【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期累計期間における世界経済は、未だに収束する気配の無いロシアによるウクライナ侵攻やコロナ明けの経済回復による電力需要の増加が、石炭や天然ガスなどの資源価格を高止まりさせております。また、アメリカのインフレ対策による政策金利の引き上げが、景気の悪化の懸念からそのペースを鈍化させており、世界的な景気の悪化がますます懸念されております。わが国製造業においては、円安による輸入コストの増加に加えて、高騰し続ける電気料金がさらに収益環境を悪化させております。このような状況下、当社は、「2024年3月期の売上10億円超の達成」を目標として、事業方針「高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供」及び「対処すべき課題」の具体的施策として、①「新規開拓に向けた営業力の強化」、②「環境への対応と未来への商品開発」、③「生産力の強化と人材育成」を推進しております。世界的な環境意識の加速に対応するため、今期より②を「顧客提案力の向上と未来への商品開発」から「環境への対応と未来への商品開発」へと変更いたしました。地球環境や環境政策なども視野に入れた商品開発を進めるとともに、前期に開発いたしました高摺動バイオマスポリアミドコンパウンド「PasCom」については、引き続きビジネス探索を行い、売上拡大へ向けて改良を重ねてまいります。
ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業については、下半期以降に好転を予想していた売上高が、中国のロックダウンによる経済失速と、一部顧客製品で使用する半導体不足に伴う影響から、当社受注製品の生産調整があり、産業機器分野やインクジェット関連部品などを中心に伸び悩みました。映像機器分野は、デジタルカメラ市場において、レンズ交換式タイプは、回復傾向をやや強めておりますが、当社においては、前期にミラーレス機種や人気機種の好調に支えられ、大幅に増加した反動もあり、前年同期比では減少いたしました。OA機器分野は、主力顧客の増産体制に伴い、前年同期比で増加いたしました。産業機器分野は、中国のロックダウン(都市封鎖)や顧客の生産調整等の影響が続き、前年同期比では大幅に減少いたしました。レジャー分野は、引き続き海外のアウトドア需要の好調もあり、前年同期比で大幅に増加いたしました。一方、「新規開拓に向けた営業力の強化」については、Web会議での打ち合わせを活用しながら、訪問可能な顧客は増加しており、積極的な顧客訪問を引き続き実施し、徐々に成果が出始めております。パルスインジェクター®(以下、PIJという)は、Web会議の活用や顧客訪問により、大学研究室及び各企業の研究・開発部門へ積極的にアプローチをしております。引き続き、研究開発を支えるツールとして多分野への展開を推進いたします。マクロ・テクノロジー関連事業については、樹脂成形品の売上高は減少しましたが、樹脂成形材料の売上高は好調に推移した結果、前年同期比では増加いたしました。高耐熱性・高熱伝導性・低温硬化などの固形封止材「エポクラスター®クーリエ」をはじめとする固形封止材につきましては、引き続き半導体デバイスメーカーや産業機器メーカー等へサンプル供給しながら事業を展開・推進しております。
利益面においては、売上高の減少に伴う利益の減少、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業における生産効率の低下要因、さらには、減価償却費の増加、原材料価格や電気料金等の上昇による製造費用増加、設備投資や自動化への投資について、当該投資に対する本格生産の立上げ遅れなど、コスト削減効果が充分に得られていないことや販管費の増加等により営業利益、経常利益、四半期純利益とも大幅に悪化しました。
以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は656百万円(前年同期比3.2%減)、営業利益は29百万円(前年同期比66.3%減)、経常利益は30百万円(前年同期比65.0%減)、四半期純利益は11百万円(前年同期比84.9%減)となりました。
当第3四半期累計期間セグメントの業績は次のとおりであります。
①ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料及び機能性精密成形品並びにPIJ関連製品の当第3四半期累計期間の売上高は524百万円(前年同期比6.0%減)、セグメント利益は220百万円(前年同期比16.1%減)となりました。②マクロ・テクノロジー関連事業マクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子及び金型・部品の当第3四半期累計期間の売上高は130百万円(前年同期比9.6%増)、セグメント利益は33百万円(前年同期比8.3%増)となりました。③その他事業その他の事業につきましては、医療薬品容器の異物検査事業などにより、当第3四半期累計期間の売上高は0百万円(前年同期比22.4%減)、セグメント利益は0百万円(前年同期比8.5%増)となりました。
(2) 財務状態の分析(資産)当第3四半期末日における資産は、2022年3月期末より65百万円減少し、1,570百万円となりました。これは、主に現金及び預金の減少115百万円、有形固定資産の増加53百万円によるものです。
(負債)負債合計は、2022年3月期末より76百万円減少し、124百万円となりました。これは、主に買掛金の減少25百万円、賞与引当金の減少24百万円によるものです。
(純資産)
純資産は、2022年3月期末より11百万円増加し、1,446百万円となりました。これは、四半期純利益11百万円の計上によるものです。また、自己資本比率は、2022年3月期末に比して4.4ポイント増加して92.1%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は31百万円であります。なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備当第3四半期累計期間において重要な設備の取得、除却、売却などはありません。
#C4240JP #クラスターテクノロジー #化学セクター