【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年12月31日まで)における我が国経済は、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてはきたものの、11月から12月にかけましては、第8波で感染が拡大するなど、依然不透明な状況が続いております。当アパレル業界におきましても、第8波や物価上昇の影響もあり、消費需要は足踏みの状況でした。
このような経営環境のもと、当社グループでは、売上高は計画水準を維持できており、さらなる業績回復に向けて努力を続けております。2022年度からスタートしている中期3ヵ年経営計画の基本方針に対する進捗状況は、以下のとおりであります。
① オリジナルブランドの構築
百貨店チャネルにおきましては、引き続き、CHOYAブランドのコーナー化・ショップ化に注力しており、京王百貨店の紳士服売り場に、2店舗目となる「CHOYA SHIRT SHOP」をオープンするなど売上拡大策を実施することにより、既製ドレスシャツの売上高は前年同期比126%、粗利益は前年同期比127%となり、オーダーシャツの売上高は前年同期比112%、粗利益は前年同期比120%と、売上高・粗利益とも増加傾向を維持しております。併せて、継続して進めております取引条件の改定、販売員効率の見直しによる人件費削減などの効果により、収益改善が順調に進んでおります。
量販店チャネルにおきましても、SHIRT HOUSEのコンセ売場の売上高は前年同期比139%、粗利益が前年同期比145%と進捗しており、確実に収益を確保できる状況になっております。また、オリジナルブランドの復活を目指すSWANブランドは2023年春物から展開中で、続いて夏物、秋物の企画も随時進行しております。
② BtoCの強化による収益アップ
山喜オンラインショップである自社サイトの会員数は、前連結会計年度末の19,007名から、当第3四半期連結会計期間末は25,089名に増加しております。物価上昇の影響を受け、セット販売等の低価格帯の需要が伸び、売上高は前年同期比115%、粗利益は117%と順調に推移しました。
③ ドレス・カジュアル・レディース・ユニフォームの新商品開発と売上拡大
ドレスシャツの端境期である第3四半期対策として、ジレ・ジャケット・カーディガンなどのコーディネート販売を強化しており、新規アイテムの開発・販売にも尽力しております。12月は気温が下がり、アウターが好調で、カジュアルのGERRYブランドも順調に推移しております。その結果、売上高は前年同期比120%と好調に推移しましたが、原材料価格の高騰や急激な円安ドル高の影響による仕入原価の上昇により、粗利益は前年同期比91%に留まる状況となりました。引続き、原副材料の見直しも含めた製品原価の低減、為替予約の見直し、納品価格の値上げ交渉、店頭小売価格の見直し等の対策を講じて、粗利益及び粗利益率の改善に努めてまいります。
以上のような各施策の実行に加え、前連結会計年度下半期に実行した事業構造改革により、人件費を含む販売管理費が減少いたしましたが、前述のコスト上昇要因により粗利益率は低下いたしました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、連結売上高85億38百万円(前年同期は74億23百万円)、営業損失1億4百万円(前年同期は7億21百万円の損失)、経常損失37百万円(前年同期は6億6百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失29百万円(前年同期は8億66百万円の損失)となりました。
事業セグメントごとの業績は次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
また、当社の長崎工場及び郡山工場を連結子会社である高山CHOYAソーイング株式会社に事業譲渡し、生産事業の一社化に合わせて、高山CHOYAソーイング株式会社の社名を山喜ソーイング株式会社に変更いたしました。これに伴い、第1四半期連結会計期間において従来「国内販売」に含まれていた該当事業を「製造」に含めております。
なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報は変更後のセグメント区分に基づき作成しております。
①国内販売
国内販売セグメントは上述の要因により、売上高75億22百万円(前年同期は64億40百万円)、セグメント損失1億13百万円(前年同期は5億45百万円の損失)となりました。
②製造
製造セグメントにおいては、上海工場の生産ラインの閉鎖や新型コロナウイルス拡大による休業要請等の影響により売上高は18億98百万円(前年同期は22億17百万円)、セグメント利益19百万円(前年同期は1億81百万円の損失)となりました。
③海外販売
海外販売セグメントにおいては、コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和策により、受注が回復傾向にあり売上高は2億56百万円(前年同期は1億3百万円)、セグメント利益12百万円(前年同期は3百万円の損失)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は123億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億96百万円増加いたしました。この主な要因は、売上の回復に伴う売掛債権の増加等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の負債は88億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億58百万円増加いたしました。この主な要因は、仕入の増加に伴い買掛債務および借入金が増加したこと等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の純資産は34億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億62百万円減少いたしました。この主な要因は、繰延ヘッジ損益の減少および親会社株主に帰属する四半期純損失の計上等によるものであります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
特記すべき事項はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因に変更はありません。
(6) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に関する新型コロナウイルス感染症による影響について、詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。