【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
なお、三生医薬株式会社との企業結合について、前連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定の内容を反映した金額を用いております。
①財政状態及び経営成績の状況
「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に述べているように、業界環境が大きく変化していますが、当社グループにおいては、「人々の健康に貢献し、こころの笑顔を大切にする」ことを企業理念として、2021年5月に発表した「第5期 中期経営計画2021-2023 PROACTIVEⅡ」(以下、「中期経営計画」という。)に基づき、国内外でのジェネリック医薬品事業をコア事業としつつ、「健康長寿社会」に対応した医療・介護の実現や、医療から未病のケア・予防へシフトする社会に貢献する健康関連事業の展開を目指し、各種課題に取り組んでまいりました。
国内セグメントにおいては、安定供給責任を果たすために増産に向けた新規設備の導入と増員に取り組んでおり、年間の生産能力は2021年度末から20億錠増加し、140億錠となりました。また、将来にわたり安定供給できる体制を構築するため、2023年10月までに山形工場に第三固形製剤棟を建設し、2024年度以降、175億錠の生産能力を実現する計画としております。
製造管理及び品質管理面では、医薬品の製造管理及び品質管理の基準であるGMP省令やその他関連する法令遵守はもちろんのこと、国際的基準であるPIC/S GMPやICHガイドラインも積極的に取り入れ、独自の制度・教育訓練により、医薬品の適切な品質と安全性の確保に取り組んでおります。また、安定供給体制の維持・強化のため、原薬の複数購買化や製造所の監査等を推進し、グループ全体として原薬製造から製剤製造、物流、販売に至るまで、ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に向けた取り組みを継続して行っております。
販売面では、2022年6月に新製品7成分13品目、2022年12月に新製品7成分14品目の発売を開始し、当社のジェネリック医薬品の製品数は345成分786品目となりました。
健康関連事業の展開においては、「健康長寿社会に対応した医療・介護の実現や、医療から未病のケア・予防へシフトする社会に貢献する」ことを課題として認識し、新規事業の創出に取り組んでおります。その取り組みの一環として、健康食品・医薬品等の企画・開発・受託製造業を営む三生医薬を子会社化し、前連結会計年度末より連結対象といたしました。三生医薬が培ってきた高い技術力や広範な顧客基盤、健康食品関連のノウハウを活用でき、当社の目指す健康関連事業の多角的な展開が実現され、当社のさらなる企業価値向上につながると考えており、当連結会計年度では統合作業に取り組みました。また、医療・健康データを活用したヘルスケアサービスの提供を目指し、2022年9月にゲームメソッドを導入した服薬支援ツール「Hanaサポート(ハナサポ)」のサービスを開始いたしました。この他にも、ライフサイエンス領域における新たな研究開発拠点として、2022年10月に北大阪健康医療都市に「健都ライフ・イノベーションセンター」を開設いたしました。今後も、「人々の健康に貢献する」という当社グループの理念のもと、新規事業の創出に向けた取り組みを継続して行ってまいります。
海外セグメントにおいては、海外市場での拡大と成長に向け、Towa HDを通じて欧州及び米国市場でのジェネリック医薬品事業を展開しております。当連結会計年度では、2022年6月に欧州連結子会社3社の社名を変更いたしました。この変更によって当社グループとしての一体感の醸成と協業推進を図り、統一したブランドで付加価値製品を提供することで、ステークホルダーに対し「TOWA」の明確なブランドイメージを構築し、更なる事業拡大を目指してまいります。
このような活動の結果、当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、以下のとおりです。なお、当社は、2023年2月13日開催の取締役会において、連結決算における連結子会社9社の決算日を12月末日から3月末日に変更することを決定いたしました。これにより決算期変更の経過期間となる当連結会計年度の連結決算は、当該連結子会社9社の15ヵ月間(2022年1月1日~2023年3月31日)の決算を取り込んだものとなっております。このため、対前期増減率は記載しておりません。
売上高208,859百万円、売上原価136,145百万円、売上総利益72,713百万円、販売費及び一般管理費67,199百万円、営業利益5,514百万円、経常利益5,141百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,201百万円となりました。
セグメント別の業績は、以下のとおりです。なお、報告セグメントのセグメント利益につきましては、のれん償却前の数値となっております。国内セグメントは、売上高155,538百万円、セグメント利益10,931百万円となりました。海外セグメントは、売上高53,487百万円、セグメント損失277百万円となりました。
当連結会計年度における財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、371,347百万円となり、前連結会計年度末比39,250百万円の増加となりました。その主な要因は、棚卸資産の増加20,225百万円、建設仮勘定の増加19,445百万円等があったことによるものです。
(負債)
負債につきましては、234,453百万円となり、同34,525百万円増加しました。その主な要因は、短期借入金の減少45,658百万円等があったものの、長期借入金の増加71,119百万円、設備関係支払手形の増加8,119百万円等があったことによるものです。
(純資産)
純資産につきましては、136,894百万円となり、同4,725百万円増加しました。その主な要因は、為替換算調整勘定の増加5,630百万円等があったことによるものです。
その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は36.9%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して8,573百万円減少し、24,257百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは2,544百万円の収入(前連結会計年度比19,585百万円減)となりました。主な要因は、棚卸資産の増加18,496百万円(同、10,545百万円増)等があったものの、減価償却費14,261百万円(同、4,107百万円増)や仕入債務の増加6,554百万円(同、2,878百万円増)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、30,284百万円の支出(前連結会計年度比29,445百万円減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出28,731百万円(同、17,590百万円増)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、17,481百万円の収入(前連結会計年度比29,058百万円減)となりました。主な要因は、短期借入金の純減少額45,680百万円(前連結会計年度は純増加額47,135百万円)、長期借入金の返済による支出8,118百万円(前連結会計年度比936百万円増)、新株予約権付社債の償還による支出4,150百万円等があったものの、長期借入れによる収入78,831百万円(同、69,670百万円増)等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
薬効
セグメントの名称
国内
海外
合計
金額(百万円)
前期比(%)
金額(百万円)
前期比(%)
金額(百万円)
前期比(%)
循環器官用薬
47,525
102.5
1,039
154.6
48,565
103.3
中枢神経系用薬
31,871
110.9
11,513
182.4
43,384
123.8
消化器官用薬
21,024
113.2
13,394
134.0
34,418
120.5
血液・体液用薬
16,029
135.5
9
307.6
16,038
135.6
その他の代謝性医薬品
15,685
121.9
54
141.5
15,739
122.0
抗生物質製剤
4,271
103.2
49
300.0
4,320
104.0
化学療法剤
1,876
85.6
16
176.8
1,892
86.0
腫瘍用薬
4,005
120.4
-
-
4,005
120.4
アレルギー用薬
15,396
89.8
271
109.6
15,667
90.0
その他
39,560
259.8
122
90.6
39,682
258.3
合計
197,245
123.0
26,469
151.9
223,715
125.8
(注)上記金額は売価換算で表示しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
薬効
セグメントの名称
国内
海外
合計
金額(百万円)
前期比(%)
金額(百万円)
前期比(%)
金額(百万円)
前期比(%)
循環器官用薬
54
53.9
2,841
137.5
2,895
133.7
中枢神経系用薬
31
66.2
7,679
168.3
7,710
167.2
消化器官用薬
896
475.3
513
214.4
1,409
329.3
血液・体液用薬
1,488
456.4
1,467
148.3
2,956
224.7
その他の代謝性医薬品
-
-
180
124.7
180
124.7
抗生物質製剤
-
-
911
217.5
911
217.5
化学療法剤
-
-
174
193.0
174
165.1
腫瘍用薬
541
83.2
2,209
177.6
2,750
145.2
アレルギー用薬
-
-
483
60.7
483
60.7
その他
228
64.9
1,029
179.6
1,258
136.0
合計
3,240
192.7
17,490
157.2
20,731
161.9
(注)上記金額は実際仕入額で表示しております。
c.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、主として見込み生産を行っているため、記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
薬効
セグメントの名称
国内
海外
合計
金額(百万円)
前期比(%)
金額(百万円)
前期比(%)
金額(百万円)
前期比(%)
循環器官用薬
34,346
93.7
6,057
131.7
40,404
97.9
中枢神経系用薬
22,580
103.0
21,067
142.1
43,648
118.7
消化器官用薬
15,967
104.7
13,655
139.2
29,622
118.2
血液・体液用薬
12,277
146.1
2,020
142.1
14,297
145.5
その他の代謝性医薬品
12,384
106.7
253
103.4
12,637
106.6
抗生物質製剤
3,396
94.3
1,574
192.6
4,970
112.5
化学療法剤
1,332
88.5
113
71.3
1,445
86.9
腫瘍用薬
2,881
107.1
4,566
128.5
7,447
119.3
アレルギー用薬
13,498
108.0
783
54.1
14,281
102.4
その他
36,874
294.3
3,228
157.4
40,103
275.0
合計
155,538
122.8
53,321
136.9
208,859
126.1
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
㈱スズケン
22,583
13.6
23,424
11.2
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項について、会計基準等の範囲内で合理的な会計上の見積りを行っております。重要な会計方針及び見積りの詳細等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における 当社グループの経営成績等は、以下のとおりです。なお、当社は、2023年2月13日開催の取締役会において、連結決算における連結子会社9社の決算日を12月末日から3月末日に変更することを決定いたしました。これにより決算期変更の経過期間となる当連結会計年度の連結決算は、当該連結子会社9社の15ヵ月間(2022年1月1日~2023年3月31日)の決算を取り込んだものとなっております。このため、対前期増減率は記載しておりません。
売上高につきましては、当社の業績は前期並みでしたが、2022年3月に三生医薬を子会社化し、前連結会計年度末より連結対象としたこと及び欧州が好調であったことにより、208,859百万円となりました。営業利益につきましては、国内セグメントにおいて売上原価率が上昇したことと、三生医薬買収に伴うのれん償却費等の販売費及び一般管理費が増加したことにより、5,514百万円となりました。売上原価136,145百万円、売上総利益72,713百万円、販売費及び一般管理費67,199百万円、経常利益5,141百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,201百万円となりました。
セグメント別の業績は、以下のとおりです。報告セグメントのセグメント利益につきましては、のれん償却前の数値となっております。
国内セグメントの売上高につきましては、当社において、限定出荷解除が進んだ影響により当第4四半期連結会計期間の売上高が前年を大きく上回り、第2四半期連結累計期間までのマイナスを補って通期の売上高は前期並みまで回復いたしました。また、三生医薬が連結対象となったこともあり、155,538百万円となりました。セグメント利益につきましては、売上原価率が高い三生医薬が連結対象となったこと及び薬価改定による価格の下落とセールスミックスの悪化によって売上原価率が上昇し、さらに当社において支払手数料や研究開発費等の販売費及び一般管理費が増加したことにより、10,931百万円となりました。
海外セグメントの売上高につきましては、米国において一部製造委託先の製品の販売停止による影響があったものの、欧州においてBtoB事業とBtoC事業がともに好調であったことと、ユーロ円の為替レートが円安に動いた影響によって、53,487百万円となりました。セグメント利益につきましては、米国における一部製造委託先の製品の販売停止による影響により、277百万円のセグメント損失が発生いたしました。なお、営業外収益にて受取補償金を計上しているため、経常利益への当該事象の影響は軽微なものとなっております。
次期の見通しにつきましては、 毎年行われる薬価改定に加え、品質確保や医薬品の安定供給に関する問題も重なり、ジェネリック医薬品業界は厳しい環境下で変革を求められる時期となっております。また、地政学的リスクに伴う物価上昇、原材料高騰等、先行き不透明な状況が続くものと想定しております。
このような状況の下ではありますが、当社グループは生命関連企業として、品質管理及び医療用医薬品の安定供給に努め、社会情勢を見極めながら、「中期経営計画」に基づき各事業に取り組んでまいります。
コア事業であるジェネリック医薬品事業では、ジェネリック医薬品数量シェア拡大を目指し、2023年10月までに山形工場に第三固形製剤棟を建設し、2024年度以降、175億錠の生産能力を実現する計画としております。それと並行して安定供給体制の維持・強化に取り組み、総合ジェネリック医薬品メーカーとして、より信頼され、必要とされる存在となるべく事業を進めてまいります。また、さらなる製品品質の向上のために製剤技術・製造技術のイノベーションに取り組むとともに、当社の理念である「私達は 人々の健康に貢献します」に沿って、新たな技術の獲得、新しい知見や技術との融合を図ってまいります。
さらに、地域包括ケアシステム等の新しい医療体制への対応や、「健康寿命の延伸」の実現に向け未病対策や健康維持に関連する様々な新規事業の創出にも注力し、地域社会に必要とされる企業を目指します。その取り組みの一環として2022年3月に子会社化した三生医薬の高い技術力や広範な顧客基盤、健康食品関連のノウハウを活用し、健康関連事業の多角的な展開を実現してまいります。
またTowa HDが持つ欧州複数国及び米国での販売網と、欧州にある欧米等の基準に準拠した製造拠点を活用し、日米欧の3極から世界中の患者に高品質で付加価値のあるジェネリック医薬品を提供できるグローバル事業基盤を確立していきます。
次期の当社グループは、組織強化、グループガバナンス強化、人材育成に重点を置き、グループ間のシナジー効果を最大限発揮できるように情報共有を行って協力体制を敷き、「健康寿命の延伸に貢献するグループ」となるべく取り組んでまいります。
