【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したことによる影響はありません。
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による厳しい状況が徐々に緩和され、個人消費を中心に社会経済活動に持ち直しの動きがみられました。一方で、ウクライナ情勢による原材料やエネルギー価格の高騰や、各国の金融政策による円安進行などにより、国内外の経済の見通しは依然として不透明な事業環境にあります。当社を取り巻く事業環境は、紙の出版市場が縮小している一方で、電子出版市場は継続的に拡大しており、インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2022」によると、2022年度の成長率は10%程度になると予測されており、今後も電子書籍及び電子コミックの市場規模はゆるやかな拡大が続くことが予想されております。このような市場環境の中で、プラットフォームセグメントにおいては、コミック配信サービス「まんが王国」のブランド構築に注力しつつ効率的な投資を、コンテンツセグメントにおいては継続的なデジタル成長による安定的な利益創出を実行しました。さらに、コンテンツプロデュースカンパニーとしての機能強化や成長加速のため、2021年11月に資本業務提携契約を締結した日本テレビ放送網株式会社(以下、「日本テレビ」という。)との協業案件を推進いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は18,713,173千円(前年同期比0.4%増)、営業利益は1,755,563千円(前年同期比30.5%増)、経常利益は1,608,247千円(前年同期比33.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は664,510千円(前年同期比49.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(プラットフォームセグメント)プラットフォームセグメントの主力サービスであるコミック配信サービス「まんが王国」においては、ユーザーの訪問・定着・課金の流れを促し、課金者数と顧客単価を上げるべく、お得感を訴求するキャンペーンや幅広いユーザー層獲得のための販売促進活動を積極的に行いました。さらに、新たな「まんが王国」連載作品の配信等、“ここだから読める”作品の創出に注力いたしました。この結果「まんが王国」は、お得感No.1(2022年4月に実施された第三者調査機関による電子コミックサービスに関する調査で最もお得に感じるサービス第1位を獲得。)のコミック配信サービスとして、2022年7月に累計ダウンロード数が18億冊を突破、2022年11月には会員登録者数が700万人を突破いたしました。小説投稿サービス「ノベルバ」においては、投稿作品を原作としたコミカライズ・メディアミックス展開を推進するため、アプリ利用者数ならびに投稿作品数の増加を目的とした施策の実施や小説コンテストを開催いたしました。また、日本テレビとの取り組みにおいては、2022年9月に同社が運営する2.5次元俳優のYouTubeチャンネル「ぼくたちのあそびば」のコミカライズ作品の配信他、2022年10月~12月には漫画家発掘ドキュメントバラエティー「THE TOKIWA」の第2弾を日本テレビ系番組内にて放送し、オーディション合格者が作画を務める「ようこそ!パラダイス劇場へ」の配信を開始する等、クリエイターの発掘・育成・支援にも積極的に取り組みました。これらの結果、当セグメントの売上高は12,237,278千円(前年同期比1.0%減)、営業利益は560,882千円(前年同期比263.6%増)となりました。
(コンテンツセグメント)コンテンツセグメントにおいては、収益性の高いデジタルコンテンツが引き続き高成長を維持し、好調な業績を牽引しております。昨年創刊した少女ジャンルデジタルコミック誌「PRIMOプリモ」からは「望まれぬ花嫁は一途に皇太子を愛す」が多くの女性読者層の支持を得ました。これを筆頭に、原作付きコミックが顕著に伸びています。中でも、2018年に創刊した「BKコミックス」から派生した女性向けコンテンツでは「没落令嬢、貧乏騎士のメイドになります」等のヒット作品を創出し、ジャンルの拡大に成功しています。また、レディースコミックの金字塔である「金瓶梅」が50巻を迎えたことを期に様々な施策を実行し、電子コミック市場で新たな読者層を開拓することに成功しました。このほか、BLの新レーベル「&Emo.」のコミックスを発刊し、ヒット作品を複数創出しております。さらに、ぶんか社の公式YouTubeチャンネル「禁断書店」においては、人気漫画のセリフ付き動画が引き続き好評を博しております。これらの結果、当セグメントの売上高は6,629,889千円(前年同期比2.9%増)、営業利益は1,194,157千円(前年同期比0.1%増)となりました。
(2) 財政状態
① 資産の部当連結会計年度末における資産合計は19,039,932千円となり、前連結会計年度末に比べ418,482千円減少しました。流動資産は8,807,757千円となり、前連結会計年度末に比べ631,840千円増加しました。これは主に、現金及び預金が672,689千円増加したことによるものです。固定資産は10,232,175千円となり、前連結会計年度末に比べ1,050,322千円減少しました。これは主に、無形固定資産が1,021,557千円減少したことによるものです。
② 負債の部当連結会計年度末における負債合計は12,725,240千円となり、前連結会計年度末に比べ1,061,526千円減少しました。流動負債は8,676,604千円となり、前連結会計年度末に比べ640,474千円増加しました。これは主に、未払費用が153,027千円減少した一方で、支払手形及び買掛金が253,638千円、1年内返済予定の長期借入金が200,000千円、未払金が105,982千円、未払法人税等が162,948千円、未払消費税等が73,795千円増加したことによるものです。固定負債は4,048,636千円となり、前連結会計年度末に比べ1,702,001千円減少しました。これは、長期借入金が1,600,000千円、繰延税金負債が102,001千円減少したことによるものです。
③ 純資産の部当連結会計年度末における純資産合計は6,314,691千円となり、前連結会計年度末に比べ643,043千円増加しました。これは主に、利益剰余金が616,835千円増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は、33.2%となりました。
(3) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は4,217,980千円となり、前連結会計年度末に比べ672,689千円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における営業活動においては、税金等調整前当期純利益1,442,770千円から、主な加算項目として、減価償却費470,589千円、減損損失164,236千円、のれん償却額621,597千円、支払利息105,984千円、仕入債務の増加額253,638千円、未払金の増加額108,936千円等がありました。これに対して主な減算項目として、未払費用の減少額153,027千円、利息の支払額106,321千円、法人税等の支払額694,593千円等がありました。この結果、獲得した資金は2,379,313千円(前年同期は1,574,214千円の獲得)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における投資活動においては、主な資金減少要因として、無形固定資産の取得による支出212,716千円等がありました。この結果、使用した資金は244,959千円(前年同期は330,127千円の使用)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における財務活動においては、主な資金増加要因として、長期借入れによる収入5,100,000千円等がありました。これに対して主な資金減少要因として、長期借入金の返済による支出6,500,000千円等がありました。この結果、使用した資金は1,461,664千円(前年同期は929,132千円の使用)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)
生産実績当社グループ全体における生産実績の金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(2)
受注実績当社グループでは、「FUNDIY STORE」での取扱い商品の一部において受注販売を行いましたが、受注から販売までが短期間であるため、当該記載を省略しております。
(3)
販売実績当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前期比(%)
プラットフォームセグメント
12,236,915
△1.0
コンテンツセグメント
6,476,258
+3.3
合計
18,713,173
+0.4
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.当連結会計年度において、総販売実績に対する割合が10%を超える相手先はありません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① のれんの減損当社グループは、のれんについて、5~20年の均等償却を採用しております。その資産性については、業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなった場合、減損処理が必要になる可能性があります。
② 固定資産の減損当社グループは、固定資産について、減損の兆候の把握を行っております。減損の兆候がある資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には帳簿価額から回収可能価額を控除した金額を減損損失として認識しており、その前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要になる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績(概況)当社グループの経営成績は、当連結会計年度において売上高は18,713,173千円(前年同期比0.4%増)となり、営業利益は1,755,563千円(前年同期比30.5%増)、経常利益は1,608,247千円(前年同期比33.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は664,510千円(前年同期比49.4%増)となりました。なお、当社グループは、株主資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と位置づけております。当連結会計年度末の株主資本当期純利益率(ROE)は11.1%(前年同期8.2%)となり、前連結会計年度末と比較して2.9ポイントの増加となりました。
① 売上高スマートフォンやタブレット向けを中心に、電子書籍市場は拡大していると推計されておりますが、その一方で、競合他社との競争が激化しております。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による厳しい状況が徐々に緩和され、個人消費を中心に社会経済活動に持ち直しの動きがみられた反面、ウクライナ情勢による原材料やエネルギー価格の高騰や、各国の金融政策による円安進行などにより国内外の経済は不安定な状況にあります。このような環境の中、プラットフォームセグメントにおいては、コミック配信サービス「まんが王国」のブランド構築に注力しつつ効率的な投資を、コンテンツセグメントにおいては継続的なデジタル成長による安定的な利益創出を実行しました。
② 売上原価売上高に応じて、売上原価が12,086,895千円(前年同期比0.3%減)発生いたしました。
③ 販売費及び一般管理費中長期的な会員獲得を目的とした広告宣伝費が2,319,822千円発生いたしました。広告宣伝は、その効果を継続的に検証し、最適化を図っております。この結果、販売費及び一般管理費合計は4,870,713千円(前年同期比5.7%減)となりました。
④ 営業外費用銀行からの借入による支払利息が105,984千円発生いたしました。この結果、営業外費用は151,174千円(前年同期比1.8%増)となりました。
⑤ 特別損失「無職転生~ゲームになっても本気だす~」においてはサービス終了、「ノベルバ」においては将来の回収可能性が見込まれないことから164,236千円の減損損失を計上いたしました。この結果、特別損失は165,476千円(前年同期比19.3%増)となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益法人税、住民税及び事業税を846,180千円、法人税等調整額を67,919千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は664,510千円(前年同期比49.4%増)となりました。なお、グループ再編の実施に伴い発生したのれんの償却費を販売費及び一般管理費に621,597千円計上しており、これを控除した、のれん償却前経常利益は2,229,844千円(前年同期比21.1%増)、のれん償却前親会社株主に帰属する当期純利益は1,286,107千円(前年同期比18.7%増)であります。
(3) キャッシュ・フロー「(経営成績等の状況の概要) (3) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性当社グループは、事業活動に必要な資金について、流動性の高い現金及び現金同等物として保持しております。当社グループの主な資金需要は、コンテンツの制作費、ロイヤリティ等の原価、広告宣伝費をはじめとする販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、自社電子書籍サイトの機能拡張等によるものであります。これらの資金需要につきましては自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの短期借入により調達する方針であり、当社では取引銀行4行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。なお、当連結会計年度末現在において、特記すべき重要な資本的支出の予定はありません。
(5) 経営成績等に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営戦略の現状と見通し「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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