【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 業績の状況当第1四半期累計期間における世界経済は、地政学的分断状態の継続や米国の金融システム不安のくすぶり、中国景気の弱い回復力など景気後退懸念が続いております。わが国製造業においては、需要回復に伴う人手不足はあるものの、底堅い設備投資需要や人材確保のための賃上げの動きの広がり、原料高の影響が一巡する兆しなど業況の改善は続いていると思われます。このような状況下、当社は、「2024年3月期の売上10億円超の達成」を目標として、事業方針「高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供」及び「対処すべき課題」の具体的施策として、①「新規開拓に向けた営業力の強化」、②「環境への対応と未来への商品開発」、③「生産力の強化と人材育成」を推進しております。世界的な環境意識の加速に対応するため、前期より②を「顧客提案力の向上と未来への商品開発」から「環境への対応と未来への商品開発」へと変更いたしました。地球環境や環境政策なども視野に入れた商品開発を進めるとともに、バイオマスプラスチック複合材料「PasCom」については、引き続きビジネス探索を行い、売上拡大へ向けて改良、応用製品への展開を進めてまいります。ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業については、映像機器分野及び産業機器分野の新機種等の売上高増加が寄与したものの、前期の第4四半期以降の売上高の伸び悩みの傾向や既存金型の大幅減少が響き、売上高は前年同期比で微減となりました。映像機器分野は、デジタルカメラ市場において、レンズ交換式タイプは、回復傾向を強めており、当社においても、ミラーレス機種や人気機種の好調に支えられ、前年同期比で増加いたしました。OA機器分野は、主力顧客の増産体制が整いましたが、前年同期に売上計上した金型の売上が当第1四半期累計期間にはなかったことから前年同期比で大幅に減少いたしました。産業機器分野は、一部顧客の在庫調整等の影響を受けましたが、新機種等の売上高増加もあり、前年同期比で増加いたしました。レジャー分野は、引き続き海外のアウトドア需要が堅調ですが、当社取扱い機種の売上高の伸び悩みがあり、前年同期比で微減となりました。高耐熱性・高熱伝導性・低温硬化などの固形封止材「エポクラスター®クーリエ」をはじめとする固形封止材につきましては、一部顧客への納品は継続しているものの、引き続き半導体デバイスメーカーや産業機器メーカー等へサンプル供給しながら用途展開及び顧客拡大を推進しております。パルスインジェクター®(以下、PIJという)は、Web会議の活用や顧客訪問により、大学研究室及び各企業の研究・開発部門へ積極的にアプローチをしております。引き続き、研究開発を支えるツールとして多分野への展開を推進いたします。マクロ・テクノロジー関連事業については、一部顧客の製品更新需要と重なり、樹脂成形品、樹脂成形材料ともに売上高は好調に推移した結果、前年同期比で大幅に増加いたしました。一方、「新規開拓に向けた営業力の強化」については、顧客訪問件数は進捗状況の共有化、見える化により、前期より大幅に増加しております。自社活動と商社連携活動の両輪により、顧客との直接対話を増やしながら、積極的な受注活動を行ってまいります。
利益面においては、販売費及び一般管理費は増加したものの、原材料価格や電気料金等の上昇は落ち着き、製造経費が抑えられたことに加え、マクロ・テクノロジー関連事業の生産増加により営業利益、経常利益、四半期純利益とも大幅に改善しました。一方前期実施しました設備投資や自動化への投資について、一部設備は生産効率に寄与し始めたものの、未だ充分なコスト削減効果が得られていない設備もあり早急に対応してまいります。なお、原材料価格は段階的に値上げが予定されているものもあり、継続して動向に注視してまいります。
以上の結果、当第1四半期累計期間の売上高は216百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は23百万円(前年同期比376.1%増)、経常利益は24百万円(前年同期比353.2%増)、四半期純利益は16百万円(前年同期比560.1%増)となりました。
当第1四半期累計期間セグメントの業績は次のとおりであります。
①ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料及び機能性精密成形品並びにPIJ関連製品の当第1四半期累計期間の売上高は164百万円(前年同期比3.3%減)、セグメント利益は87百万円(前年同期比21.2%増)となりました。
②マクロ・テクノロジー関連事業マクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子及び金型・部品の当第1四半期累計期間の売上高は52百万円(前年同期比33.4%増)、セグメント利益は19百万円(前年同期比84.4%増)となりました。
③その他事業その他の事業につきましては、医療薬品容器の異物検査事業などにより、当第1四半期累計期間の売上高は0百万円(前年同期比27.5%増)、セグメント損失は0百万円(前年同期はセグメント利益0百万円)となりました。
(2) 財政状態の分析(資産)当第1四半期末日における資産は、2023年3月期末より59百万円減少し、1,646百万円となりました。これは、主に現金及び預金の減少42百万円によるものです。
(負債)負債は、2023年3月期末より75百万円減少し、135百万円となりました。これは、主に流動負債のその他に含まれる未払金の減少79百万円によるものです。
(純資産)
純資産は、2023年3月期末より16百万円増加し、1,510百万円となりました。これは、四半期純利益16百万円の計上によるものです。
また、自己資本比率は、2023年3月期末に比して4.2ポイント増加して91.8%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期累計期間における研究開発活動の金額は13百万円であります。なお、当第1四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備当第1四半期累計期間において重要な設備の取得、除却、売却などはありません。
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