【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当期の財政状態の概況
(資産)当連結会計年度末における総資産は、988億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ98億76百万円増加いたしました。これは土地が1億31百万円、無形固定資産が1億27百万円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が72億23百万円、商品及び製品が21億95百万円、未収入金が7億83百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)当連結会計年度末における負債合計は、462億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ92億61百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が12億62百万円減少したものの、長期借入金が34億円、未払金が19億15百万円、1年内返済予定長期借入金が16億円、短期借入金が15億80百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は、525億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億15百万円増加いたしました。これは主に自己株式が33億21百万円増加したものの、利益剰余金が23億52百万円、為替換算調整勘定が12億14百万円増加したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は52.5%(前連結会計年度末は57.8%)となりました。
当期の経営成績の概況当社グループの当連結会計年度の業績は、連結売上高1,790億76百万円(前期比32.4%増)、営業利益71億28百万円(前期比71.2%増)、経常利益68億41百万円(前期比66.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益47億6百万円(前期比66.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。電子部品事業産業機器関連・自動車電装機器関連・OA機器関連が好調に推移いたしました。以上の結果、半導体の売上高は1,054億51百万円(前期比40.5%増)、電子部品の売上高は526億63百万円(同18.9%増)、電子部品事業全体の売上高は1,581億15百万円(同32.5%増)となりました。アセンブリ事業産業機器関連・民生機器関連が好調に推移いたしました。以上の結果、アセンブリ製品の売上高は161億10百万円(前期比30.9%増)となりました。その他の事業娯楽機器関連・産業機器関連・自動車電装機器関連が好調に推移いたしました。以上の結果、電子機器及びマイクロコンピュータのソフトウェア受託開発の売上高は48億51百万円(前期比36.1%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が68億81百万円(前期比66.4%増)となり、売上債権の増加、短期借入金の返済による支出、自己株式の取得による支出、配当金の支払による支出、短期借入れによる収入、長期借入れによる収入等があったことにより、前連結会計年度末に比べ1億66百万円増加し、当連結会計年度末においては107億46百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は、9億5百万円(前期は116億28百万円の使用)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が68億81百万円であったものの、売上債権の増加63億52百万円、棚卸資産の増加13億60百万円、未収入金の増加15億40百万円、仕入債務の減少16億9百万円による支出等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果獲得した資金は、9百万円(前期は4億7百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得1億5百万円、その他投資資産の取得1億55百万円の支出等があったものの、有形固定資産の売却による収入1億90百万円、その他投資資産の売却・解約による収入1億24百万円の収入等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得した資金は、6億82百万円(前期は42億50百万円の収入)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出59億66百万円、自己株式の取得による支出33億54百万円、配当金の支払23億56百万円の支出等があったものの、短期借入による収入74億30百万円、長期借入による収入50億円などがあったことによるものであります。
③ 仕入、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
電子部品事業(百万円)
145,424
121.5
アセンブリ事業(百万円)
15,465
123.9
その他の事業(百万円)
4,163
134.5
合計(百万円)
165,053
122.0
b.受注実績当社グループは商社機能として、受注、販売活動を行っており、サプライチェーンの重要な役割として商品供給の納期確保のため、顧客の所要などに基づく手配も行っております。なお、受注から売上計上までの期間は短く完了しており、当連結会計年度における商品受注状況は以下のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
電子部品事業
165,946
78.8
134,924
108.6
アセンブリ事業
17,578
94.2
7,640
105.0
その他の事業
5,352
121.9
1,784
146.4
合計
188,877
80.8
144,348
108.8
(注) 受注高および受注残高は、連結消去後の金額となります。
c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
電子部品事業(百万円)
158,115
132.5
アセンブリ事業(百万円)
16,110
130.9
その他の事業(百万円)
4,851
136.1
合計(百万円)
179,076
132.4
(注) 最近2連結会計年度等は、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が、100分の10未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の業績は、連結売上高1,790億76百万円(前期比32.4%増)、営業利益71億28百万円(前期比71.2%増)、経常利益68億41百万円(前期比66.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益47億6百万円(前期比66.8%増)となりました。売上に関しては、産業機器関連・自動車電装機器関連・OA機器関連が好調に推移いたしました。販管費は人件費の増加等により前期比で11億25百万円増となったものの、営業利益、経常利益、当期純利益は各段階で前期比増となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
(電子部品事業)売上高は、産業機器関連・自動車電装機器関連・OA機器関連が好調に推移したことにより、前期比32.5%増の1,581億15百万円になりました。セグメント利益も同理由により、前期比41.4%増の84億18百万円になりました。セグメント資産は、電子部品事業の売上債権や棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ101億91百万円増加し、673億42百万円になりました。
(アセンブリ事業)売上高は、産業機器関連・民生機器関連が好調に推移したことにより、前期比30.9%増の161億10百万円になりました。セグメント利益も同理由により、前期比738.6%増の6億42百万円になりました。セグメント資産は、アセンブリ事業の売上債権や棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ19億20百万円増加し、88億87百万円になりました。
(その他の事業)売上高は、娯楽機器関連・産業機器関連・自動車電装機器関連が好調に推移したことにより前期比36.1%増の48億51百万円になりました。セグメント利益も、同理由により、前期比77.0%増の3億15百万円になりました。セグメント資産は、その他の事業の売上債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ4億80百万円増加し、26億76百万円になりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況」の「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。また、当社グループにおける資金需要の主なものは、商品及び製品の購入費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用による運転資金および設備投資資金であり、資金の源泉は主として内部資金または金融機関からの借入による資金調達であります。なお、効率的で安定した運転資金の調達を行うため、主要取引金融機関と総額150億円のコミットメントライン契約および総額42億円の当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度の未実行残高は、135億円となっております。
③ 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項については、状況を踏まえ、合理的と判断される仮定に基づき、会計上の見積りを行っております。連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。なお、半導体製品の需給逼迫の影響は、不確実性が大きく、将来の事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報に基づき作成しております。連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりです。
(棚卸資産)当社グループは棚卸資産について、保有の理由や回転率に基づく一定の滞留期間により棚卸資産を区分し、販売見込あるいは廃棄実績により評価減を行っておりますが、顧客の生産計画の変更など、見積りの前提に変更が生じ、連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産)当社グループは繰延税金資産について、将来の事業計画に基づいた課税所得に基づき回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに基づくため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少が生じた場合は、繰延税金資産が取崩され、税金費用が計上される可能性があります。