【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 業績の状況当第2四半期累計期間における世界経済は、長期化するロシアによるウクライナ侵攻により、天然ガスなどの資源価格の高止まりが続いております。また、欧米諸国のインフレ対策による政策金利の引き上げが続いており、それにより世界的な景気の悪化が懸念されております。わが国製造業においては、資源価格の高止まりに加えて、歴史的な円安が原材料価格や電気料金をさらに押し上げ、収益環境の悪化が続いております。このような状況下、当社は、「2024年3月期の売上10億円超の達成」を目標として、事業方針「高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供」及び「対処すべき課題」の具体的施策として、①「新規開拓に向けた営業力の強化」、②「環境への対応と未来への商品開発」、③「生産力の強化と人材育成」を推進しております。世界的な環境意識の加速に対応するため、今期より②を「顧客提案力の向上と未来への商品開発」から「環境への対応と未来への商品開発」へと変更いたしました。地球環境や環境政策なども視野に入れた商品開発を進めるともに、前期に開発いたしました高摺動バイオマスポリアミドコンパウンド「PasCom S40」については、引き続きビジネス探索を行い、売上拡大へ向けて改良を重ねてまいります。
ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業については、一部顧客製品で使用する半導体不足に伴う当社受注製品の生産調整や中国のロックダウン(都市封鎖)の影響を受け、当社の受注量が一時的に大きく減少し、生産が不安定となり、生産効率が低下いたしました。これに伴い、売上製品構成が変化し、粗利益率が悪化いたしました。映像機器分野は、デジタルカメラ市場において、レンズ交換式タイプは、回復傾向をやや強めておりますが、当社においては、前期にミラーレス機種や人気機種の好調に支えられ、大幅に増加した反動もあり、前年同期比では減少いたしました。OA機器分野は、主力顧客の増産体制に伴い、前年同期比で増加に転じました。産業機器分野は、中国のロックダウン(都市封鎖)や顧客の生産調整等の影響を受け、前年同期比では大幅に減少いたしました。レジャー分野は、引き続き海外のアウトドア需要の好調もあり、前年同期比で大幅に増加いたしました。一方、「新規開拓に向けた営業力の強化」については、Web会議での打ち合わせを活用しながら、訪問可能な顧客は増加しており、積極的な顧客訪問を引き続き実施し、徐々に成果が出始めております。パルスインジェクター®(以下、PIJという)は、Web会議の活用や顧客訪問により、大学研究室及び各企業の研究・開発部門へ積極的にアプローチをしております。引き続き、研究開発を支えるツールとして多分野への展開を推進いたします。マクロ・テクノロジー関連事業については、樹脂成形材料は増加、樹脂成形品は減少した結果、前年同期比微増で推移しております。高耐熱性・高熱伝導性・低温硬化などの固形封止材「エポクラスター®クーリエ」をはじめとする固形封止材につきましては、引き続き半導体デバイスメーカーや産業機器メーカー等へサンプル供給しながら事業を展開・推進しております。
営業利益は、減価償却費の増加、原材料価格や電気料金等の上昇による製造費用増加と、上記のナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業における生産効率の低下要因が重なったことから、大幅に悪化しました。
以上の結果、当第2四半期の売上高は439百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は21百万円(前年同期比58.8%減)、経常利益は22百万円(前年同期比57.7%減)、四半期純利益は14百万円(前年同期比66.4%減)となりました。
当第2四半期セグメントの業績は次のとおりであります。
①ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料及び機能性精密成形品並びにPIJ関連製品の当第2四半期累計期間の売上高は354百万円(前年同期比1.0%減)、セグメント利益は145百万円(前年同期比14.4%減)となりました。②マクロ・テクノロジー関連事業マクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子及び金型・部品の当第2四半期累計期間の売上高は84百万円(前年同期比5.0%増)、セグメント利益は21百万円(前年同期比2.9%増)となりました。③その他事業その他の事業につきましては、医療薬品容器の異物検査事業などにより、当第2四半期累計期間の売上高は0百万円(前年同期比50.5%増)、セグメント利益は0百万円(前年同期比93.7%増)となりました。
(2) 財務状態の分析(資産)当第2四半期末日における資産は、2022年3月期末より20百万円減少し、1,614百万円となりました。これは、主に現金及び預金の減少75百万円、有形固定資産のその他の増加44百万円によるものです。
(負債)負債合計は、2022年3月期末より35百万円減少し、166百万円となりました。これは、主に未払法人税等の減少10百万円、賞与引当金の減少10百万円によるものです。
(純資産)
純資産は、2022年3月期末より14百万円増加し、1,448百万円となりました。これは、四半期純利益14百万円の計上によるものです。
また、自己資本比率は、2022年3月期末に比して2.0ポイント増加して89.7%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ75百万円減少し、当第2四半期累計期間末には240百万円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期純利益22百万円に減価償却費18百万円、棚卸資産の増加14百万円、法人税等の支払額12百万円等を加減した結果、8百万円の支出となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、66百万円の支出となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済による支出により、1百万円の支出となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期累計期間における研究開発活動の金額は20百万円であります。なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 主要な設備当第2四半期累計期間において重要な設備の取得、除却、売却などはありません。
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