【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染法上の分類が5類へ引き下げられたことで、個人消費の行動範囲が拡がり、レジャーや高額品の需要が勢いを増しております。また、円安が一段と進んだものの、インバウンド需要、輸出、海外投資家による日本株買いなど、むしろ好影響が目立っております。海外においては、利上げの効果で物価の上昇は収まりつつあるものの、資源や食料などの価格は依然として不安定な状態が続いており、各国による囲い込み競争が過熱しております。
リユース市場においては、循環型社会やサスティナビリティの時流を背景に、環境保護意識が強い若年層を中心に需要が増加傾向にあるとともに、元来のリユース企業以外の参入も増加傾向にあります。また、物価上昇に伴う消費者の節約志向にも合致した市場は成長が続いております。
ゴルフ用品市場においては、旅行や観光を始めとするレジャー需要や商業施設への集客が回復するに連れ、コロナ禍を切っ掛けにゴルフを始めたライト層の需要減少が見られ始めており、一過性のゴルフ人気に終わらせないための取り組みが強く必要とされております。なお、株式会社矢野経済研究所「YPSゴルフデータ」によりますと、2023年4月~6月の新品クラブ及びボールなど用品類の販売数量ベース・金額ベースのカテゴリー合計前年同月比は、4月97.6%・96.1%、5月95.1%・97.1%、6月91.7%・97.3%となっております。前年同月との比較では数量ベース、金額ベースともに大半のカテゴリーが下回っているものの、コロナ禍前である2019年同月との比較で金額ベースにおいては、大半のカテゴリーが上回っております。
ゴルフ場及び練習場においては、経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によりますと、2023年4月、5月のゴルフ場・練習場の利用者数前年同月比*は、4月98.4%・93.8%、5月95.2%・90.1%となりました。他のレジャーとの競争が一段と本格化してきたことが窺えます。 *6月分は公表日の都合で記載しておりません。
このような経営環境のなか、当社グループは前連結会計年度から引き続き「EC戦略の強化」を最優先に取り組んでまいりましたところ、「ゴルフドゥ!オンラインショップ」は順調に業績を伸ばしており、やや伸び悩む「ゴルフドゥ!」店舗を側面より支えるまでになっております。また、秋に予定するリニューアルに向けた改修や、9月1日にオープンを控える「楽天市場店」の準備も順調に進んでおり、「EC戦略の強化」のうち現在進行しているものは、ゴールが視界に入ってきております。なお、次は「『ゴルフドゥ!』店舗の収益構造改革」に軸足を移してまいります。費用面については、前第1四半期連結累計期間と比較し大きく上回っているものとして、広告宣伝費、減価償却費及び貸倒引当金繰入額の3つがあげられますが、広告宣伝費は「ゴルフドゥ!オンラインショップ」にかかるものであり、減価償却費は「ゴルフドゥ!オンラインショップ」のリニューアルを見据えた現行サイトにかかるものの前倒しであり、どちらも前向きな費用となります。一方で貸倒引当金繰入額については、2023年8月10日に開示いたしました「貸倒引当金繰入額の計上に関するお知らせ」のとおり、当社から「ゴルフドゥ!」フランチャイズ店を運営する企業への売掛債権及び貸付債権について、当該企業の経営状況及び財務状況を慎重に検討いたしました結果、貸倒引当金繰入額として計上に至ったものです。
直営事業においては、「ゴルフドゥ!」直営店で客数の減少を単価上昇で補い、動きが鈍い新品クラブと用品を中古クラブが補い、好不調の変動が大きい店頭に対して安定した「ゴルフドゥ!オンラインショップ」経由販売という状況が期間を通して続きました。また、購入客数の回復と、在庫調整による粗利益率低下の回復という2つの回復への取り組みを進めておりますが、どちらも目立った効果が表れておらず、取り組みは道半ばの状況にあります。なお、当第1四半期連結累計期間の同店の売上高前年増減率(子会社運営店舗を含まず)は、全店ベース1.7%増、既存店ベース0.7%増となりました。
フランチャイズ事業においては、新品クラブの動きが低調なこともあり、「ゴルフドゥ!」フランチャイズ店では、客数の減少を単価上昇で補う構図に終わりが見え隠れしており、客数の回復が急務となっております。また、店頭販売がゴールデンウィーク期間を除き苦戦する一方で、「ゴルフドゥ!オンラインショップ」経由販売は好調に推移しており、補完機能としての役割が大きくなっております。なお、当第1四半期連結累計期間の同店の売上高前年増減率(子会社運営店舗を含む)は、全店ベース4.7%減、既存店ベース4.8%減となりました。
当第1四半期連結累計期間における「ゴルフドゥ!」のオープンは新規でフランチャイズが1店舗(4月29日「コジマ小山店」)で、2023年6月30日現在の「ゴルフドゥ!」は、直営24店舗、フランチャイズ53店舗(子会社運営店舗を含む)、合計77店舗、チェーン合計の売上高前年増減率は、全店ベース1.8%減、既存店ベース2.3%減となりました。
営業販売事業においては、米国のインフレや円安による米国輸入品のコスト上昇に依然として改善が見られず、卸販売は好不調の変動が大きく、国内ECモールに出店している「GOLF J-WINGS」は総じて厳しい状況が続きました。
アパレル事業においては、4月と6月の売上高は前年同月を上回ったものの、5月の落ち込みや人件費の増加もあり、売上高及び利益は前年同四半期を下回りました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は売上高15億円(前第1四半期連結累計期間は売上高16億93百万円)、営業損失8百万円(前第1四半期連結累計期間は営業利益57百万円)、経常損失46百万円(前第1四半期連結累計期間は経常利益60百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失70百万円(前第1四半期連結累計期間は親会社株主に帰属する四半期純利益37百万円)となりました。
当第1四半期連結累計期間におけるセグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(直営事業)
当第1四半期連結累計期間における直営事業の売上高は11億11百万円(前年同四半期売上高は10億91百万円)、セグメント利益は59百万円(前年同四半期セグメント利益は97百万円)となりました。
(フランチャイズ事業)
当第1四半期連結累計期間におけるフランチャイズ事業の売上高は1億25百万円(前年同四半期売上高は1億90百万円)、セグメント利益は8百万円(前年同四半期セグメント利益は44百万円)となりました。
(営業販売事業)
当第1四半期連結累計期間における営業販売事業の売上高は2億74百万円(前年同四半期売上高は4億8百万円)、セグメント利益は8百万円(前年同四半期セグメント利益は6百万円)となりました。
(アパレル事業)
当第1四半期連結累計期間におけるアパレル事業の売上高は13百万円(前年同四半期売上高は13百万円)、セグメント利益は0百万円(前年同四半期セグメント利益は1百万円)となりました。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1億85百万円の減少となり、31億5百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ90百万円の減少となり、24億11百万円となりました。これは主に現金及び預金が48百万円、商品が36百万円減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ94百万円の減少となり、6億94百万円となりました。これは主に無形固定資産が29百万円、長期繰延税金資産が22百万円減少、貸倒引当金が31百万円増加したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ1億4百万円の減少となり、23億41百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ2億94百万円の減少となり、12億85百万円となりました。これは主に買掛金が2億1百万円、短期借入金が80百万円、未払法人税等が63百万円減少したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億89百万円の増加となり、10億56百万円となりました。これは主に長期借入金が1億94百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ80百万円の減少となり、7億63百万円となりました。これは主に利益剰余金が95百万円減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は23.7%(前連結会計年度末は24.7%)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。