【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1)
経営成績の状況
①当第3四半期連結累計期間の概況当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)における世界経済は、社会活動や経済活動の再開により緩やかな回復がみられたものの、インフレ率の高止まり、中国における経済活動の停滞、欧州での地政学リスクの長期化を背景としたエネルギー・原材料価格の高騰が継続しており、依然として先行き不透明な状況が継続しております。このような環境の中、当社グループの主力事業である建機用フィルタ事業においては、北米市場では、住宅着工件数は引き続き減少傾向にあり、インフレ抑制を目的とした金融引き締めによる景気後退リスクが高まりをみせるなか、需要は底堅く推移しました。日本、欧州、アジアといった主要地域においても、需要は前年度からは減少傾向にあるものの、建機の稼働時間と新車需要は堅調に推移しました。一方、中国市場におけるロックダウンの影響等により、当第3四半期連結累計期間における当社の売上高は減少いたしました。また、利益面では、価格転嫁の実施により収益性は回復傾向にありますが、アルミや鋼材等の主要原材料価格や海上輸送費の高止まりの継続や、円安の影響により減益となりました。当社グループは、引き続き、環境負荷低減に貢献するロングライフのフィルタ製品やタンク内の気泡を除去するエアレーション技術、フィルタの汚染度や交換頻度を感知するセンサ技術を搭載した高付加価値フィルタ製品の主要得意先への提案を進めており、各建機メーカの新機種への製品供給が順次開始されております。また、主要市場である北米市場においては、世界最大手建機メーカに対する当社の燃料用、トランスミッション用フィルタ等の新規提案・採用が進展しております。一方、減益要因となっている物流コストや原材料価格の高騰、為替変動に対しては、価格転嫁を実行するとともに、原価改善プロジェクトPAC22の推進、サプライチェーンの見直しや生産地移管によるグローバル生産供給体制の構築により、原材料調達の安定化と物流コストの低減を図り、外部環境変化やリスクへの適応力の強化を図ることにより、資本効率の更なる改善と収益性の拡大に努めてまいります。エアフィルタ事業においては、主要製品である、ビル空調用フィルタの交換需要は回復傾向にあり、売上高は増加いたしました。利益面では、原材料価格の高騰に対する価格転嫁の実施、及び生産効率の改善並びに経費削減等の効果により、増益となりました。また、新たにロングライフ、低圧損、高捕集率のナノファイバー製エアフィルタ(製品名:NanoWHELP)の、オフィスビルや病院、工場、鉄道車両等への採用が進展しております。また、昨今のカーボンニュートラルという大きな流れの中で企業に求められる温室効果ガスの削減のための有用な手段の一つとして、当社製品であるNanoWHELPはその素材の特性により他社製エアフィルタに比し、年間で約30%近いCO2の削減効果と同時に光熱費も大きく低減できる製品であることから、ビル用空調システム市場を中心に今後大きく成長することが見込まれます。更に、当社グループは国内では唯一、エアフィルタ性能規格として最も権威のあるアメリカ暖房冷凍空調機学会(ASHRAE)の定めるエアフィルタの性能等級であるMERV(16の等級に区分され最高性能等級は16)では当社のNanoWHELPはMERV14・15・16の3つの等級を取得しているフィルタメーカであり、この高い競争力と信頼性を活かし、今後、欧米市場をはじめとした、海外市場の開拓にも積極的に取り組んでまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は141億18百万円(前年同四半期比0.5%減)となり、営業利益は10億67百万円(前年同四半期比4.1%減)、経常利益は8億39百万円(前年同四半期比22.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億46百万円(前年同四半期は88百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
②連結業績 当第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)業績について
(単位:百万円)
前第3四半期
当第3四半期
増減額
増減率
外部売上高
14,188
14,118
△69
△0.5%
営業利益(利益率)
1,113(7.8%)
1,067(7.6%)
△46
△4.1%
経常利益(利益率)
1,078(7.6%)
839(5.9%)
△239
△22.2%
親会社株主に帰属する四半期純利益又は親会社株主に帰属する四半期純損失(△)(利益率)
△88(△0.6%)
546(3.9%)
634
-
売上高については、建機用フィルタ事業において、1.2%の減収となった一方で、エアフィルタ事業において3.9%の増収となったことから、全体では0.5%の減収となりました。営業利益については、建機用フィルタ事業において、価格転嫁の進展により改善傾向にはあるものの世界的なロジスティクスの混乱による海上輸送費や、アルミや鋼材を中心とした主要原材料価格の高騰の継続、円安の影響により4.1%の減益となりました。経常利益については、営業利益の減少及び急激な円高による為替差損の計上に伴い22.2%の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、6億34百万円の増益となりました。
③事業セグメント別の売上高と営業利益第1四半期連結会計期間より、ヘルスケア事業の連結業績への影響を鑑み、建機用フィルタ事業に含めて開示することといたします。このため、報告セグメントを従来の「建機用フィルタ事業」「エアフィルタ事業」「ヘルスケア事業」から、「建機用フィルタ事業」「エアフィルタ事業」に変更しております。また、本社及び一部子会社の管理部門の一般管理費等の費用につきましては、各社が属するセグメントに配賦する方法に変更しております。なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の区分方法及び配賦方法により作成したものを記載しております。
(建機用フィルタ事業)(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)業績について(単位:百万円)
前第3四半期
当第3四半期
増減額
増減率
外部売上高
12,294
12,151
△143
△1.2%
営業利益(利益率)
1,195(9.7%)
1,022(8.4%)
△172
△14.4%
売上高については、建機の稼働時間と新車需要は堅調に推移した一方で、中国市場におけるロックダウンの影響等により、1.2%の減収となりました。営業利益については、世界的なロジスティクスの混乱による海上輸送費や原材料価格の継続的な高騰、円安の影響により14.4%の減益となりました。
(エアフィルタ事業)(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)業績について(単位:百万円)
前第3四半期
当第3四半期
増減額
増減率
外部売上高
1,894
1,967
73
3.9%
営業利益又は営業損失(△)(利益率)
△81(△4.3%)
44(2.3%)
126
-
売上高については、経済活動の回復に伴いビル空調用フィルタ需要は回復傾向にあることにより、3.9%の増収となりました。営業利益については、価格転嫁の実施及び生産効率の向上や経費削減効果により増益となりました。
(2)
財政状態の状況資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。(流動資産) 当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比1億4百万円減少(前連結会計年度末比0.7%減)し、138億60百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が5億59百万円増加(前連結会計年度末比14.9%増)した一方で、原材料及び貯蔵品が1億71百万円減少(前連結会計年度末比8.5%減)、流動資産のその他が4億97百万円減少(前連結会計年度末比67.1%減)したことによるものです。
(固定資産) 当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比1億27百万円減少(前連結会計年度末比1.0%減)し、126億20百万円となりました。その主な要因は、機械装置及び運搬具が2億75百万円増加(前連結会計年度末比24.3%増)した一方で、建物及び構築物が1億8百万円減少(前連結会計年度末比2.0%減)、建設仮勘定が2億16百万円減少(前連結会計年度末比21.5%減)、繰延税金資産が1億13百万円減少(前連結会計年度末比20.6%減)したことによるものです。
(流動負債) 当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比3億19百万円減少(前連結会計年度末比6.9%減)し、43億15百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が12億円増加した一方で、支払手形及び買掛金が5億43百万円減少(前連結会計年度末比24.5%減)、未払金が74百万円減少(前連結会計年度末比16.5%減)、未払法人税等が1億51百万円減少(前連結会計年度末比72.6%減)、賞与引当金が1億5百万円減少(前連結会計年度末比44.9%減)、資産除去債務が1億28百万円減少(前連結会計年度比100.0%減)、流動負債のその他が5億15百万円減少(前連結会計年度末比54.0%減)したことによるものです。
(固定負債) 当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比1億67百万円減少(前連結会計年度末比11.1%減)し、13億39百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が3億2百万円減少(前連結会計年度末比26.9%減)した一方で、固定負債のその他が1億21百万円増加(前連結会計年度末比82.2%増)したことによるものです。
(純資産) 当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末比2億54百万円増加(前連結会計年度末比1.2%増)し、208億25百万円となりました。その主な要因は、資本金が25百万円増加(前連結会計年度末比0.4%増)、資本剰余金が25百万円増加(前連結会計年度末比0.4%増)、利益剰余金が1億47百万円増加(前連結会計年度末比2.0%増)、為替換算調整勘定が53百万円増加(前連結会計年度末比16.8%増)したことによるものです。
(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題1.経営方針当社グループの経営理念は「仕濾過事」(ろかじにつかふる)であります。「仕濾過事」(ろかじにつかふる)には、フィルタビジネスを通じて社会に貢献するという意思が込められており、当社グループは、この不変のDNAを通じ、フィルタビジネスを通じて「環境」、「空気」、「健康」をテーマにESG等の社会的課題解決に取り組み、コーポレート・サステナビリティの強化に努めるとともに、企業価値の最大化を図ってまいります。
2.SDGsへの取り組み昨今、企業に対する社会からの期待や責任は多岐にわたり、企業が果たす役割の重要度はますます高まっています。当社グループは、1956年創業以来、経営理念として「仕濾過事」(ろかじにつかふる)を掲げ、 お客さまやビジネスパートナーに対してはもちろん、国や地域、自然や地球環境に対してもよい関係をつくり、社会的な責任を果たしてまいります。この理念は2015年、国連にて採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の考え方とも合致しております。社会を構成する一員として、企業に対しても大きな期待が寄せられている中、当社グループはサステナビリティの視点を踏まえた経営を促進するため、組織体としてSDGs推進委員会である「YSS (Yamashin Sustainable Solutions)」を取締役社長の諮問機関として設置いたしました。同委員会を通じ、経営理念である「仕濾過事」(ろかじにつかふる)の具現化、技術力を生かした新たな価値創造と、脱炭素、TCFD、再生可能エネルギー、資源循環といった社会課題の解決を通じ社会に貢献してまいります。
3.対処すべき課題① 事業ポートフォリオの拡大建機用フィルタ事業においては、新技術や高付加価値化の実現による製品ラインナップの拡充や中国市場でのシェア拡大に加え、当社が確立したナノファイバーの量産化技術を軸に、主要建機メーカの次世代グローバルスタンダードとして、ナノファイバー製油圧フィルタの開発供給を進めてまいります。また、第2の事業セグメントである、エアフィルタ事業においては、ナノファイバー技術による差別化製品の開発に努め、海外市場も視野に積極的なM&Aを含む当該事業の拡大を迅速に進めてまいります。更には、第3の事業ポートフォリオとして、様々な産業資材としての活用を踏まえた新たな事業の確立により、当社グループ全体の企業価値の向上を図ってまいります。
② 収益性の改善当社グループでは、利益創出体制の確立を企図した全社的プロジェクトである「Project PAC 22」を立ち上げ、販売、生産、開発及び物流拠点の最適化を図り、グローバルサプライチェーンを強化し、主要市場における品質管理・保証体制を踏まえた製品供給機能、生産機能及び開発機能の適切な連携体制を整備することで継続した収益性の改善を図ってまいります。
③ 人材の育成強化当社グループは、日本・欧米・アジア地域に販売会社、アジア地域に生産会社及び開発会社を子会社として擁し、グローバルに事業展開しておりますが、今後は、海外M&Aも踏まえた事業展開も想定されることから、より一層海外拠点の重要性が増すと考えております。このため、当社グループでは、日本国内のみならず海外拠点を含めたグループ全体の経営管理体制を担う有用な人材を育成・確保すべく、ダイバーシティ(人材の多様性)を踏まえた人材採用育成プログラムを新たに策定し、次世代の人材力強化に取り組んでまいります。
④ ガバナンスの更なる充実当社グループは、持続的な事業成長と中期的企業価値の最大化を図ることを目的に、ガバナンス、コンプライアンス研修の拡充やフェアディスクロージャーを踏まえた情報管理の徹底等の取り組みを継続して実施しております。また、グループ会社が行う業務執行に関するリスクの監視・牽制機能(モニタリング)、内部監査で実施される評価業務の支援を目的とした社内委員会として、取締役社長の諮問機関である業務監理委員会を設置しております。同委員会の活動を通じ、より一層牽制機能の強化等による業務執行の適切な監督を行うことで経営の透明性と質の向上を図り、アカウンタビリティ(説明責任)をより明確に果たし、コーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります。
(4)経営方針、経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等については、(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題に記載のとおりであり、重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題については、(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題に記載のとおりであり、重要な変更はありません。
(6)研究開発活動当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は3億74百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
