【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした行動制限や入国規制が緩和され、経済活動の正常化に向けた動きが見られました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、原材料価格の高騰、円安の進行等により、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況において、当社は3つの経営ビジョンの下(※1)、卵殻膜商品の更なる認知度向上を狙った広告運用強化等により、直販(EC)の新規顧客獲得数が好調に増加並びにTV通販及び外販(一般流通)の堅調な推移、一方で、外販(OEM販売)での出荷が、前年同期比で減少する結果となりました。
その結果、当事業年度の経営成績は、売上高6,528,885千円(前年同期比21.7%増)、営業利益831,726千円(前年同期比0.5%減)、経常利益837,106千円(前年同期比0.1%増)、当期純利益585,798千円(前年同期比0.6%増)となりました。
※1・先進諸国に到来する高齢化社会において、人々の健康、若さ、そして美しさの維持・向上による“生活の質”の向上という根源的なニーズに、“卵殻膜”を通じて貢献する。
・卵殻膜の多機能な効果及び効能を科学的に解明し、常にユニークで最高品質の商品開発にこだわり、それを世界に提供する。
・“卵殻膜”で、美容と健康分野において、新しい価値観を浸透させる。
なお、当社は卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っておりませんが、売上高の販売チャネル別の内訳は、以下のとおりであります。
販売チャネル
前事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
増減額
(千円)
前年同期比
(%)
金額
(千円)
構成比
(%)
金額
(千円)
構成比
(%)
TV通販
1,356,044
25.3
1,401,526
21.5
45,481
103.4
外販
(一般流通)
248,205
4.6
289,296
4.4
41,090
116.6
外販
(OEM販売)※2
1,742,440
32.5
1,528,803
23.4
△213,637
87.7
直販(EC)
2,018,407
37.6
3,309,259
50.7
1,290,852
164.0
合計
5,365,098
100.0
6,528,885
100.0
1,163,787
121.7
※2 OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度の流動資産は3,497,617千円となり、前事業年度末と比較して326,719千円増加しました。これは主に、現金及び預金が212,603千円、売掛金が295,945千円増加し、受取手形が317,567千円減少したことによるものです。固定資産は173,637千円となり、前事業年度末と比較して19,286千円減少しました。これは主に、建物が1,781千円、ソフトウエアが3,133千円、繰延税金資産が10,683千円減少したことによるものです。
以上の結果、総資産は3,671,254千円となり、前事業年度末と比較して307,432千円増加しました。
(負債)
当事業年度の流動負債は1,300,756千円となり、前事業年度末と比較して657,827千円増加しました。これは主に、買掛金が116,038千円、短期借入金が480,000千円増加したことによるものです。固定負債は38,204千円となり、前事業年度末と比較して5,569千円増加しました。これは主に、退職給付引当金が6,500千円増加し、リース債務が930千円減少したことによるものです。
以上の結果、負債合計は1,338,961千円となり、前事業年度末と比較して663,396千円増加しました。
(純資産)
当事業年度の純資産は2,332,293千円となり、前事業年度末と比較して355,964千円減少しました。これは主に、繰越利益剰余金が173,450千円増加し、自己株式が513,734千円増加したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ212,603千円増加し、1,388,343千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益837,106千円、棚卸資産の増加額150,833千円、仕入債務の増加額116,038千円、法人税等の支払額215,297千円等により711,745千円の収入となりました(前事業年度は260,421千円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得7,125千円により7,125千円の支出となりました(前事業年度は9,725千円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入による収入1,670,000千円、短期借入金の返済による支出1,190,000千円、自己株式の取得による支出581,111千円等により492,016千円の支出となりました(前事業年度は208,227千円の支出)。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績
当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。
区分
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
完成品(千円)
1,672,752
109.0
部材(千円)
726,328
100.6
合計(千円)
2,399,080
106.3
(注)1.当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、仕入実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
2.金額は仕入価格によっております。
c.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
d.販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
販売チャネル別
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
TV通販(千円)
1,401,526
103.4
外販(一般流通)(千円)
289,296
116.6
外販(OEM販売)※(千円)
1,528,803
87.7
直販(EC)(千円)
3,309,259
164.0
合計(千円)
6,528,885
121.7
※OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高
(注)1.当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、販売実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
株式会社オージオ
1,683,433
31.4
1,474,573
22.6
株式会社QVCジャパン
1,347,076
25.1
1,401,526
21.5
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これら財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。
商品の収益性の低下による帳簿価額の切下げ
商品の収益性の低下による帳簿価額の切下げに際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の分析
当事業年度末における財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
b 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、6,528,885千円となり、前事業年度に比べ1,163,787千円増加しました。卵殻膜商品の更なる認知度向上を狙った広告運用強化等により、直販(EC)の新規顧客獲得が好調に推移した結果、売上高は前事業年度を上回りました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、2,178,717千円となり、前事業年度に比べ134,641千円増加しました。売上高の増加に伴い、売上総利益は、4,350,168千円となり、前事業年度に比べ1,029,145千円増加しました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、3,518,442千円となり、前事業年度に比べ1,033,152千円増加しました。これは主に、直販の新規顧客獲得数増加に伴う広告宣伝費等の増加の影響によるものであります。この結果、営業利益は831,726千円となり、前事業年度に比べ4,006千円減少しました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は雑収入10,118千円等により12,306千円、営業外費用は自己株式取得費用3,564千円等により6,925千円となりました。この結果、経常利益は837,106千円となり、前事業年度に比べ536千円増加しました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
特別利益、特別損失の発生はなく、この結果、税引前当期純利益は837,106千円となり、前事業年度に比べ536千円増加しました。
また、法人税等合計が251,308千円、当期純利益は585,798千円となり、当期純利益は前事業年度に比べ3,585千円増加しました。
c キャッシュ・フローの分析
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
④ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品及び原材料の仕入のほか、広告宣伝費、運送費等の販売費及び一般
管理費であります。当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入やリースによる調達を基本としております。
なお、当事業年度末における有利子負債の残高(リース債務含む)は551,895千円、有利子負債依存度(リース債務含む)は15.0%であり、事業運営上、必要な資金を安定的に確保していると認識しております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,388,343千円となっており、事業運営上、必要な流動性を確保していると認識しております。
⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、売上高、売上総利益及び営業利益を重要な経営指標として位置付けております。
前事業年度及び当事業年度の経営指標は、次の通りであります。売上高及び売上総利益については当事業年度においては前事業年度を上回りましたが、広告宣伝費等の増加の影響を受け、営業利益は前年とほぼ同水準の着地となりました。今後も定期顧客会員数の拡大や新商品の開発、コスト削減等を図り、売上高、売上総利益及び営業利益の拡大に努めてまいります。
前事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
金額(千円)
前年同期比(%)
売上高
5,365,098
118.0
6,528,885
121.7
売上総利益
3,321,022
118.4
4,350,168
131.0
営業利益
835,732
158.6
831,726
99.5