【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等もあり、景気の持ち直しの動きもみられるものの、原材料価格の高騰や急激な円安ドル高の進行、ウクライナ情勢の影響によるエネルギー価格の高騰等もあり、先行き不透明な状況が続いております。
このような経営環境のもと、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症第7波の影響を受け、完全な回復とまでは至らないまでも、人の動きも戻りつつあり、店頭売上も増加傾向にあることから、売上高も回復基調にあります。
2022年度からスタートしている中期3ヵ年経営計画の基本方針に対する進捗状況は、以下のとおりであります。
① オリジナルブランドの構築
百貨店チャネルにおきましては、引き続き、CHOYAブランドのコーナー化・ショップ化によるシェアアップで、既製ドレスシャツの売上高が前年同期比118%、粗利益が前年同期比113%となり、オーダーシャツの売上高も前年同期比114%、粗利益も前年同期比115%と、売上高・粗利益とも増加傾向に転じております。併せて、営業政策の一環として進めております、取引形態の消化売上移管による取引条件の改定、販売員効率の見直しによる人件費削減の効果により、収益改善が順調に進んでおります。また、7月19日には東急百貨店吉祥寺店3階に、弊社幹事の洋品メーカー連合による「STYLE WORKS」直営店をオープンさせ、既製ドレスシャツ、オーダーシャツに加え、オーダースーツと紳士洋品雑貨の販売を開始しました。
量販店チャネルにおきましても、SHIRT HOUSEのコンセ売場が前連結会計年度末の96店舗から当第2四半期末で102店舗と6店舗増加しました。併せて、店頭販売員の人材教育の徹底を図った事で、売上高は前年同期比141%、粗利益が前年同期比149%と進捗しており、プロパー販売比率もアップした事から、粗利益率も上昇し、収益面においても改善が順調に進んでおります。また、SWANブランドの2023年春物展開に向けて、ロゴデザイン・素材の色柄・スタイルを決定するなど、着実に企画・生産が進行しております。
② BtoCの強化による収益アップ
山喜オンラインショップである自社サイトの会員数は、前連結会計年度末の19,007名から、当第2四半期末は22,938名に増加しております。例年第2四半期は、夏物と秋物の端境期となりますが、当期については天候も寄与したことから、夏物が好調に推移しました。また、ネット販売におきましては、お買い物をされたお客様がネット上の買い物かごに商品を入れた状態で放置していることに気づいていただく、いわゆる「かご落ち対策ソフト」を導入するなど、販売機会の喪失対策を実施し、加えてSNSやWeb広告など、販売促進策を積極的に活用することで、売上高は前年同期比117%、粗利益は119%と順調に推移しました。
③ ドレス・カジュアル・レディース・ユニフォームの新商品開発と売上拡大
2022年春夏物に引き続き、2022年秋冬物・2023年春物のODM・OEM受注も増加傾向にあり、国内外の自社工場・協力工場もフル稼働での生産が続いております。また、当期より展開しておりますカジュアルのGERRYブランドも順調に受注をいだいております。但し、前述いたしました、原材料価格の高騰や急激な円安ドル高の進行などから、製品原価が想定以上に高騰している影響で、売上高は前年同期比123%と好調に推移したにもかかわらず、粗利益が前年同期比91%と、粗利益の額・率ともに確保が難しい状況となっております。引続き、原副材料の価格見直しも含めた製品原価の低減、納品価格の値上げ交渉、店頭小売価格の見直し等の対策を講じて、粗利益及び粗利益率の確保に努めてまいります。
以上のような各施策の実行に加え、前連結会計年度下半期に実行した事業構造改革により、人件費を含む販売管理費が減少いたしましたが、前述のコスト上昇要因により粗利益率は低下いたしました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、連結売上高58億29百万円(前年同期は50億81百万円)、営業損失57百万円(前年同期は4億27百万円の損失)、経常利益40百万円(前年同期は3億40百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益22百万円(前年同期は3億47百万円の損失)となりました。
事業セグメントごとの業績は次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
また、当社の長崎工場及び郡山工場を連結子会社である高山CHOYAソーイング株式会社に事業譲渡し、生産事業の一社化に合わせて、高山CHOYAソーイング株式会社の社名を山喜ソーイング株式会社に変更いたしました。これに伴い、第1四半期連結会計期間において従来「国内販売」に含まれていた該当事業を「製造」に含めております。
なお、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報は変更後のセグメント区分に基づき作成しております。
① 国内販売
国内販売セグメントは上述の要因により、売上高52億2百万円(前年同期は44億70百万円)、セグメント損失56百万円(前年同期は2億87百万円の損失)となりました。
② 製造
製造セグメントにおいては、上海工場の生産ラインを閉鎖したことやコロナウイルス感染症の拡大による操業の一時休止により、売上高は12億47百万円(前年同期は14億3百万円)、セグメント利益は18百万円(前年同期は1億39百万円の損失)となりました。
③ 海外販売
海外販売セグメントにおいては、コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和等により、受注が回復傾向にあり、売上高は1億49百万円(前年同期は68百万円)、セグメント利益3百万円(前年同期は3百万円の損失)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は123億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億65百万円増加いたしました。この主な要因は、売上の回復に伴う売掛債権の増加等によるものであります。
当第2四半期連結会計期間末の負債は87億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億72百万円増加いたしました。この主な要因は、仕入の増加に伴う買掛債務が増加したこと等によるものであります。
当第2四半期連結会計期間末の純資産は35億90百万円となり、前連結会計年度末に比べ6百万円減少いたしました。この主な要因は、為替換算調整勘定の減少等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ57百万円減少し9億18百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間に営業活動により得た資金は、1億51百万円(前年同期は3億70百万円の収入)となりました。これは主に仕入債務の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、34百万円(前年同期は18百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、1億84百万円(前年同期は5億89百万円の支出)となりました。これは主に短期借入金および長期借入金の減少によるものであります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
特記すべき事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因に変更はありません。
(7)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に関する新型コロナウイルス感染症による影響について、詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。