【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a,経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種や各種政策等により社会経済活動の正常化に向けた動きが見られ、個人消費は回復傾向にあり、景気も緩やかに持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、エネルギー情勢等の影響による資源価格の上昇、円安進行や、半導体をはじめとした供給面での制約等により、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは、中期3か年計画「新しい一歩 ~ move up further ~」の3つの重点戦略、「顧客開拓、有望分野の拡大」、「ソリューション事業の創出」、「グループ経営強化」に取り組み、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、昨年の過去最高を更新し、売上高289億52百万円(前連結会計年度比10.6%増)、営業利益23億19百万円(同24.0%増)、経常利益24億1百万円(同23.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億23百万円(同28.3%増)となりました。
なお、当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更しております。財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況」1 連結財務諸表等「注記事項(会計方針の変更)」を参照ください。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(情報サービス事業)
情報サービス事業では、「モビリティソリューション」の車載系は、既存業務を中心に堅調に推移いたしました。5G関連業務は、堅調に推移し、売上高は前年同期に比べ増加いたしました。
「ビジネスインダストリーソリューション」の医療系は、既存業務が好調に推移いたしました。業務系は、新規ユーザーを獲得するなど堅調に推移し、組込開発メーカと既存顧客からの受注が増加し、売上高は前年同期に比べ増加いたしました。
「エンタープライズソリューション」のフィールドサービスでは、サーバネットワーク機器関連業務は、半導体不足の影響を受け、受注が減少いたしました。官庁・自治体向けシステムの受注は堅調に推移し、金融系は、既存業務が堅調に推移し、売上高は前年同期に比べ増加いたしました。
「プロダクトソリューション」のMDM事業(モバイルデバイス管理)サービス関連は、ワンストップサービス導入や営業力強化により堅調に推移し、売上高は前年同期に比べ増加いたしました。
利益面に関しましては、売上高の増加により、営業活動の拡大や人材投資による販売費及び一般管理費の増加を吸収し、セグメント利益は前年同期に比べ増加いたしました。
以上の結果、当事業における売上高は248億89百万円(前連結会計年度比14.0%増)、セグメント利益は18億35百万円(同21.9%増)となりました。
(セキュリティシステム事業)
セキュリティシステム事業は、世界的な半導体不足の影響を受け、制御盤等の主力製品欠品による販売機会の逸失が大きく影響し、売上高は前年同期に比べ減少いたしました。
利益面に関しましては、主に建設キャリアアップシステム(CCUS)関連機器やALLIGATE等のリカーリングビジネスが順調に伸びたことに加え、のれんの償却が終了したことにより販売費及び一般管理費が減少し、前年同期に比べ増加しました。
以上の結果、当事業における売上高は40億63百万円(前連結会計年度比6.3%減)、セグメント利益は4億75百万円(同34.0%増)となりました。
b.財政状態の分析
連結会計年度末における総資産は164億58百万円と前連結会計年度末に比べ20億96百万円(前連結会計年度末比14.6%増)増加いたしました。
これは主として、現金及び預金、商品、売上高増加による受取手形、売掛金及び契約資産の増加、仕掛品、のれん、投資有価証券の売却による減少によるものであります。
負債は、57億75百万円と前連結会計年度末に比べ9億71百万円(前連結会計年度末比20.2%増)増加いたしました。
これは主として、外注費の増加に伴う支払手形及び買掛金、契約負債、未払法人税等の増加によるものであります。
純資産は、106億82百万円と前連結会計年度末に比べ11億24百万円(前連結会計年度末比11.8%増)増加いたしました。
これは主として、利益剰余金の増加によるものであります。
②キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、15億54百万円の増加(前期は8億75百万円の増加)となりました。その結果、前連結会計年度末(2021年12月31日)の資金の残高60億71百万円を受け、当連結会計年度末の資金の残高は、76億26百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、資金の増加は19億26百万円(前期は14億57百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益23億94百万円、減価償却費1億31百万円、のれん償却額3億55百万円等の資金の増加要因が、売上債権の増加3億7百万円、棚卸資産の増加3億79百万円、法人税等の支払額8億40百万円等の資金の減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金の減少は73百万円(前期は2億2百万円の減少)となりました。
これは主に、保険積立金の払戻による収入75百万円を、有形固定資産の取得による支出1億15百万円、会員権の取得による支出30百万円等の資金の減少要因が上回ったものによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金の減少は3億41百万円(前期は4億2百万円の減少)となりました。
これは主に、配当金の支払額3億40百万円等の資金の減少要因によるものであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
④経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等」に記載しております。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
情報サービス事業(千円)
24,889,532
114.0
セキュリティシステム事業(千円)
4,063,463
93.7
合計(千円)
28,952,996
110.6
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.金額は販売価格で表示しております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
情報サービス事業
25,929,948
116.3
5,495,142
123.4
セキュリティシステム事業
4,636,236
108.0
1,374,156
171.5
合計
30,566,185
115.0
6,869,298
130.7
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.金額は販売価格で表示しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
情報サービス事業(千円)
24,889,532
114.0
セキュリティシステム事業(千円)
4,063,463
93.7
合計(千円)
28,952,996
110.6
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格で表示しております。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内かつ合理的と考えられる見積り及び判断を行っている部分があり、この結果が資産・負債、収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、一部過去の実績に基づく概算数値を用いるために、不確実性が伴っており実際の結果と異なる場合があります。なお、重要な会計方針については「第5経理の状況1連結財務諸表等(1) 連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
なお、会計上の見積りにおいて、新型コロナウイルス感染症について、今後の広がり方や収束時期を予想することは困難ですが、現時点において影響は軽微なものとして見積りを行っております。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は164億58百万円と前期末比20億96百万円(前期末比14.6%増)増加いたしました。
これは主として、債権の回収による現金及び預金の増加15億54百万円、売上高増加および会計基準の変更に伴う、受取手形、売掛金及び契約資産の増加4億57百万円、商品の在庫増加4億60百万円、のれんの償却による減少3億55百万円等によるものであります。
負債は、57億75百万円と前期末比9億71百万円(前期末比20.2%増)増加いたしました。
これは主として、外注費の増加に伴う支払手形及び買掛金の増加4億31百万円、未払法人税等の増加3億20百万円、未払消費税等の減少25百万円等によるものであります。
純資産は、106億82百万円と前期末比11億24百万円(前期末比11.8%増)増加いたしました。
これは主として、利益剰余金の増加11億円、為替相場の変動による、為替換算調整勘定の増加47百万円等によるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高289億52百万円(前連結会計年度比10.6%増)となり、前連結会計年度と比べて27億76百万円の増加となりました。セグメントごとの概況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は69億55百万円(同10.5%増)となり、前連結会計年度と比べて6億59百万円の増加となりました。主たる要因は、売上高の増加に伴う増収によるものです。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は46億36百万円(同4.8%増)となり、前連結会計年度と比べて2億10百万円の増加となりました。主たる要因は、人件費等の増加であります。人材採用・育成に向けた経費や基幹システムの刷新による経費等も増加いたしました。セキュリティ事業では、次期製品開発に向けた研究開発費やALLIGATEの基本機能向上等の開発費がありますが、「入退室管理システム X-LINE」を発売し、開発費が減少したことに加え、のれんの償却が終了したこと等により、販売費及び一般管理費は減少いたしました。販売費及び一般管理費比率は、前連結会計年度比0.9ポイント改善いたしました。
以上のとおり、増収増益となり、販売費及び一般管理費率も改善し、営業利益は前連結会計年度比4億49百万円増加し23億19百万円(同24.0%増)となり、営業利益率も前連結会計年度比0.9ポイント改善いたしました。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外収益は1億11百万円(同3.8%増)となりました。これは、受取利息の増加、有価証券の売却によるものです。営業外費用は30百万円(同19.1%減)となりました。これは、為替変動による為替差損17百万円、リース物件の解約によるリース解約損7百万円によるものです。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べて、4億60百万円増加し、24億1百万円(同23.7%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は9億70百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて3億13百万円増加し14億23百万円(同28.3%増)となりました。
③キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの分析」をご参照ください。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1億20百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は76億26百万円となっております。
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