【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況当第3四半期連結累計期間における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から緩やかに回復の兆しが見られ、個人消費や雇用情勢も緩やかな持ち直しの動きが続いています。内閣府は2022年10月の月例経済報告において、景気の先行きについては、感染拡大の防止策を講じる中で、各種政策の効果もあり、持ち直しの動きが続くことが期待されるが、世界的に金融引き締めが進む中での金融資本市場の変動や原材料価格の上昇、供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要があると指摘しております。また、エネルギー価格の高騰や円安による為替相場の変動等、企業業績を取り巻く環境は厳しさを増し、総じて経済活動は慎重な姿勢が続く動きとなりました。当社グループを取り巻く事業環境としましては、2021年のスマートフォン保有率が前年比1.8%ポイント上昇の88.6%となり、モバイルでのインターネット環境は引き続き発展を続けております(出所:総務省「令和4年版情報通信白書」)。当社が注力するインターネット広告市場についても、2021年の市場規模は前年比21.4%増の2兆7,052億円となり、継続して高い成長力を保っております(出所:電通「2021 日本の広告費」)。また、一般社団法人日本eスポーツ連合によれば、国内eスポーツ市場規模は2021年に前年比15.5%増の78.4億円となり、2022年は同48.1%増の116.1億円へ拡大する見込みです。このような事業環境の中で、当社グループはより多くのユーザーに楽しんでいただけるよう良質なデジタルコンテンツを提供し続けております。その中でも、クリエイティブプロデュース、ゲームエンタメ、eスポーツ、ちいき資本主義の4つを主要サービスと位置づけ、相互にシナジーを図りながら事業を進めてまいりました。また、その他サービスとして、SNSブライダルプラットフォームなどの新規サービスの開発及び投資を行っております。アライアンス面では、2022年5月23日付で株式会社カインズとの資本業務提携を締結し、当社よりカインズへ顧客体験の価値向上やプロモーション戦略の提供をするとともに、今後はDXを活用した商品開発、当社グループとカインズの人材交流、カインズのくみまち構想と当社の地域資本主義の連携により、地方創生とコミュニティづくりの推進など他分野での連携を進めていきます。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は11,539,579千円(前年同期比28.7%増)、営業利益は927,964千円(前年同期比11.1%増)、経常利益は1,002,570千円(前年同期比12.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は650,304千円(前年同期比10.3%増)となりました。当社グループの事業セグメントは単一セグメントでありますが、サービス別の売上高の概況は次のとおりであります。① クリエイティブプロデュース 新しい技術とアイデアに挑戦し、クライアントとその先にいるユーザーに新しい体験を提供することで、クライアントのマーケティング及びブランディングに資する広告を提供しております。スマートフォンの普及や新しい技術の出現を背景に、WEB領域にとどまらないリアルと連動した案件が増加傾向にあります。また、当社の企画力、技術力をもとにクライアントの新製品開発を支援する領域にも進出しております。この結果、クリエイティブプロデュース関連の売上高は、2,054,578千円(前年同期比0.0%増)となりました。② ゲームエンタメ 「ぼくらの甲子園!ポケット」、「キン肉マン マッスルショット」、ハイパーカジュアルゲーム、㈱カヤックアキバスタジオでの受託ゲーム開発が売上高の大部分を占めています。ハイパーカジュアルゲームにつきましては、2022年第3四半期に新作タイトル「Scale Man」を正式にリリースしました。当四半期も新型コロナウイルス感染拡大の影響が世界的に弱まるにつれて、モバイルゲームのダウンロード数の成長速度が鈍化しました。特にハイパーカジュアルゲーム市場全体が景況感の悪化の影響を受けておりますが、前四半期に比べ若干の回復傾向がみられるものの、ダウンロード数は直前四半期比0.7%減の5,599万件となりました。また、㈱カヤックアキバスタジオでの受託事業は拡大基調にあります。この結果、ゲームエンタメ関連の売上高は6,599,917千円(前年同期比52.0%増)となりました。③ eスポーツゲームファンに向けた一連のコミュニティサービスを展開しています。ウェルプレイド・ライゼスト㈱のeスポーツ事業ならびにトーナメントプラットフォームの「Tonamel」が売上高の大部分を占めております。ウェルプレイド・ライゼスト㈱ではオミクロン株の流行もあり、eスポーツ大会等の運営に関する受託案件が軟調に推移しました。一方で、コミュニティに寄り添った運営により、2022年第3四半期におけるTonamelの大会開催数は直前四半期比13.2%増の4,205件となりました。この結果、eスポーツ関連の売上高は、1,668,993千円(前年同期比0.4%減)となりました。なおスマートフォンゲームに特化したコミュニティの「Lobi」は2022年5月31日付で事業譲渡しております。④ ちいき資本主義地方公共団体や地域企業に対して、まちづくりに関するコンテンツの開発とサービスの提供を行っております。移住プラットフォームサービスの「SMOUT」、コミュニティ通貨サービスの「まちのコイン」、地域プロモーションの受託、鎌倉市内で展開するまちづくり事業などのサービスが売上高の大部分を占めております。2022年9月末時点で、SMOUTの累計登録ユーザー数は直前四半期末比7.8%増の4.37万人となり、順調に拡大しております。「SMOUT」の導入地域数も2022年9月末時点で直前四半期末比4.5%増の831地域となり、市場の上限である自治体数約1700地域対しての導入率が49%となりました。また2022年9月末時点での「まちのコイン」の累計登録ユーザー数は、直前四半期末比15.8%増の4.19万人と、こちらも順調に増加しております。この結果、ちいき資本主義関連の売上高は、303,344千円(前年同期比14.6%増)となりました。
⑤ その他サービスブライダルプラットフォーム「プラコレWedding」は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年上半期に業績が悪化した後、緩やかな回復基調にあります。また、2022年2月14日付でメタバース専門部隊をクリエイティブプロデュース事業部より移管して設立しました。この結果、その他サービス関連の売上高は、912,746千円(前年同期比44.1%増)となりました。
(2)財政状態の分析(資産)当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,278,850千円増加し、9,131,443千円となりました。主な要因は、株式発行による収入と税金等調整前四半期純利益計上による現金の増加338,034千円と、売上高の増加に伴う受取手形及び売掛金の増加196,808千円と、2022年8月26日付で株式会社eSPの株式を取得し子会社化したことによるのれんの増加494,669千円であります。(負債)当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ135,556千円増加し、4,396,858千円となりました。主な要因は、一年内長期借入金の増加145,042千円であります。(純資産)当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1,143,294千円増加し、4,734,584千円となりました。主な要因は、2022年6月13日付で株式会社カインズから第三者割当増資の払込みにより資本金及び資本剰余金がそれぞれ250,944千円増加したことと、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等による利益剰余金の増加590,841千円であります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
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