ECモールに「ゴルフ ドゥ 中古クラブ楽天市場店」をグランドオープンいたしました。リアルとサービスでは、中古クラブ以外の収益力向上に挑戦すべく、既存の「ゴルフドゥ!」にウェアの展開を加えて新品クラブも強化した「ゴルフドゥ!NEXT宇都宮鶴田店」をオープンするとともに、本格的にサービス需要の取り込みを図るべく、自社運営のゴルフスクール「ゴルフドゥ!STUDIOレッスン&フィッティング」をスタートいたしました。いずれも「『ゴルフドゥ!』店舗の収益構造改革」の一環としてのものであり、引き続き店舗の収益力強化に努めてまいります。費用面については、前第2四半期連結累計期間と比較し大きく上回っているものとして、第1四半期連結累計期間から大きな変化はなく、広告宣伝費、減価償却費及び貸倒引当金繰入額の3つがあげられます。広告宣伝費と減価償却費は「ゴルフドゥ!オンラインショップ」に関するものであり、どちらも前向きな費用となる一方で、貸倒引当金繰入額については、2023年8月10日に開示いたしました「貸倒引当金繰入額の計上に関するお知らせ」のとおり、当社への売掛債権及び貸付債権に対して引き続き計上となったものです。
直営事業においては、「ゴルフドゥ!」直営店で購入単価の上昇が続くものの、ゴルフ人気の落ち着きに加えて夏場の猛暑により客数の回復が進まず、更には回復が道半ばの状況にある粗利益率や人員不足も追い打ちとなり厳しい状況が続きました。しかしながら、コロナ禍前である2019年度対比で同店の売上高は全店ベース135.7%と上回っており、コロナ禍で拡大した規模は一定程度維持しております。また、「ゴルフ ドゥ 中古クラブ楽天市場店」がスタートし、「ゴルフドゥ!オンラインショップ」と併せて店頭外販路拡大による補完機能の強化が進んでおります。なお、当第2四半期連結累計期間の同店の売上高前年増減率(当社子会社の運営店舗を含まず)は、全店ベースで1.3%減、既存店ベースで1.7%減となりました。
フランチャイズ事業においては、主に「ゴルフドゥ!」直営店と同様の外的要因によりフランチャイズ店は客数の減少が続き、店頭は非常に厳しい状況となりました。一方で「ゴルフドゥ!オンラインショップ」は好調に推移しており、「ゴルフ ドゥ 中古クラブ楽天市場店」とともに補完機能としての店頭外販路は日を追うごとに重要度を増しております。なお、当第2四半期連結累計期間の同店の売上高前年増減率(当社子会社の運営店舗を含む)は、全店ベースで6.3%減、既存店ベースで5.7%減となりました。
当第2四半期連結累計期間における「ゴルフドゥ!」の新規オープンはフランチャイズが1店舗(4月29日「コジマ小山店」)で、2023年9月30日現在の「ゴルフドゥ!」は、直営24店舗、フランチャイズ52店舗(子会社運営店舗を含む)、合計76店舗、チェーン合計の売上高前年増減率は、全店ベース4.0%減、既存店ベース3.9%減となりました。
営業販売事業においては、米国のインフレや円安による輸入品のコスト上昇に改善が見られず、卸販売及びECモールに出店する「GOLF J-WINGS」は厳しい状況のなか、顧客獲得に向けた在庫の安定化など商品競争力の向上に苦心が続いております。
アパレル事業においては、夏場の厳しい猛暑に加えて、特に9月の残暑の影響が大きく、客数と秋物の売れ行きが落ち込み、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期を下回りましたが、粗利益は前年同期を上回り、黒字も維持いたしました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は売上高28億54百万円(前第2四半期連結累計期間は売上高32億45百万円)、営業損失33百万円(前第2四半期連結累計期間は営業利益1億10百万円)、経常損失70百万円(前第2四半期連結累計期間は経常利益1億12百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失88百万円(前第2四半期連結累計期間は親会社株主に帰属する四半期純利益68百万円)となりました。
当第2四半期連結累計期間におけるセグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(直営事業)
当第2四半期連結累計期間における直営事業の売上高は21億41百万円(前年同四半期売上高は21億67百万円)、セグメント利益は1億5百万円(前年同四半期セグメント利益は1億94百万円)となりました。
(フランチャイズ事業)
当第2四半期連結累計期間におけるフランチャイズ事業の売上高は2億39百万円(前年同四半期売上高は3億49百万円)、セグメント利益は20百万円(前年同四半期セグメント利益は82百万円)となりました。
(営業販売事業)
当第2四半期連結累計期間における営業販売事業の売上高は4億90百万円(前年同四半期売上高は7億40百万円)、セグメント利益は8百万円(前年同四半期セグメント利益は10百万円)となりました。
(アパレル事業)
当第2四半期連結累計期間におけるアパレル事業の売上高は25百万円(前年同四半期売上高は25百万円)、セグメント利益は0百万円(前年同四半期セグメント利益は1百万円)となりました。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1億62百万円の減少となり、31億28百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ1億3百万円の減少となり、23億98百万円となりました。これは主に現金及び預金が69百万円増加、商品が1億43百万円減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ58百万円の減少となり、7億30百万円となりました。これは主に無形固定資産が14百万円、繰延税金資産が16百万円減少、貸倒引当金が38百万円増加したことによるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ73百万円の減少となり、23億73百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ2億7百万円の減少となり、13億71百万円となりました。これは主に買掛金が1億5百万円、短期借入金が1億30百万円、未払法人税等が57百万円減少したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億34百万円の増加となり、10億2百万円となりました。これは主に長期借入金が1億41百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ89百万円の減少となり、7億54百万円となりました。これは主に利益剰余金が1億14百万円減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は23.2%(前連結会計年度末は24.7%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ69百万円増加し、7億24百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は76百万円(前年同期は1億78百万円の獲得)となりました。
これは、主に棚卸資産の減少、減価償却費、貸倒引当金の増加、仕入債務の減少、税金等調整前四半期純損失の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は31百万円(前年同期は91百万円の使用)となりました。
これは、主に無形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は14百万円(前年同期は35百万円の使用)となりました。
これは、主に長期借入れによる収入、短期借入金の減少、長期借入金の返済による支出によるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。