【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況当連結会計年度の世界経済は、前半は、ウィズコロナの下で、地域間の差はみられたものの、景気は緩やかな回復傾向で推移しましたが、後半は、世界的な金融引き締めや物価上昇により、回復のペースは鈍化しました。日本では、原材料価格高騰が続いていることから製造業の景況感は引き続き悪化した一方で、非製造業では新型コロナウイルス感染の沈静化により改善し、また、設備投資、住宅建設および公共投資は底堅く推移しました。中国では、不動産不況の影響が残るものの、個人消費を中心とした内需に回復傾向が見られました。
このような状況のもと、当社グループにおいては、引き続き感染症対策に取り組むとともに、中期経営計画“Vision24”の遂行に努めております。「販売戦略」においては、国内市場は、エレベータ非接触ボタン「エアータップ」が引き続き新生活様式のニーズに応える商品として堅調に推移し、モダニゼーションの新しいパッケージ商品である「スマアップ」が好調でした。また、近畿エリアにおけるビジネスの中核拠点として近畿メトロポリタンオフィスを開設いたしました。一方で、グローバル市場では地域毎の特性に合わせた地域別販売戦略に取り組みました。特にシンガポール住宅開発局向けにエレベータ約300台を一括受注するなど南アジアの事業が活況でした。「商品・技術戦略」では、各国市場の成熟度に合わせた戦略機種の開発・投入を進めるとともに、高層建物向けに、地震発生時にエレベータの休止時間を短縮できる新たな地震対策機能の開発や、エレベータやエスカレータの稼働状況をはじめ各種情報をパソコンやスマートフォンから遠隔で確認・設定できるウェブサービス「エレモリ」の提供を開始しました。3月には経済産業省から「DX認定事業者」に認定され、デジタル技術による社会変化への対応をさらに推進してまいります。「生産・オペレーション戦略」では、グローバル調達推進による生産コスト削減に加え、フィールド分野での据付業務効率の改善に向けて据付工法開発・技量向上による据付コスト革新に取り組むとともに、メンテナンス業務の一部にスマートグラスを導入し、熟練技術者による遠隔指導および技能伝承の促進と業務効率化を推進しました。また、台湾エレベータ工場の設備増強などグローバル生産基盤の強化を図りました。「コーポレート戦略」では、成長フェーズに向けてメキシコのElevadores EV International社をはじめとする国内外のM&Aを積極的に推進するとともに、資本政策においては、資本効率向上を目指した自己株式の取得および消却を行いました。ESGの観点では、ガバナンス強化に継続して取り組むとともに、持続可能な社会の実現に貢献するため、TCFDに準拠した情報開示対応や欧州向け当社商品の環境製品宣言登録、さらにはTCFD提言への賛同を表明し、サステナビリティ推進体制の整備を図りました。また、3月には経済産業省の「健康経営優良法人2023」に認定され、「マルチステークホルダー方針」を公表いたしました。 当社は、ステークホルダーの皆さまに支えられ今年2月に創業75周年を迎えました。今後も皆様との価値協創をさらに促進してまいります。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績の状況は、以下の通りとなりました。(金額単位:百万円未満切捨て)
前連結会計年度
当連結会計年度
増減率(%)
為替の影響を除く実質増減率(%)
(2021年4月1日~ 2022年3月31日)
(2022年4月1日~ 2023年3月31日)
受
注
高
日 本
79,907
85,328
6.8
―
東アジア
81,508
59,973
△26.4
△35.8
南アジア
18,346
25,830
40.8
22.6
米州・欧州
27,014
45,848
69.7
55.4
小 計
206,777
216,980
4.9
―
調 整 額
△11,249
△13,749
―
―
合 計
195,527
203,230
3.9
―
受
注
残
高
日 本
72,842
80,659
10.7
―
東アジア
100,625
92,758
△7.8
△19.8
南アジア
20,695
26,574
28.4
11.8
米州・欧州
33,398
49,446
48.0
32.8
小 計
227,562
249,439
9.6
―
調 整 額
△3,382
△4,540
―
―
合 計
224,179
244,898
9.2
―
国内受注は、堅調に推移しました。新設工事では、店舗や工場・倉庫向けを中心に前期比で増加しました。また、アフターマーケット事業では、既設昇降機の更新を行うモダニゼーション工事は、新生活様式に対応した「新生活様式パッケージ」や新モダニパッケージ「スマアップ」などの新商品投入で幅広いリニューアル需要の取り込みにより前期比で増加し、昇降機の整備・維持を行う保守事業も堅調に推移し、前期比で増加しました。 海外受注は、東アジアでは、台湾、韓国では新設工事が増加したものの、中国では12月まで続いたゼロコロナ政策の影響および不動産不況により新設工事が減少しました。南アジアでは、シンガポール、インドネシアでのモダニゼーション工事の減少に対し、シンガポール、マレーシア、インドでの新設工事が増加しました。米州・欧州では、米国、カナダでの新設工事、英国でのモダニゼーション工事が増加しました。(金額単位:百万円未満切捨て)
前連結会計年度
当連結会計年度
増減率(%)
為替の影響を除く実質増減率(%)
(2021年4月1日~ 2022年3月31日)
(2022年4月1日~ 2023年3月31日)
売上高
187,018
207,589
11.0
―
国 内
72,983
75,005
2.8
―
海 外
114,034
132,583
16.3
1.9
営業利益
13,777
11,619
△15.7
―
経常利益
15,713
13,332
△15.2
―
親会社株主に帰属する 当期純利益
10,835
8,433
△22.2
―
1株当たり当期純利益
133.42円
106.67円
―
―
当連結会計年度の業績は、売上高増加に対し、日本および東アジアでの営業利益が減少し、前期比で増収減益となりました。営業利益の減少に加え、貸倒引当金繰入額の計上などにより、経常利益は減少しました。税金等調整前当期純利益は、英国子会社ののれんの減損損失計上などで減少しました。 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、減少しました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。当連結会計年度より、フジテック アルゼンチーナ S.A.を連結の範囲に含めたことに伴い、従来「北米・欧州」としていた報告セグメントの名称を「米州・欧州」に変更しております。なお、前期についても、変更後のセグメント名称で記載しています。(金額単位:百万円未満切捨て)
売 上 高
営業利益
前連結会計年度
当連結会計年度
増減率(%)
為替の影響を除く実質増減率(%)
前連結
会計年度
当連結会計年度
増減額
為替の影響額を除く実質増減額
日 本
75,556
77,507
2.6
―
5,440
2,111
△3,329
―
東アジア
78,463
82,927
5.7
△7.9
5,165
4,486
△678
△1,353
南アジア
16,522
24,128
46.0
26.8
2,053
3,544
1,490
999
米州・欧州
27,186
36,361
33.8
19.5
1,128
1,525
397
249
小 計
197,729
220,925
11.7
―
13,788
11,668
△2,119
―
調 整 額
△10,711
△13,336
―
―
△10
△48
△38
―
合 計
187,018
207,589
11.0
―
13,777
11,619
△2,157
―
(日 本)前期比で増収減益となりました。売上高は、アフターマーケット事業のモダニゼーション工事では、上半期の上海ロックダウンに伴う部品調達の混乱による工事延伸の影響が大きく、下半期では増加したものの、通期で減収となりました。一方で、新設工事は、大規模プロジェクトの工事進捗により増加し、保守も引き続き堅調に推移したことで、全体では増収となりました。営業利益では、新設工事、モダニゼーション工事ともに資材価格の高騰や円安による原材料コストの高止まりが続いたため、採算が悪化し大幅減益となりました。
(東アジア)前期比で増収減益(為替の影響を除くと減収減益)となりました。売上高は、中国でのゼロコロナ政策に伴う工場停止や客先での工期延伸などの影響で新設事業が減少し、香港ではアフターマーケット事業が減少しましたが、香港、韓国では新設事業の増加に加えて、さらに円安による邦貨換算額が増加し、増収となりました。営業利益は、中国では新設事業での売上減少や原材料コストの高騰、台湾での大口案件での工事損失引当金計上や香港でのアフターマーケット事業の売上減少が影響し、減益となりました。
(南アジア)前期比で増収増益となりました。売上高は、新設事業ではインドネシアの減少に対し、シンガポール、マレーシアおよびインドで増加し、アフターマーケット事業ではシンガポールでの修理工事の増加により、増収となりました。営業利益は、インドでは新設事業での原材料費高騰の影響で減少しましたが、シンガポールでのアフターマーケット事業の売上増加、インドネシアでの新設事業の採算が改善したことにより、増益となりました。
(米州・欧州)前期比で増収増益となりました。売上高は、新設事業が英国で増加し、アフターマーケット事業は、各国ともに堅調に推移し、さらにフジテック アルゼンチーナ S.A.の連結加入により増加しました。営業利益は、米国でのアフターマーケット事業の保守の人件費および経費の増加などで採算が悪化しましたが、アルゼンチン子会社の連結加入が寄与し、増益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
(生産実績)当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前期比(%)
日 本
76,642
2.8
東アジア
84,234
19.8
南アジア
22,676
36.0
米州・欧州
36,553
34.5
小 計
220,107
16.7
調整額(注2)
△12,410
―
合 計
207,696
16.1
(注) 1 金額は平均販売価格によっています。2 調整額△12,410百万円は、セグメント間の内部振替額です。
(受注実績)当社グループは、主として受注生産を行っていますが、一部見込み生産を行っています。当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前期比(%)
受注残高(百万円)
前期末比(%)
日 本
85,328
6.8
80,659
10.7
東アジア
59,973
△26.4
92,758
△7.8
南アジア
25,830
40.8
26,574
28.4
米州・欧州
45,848
69.7
49,446
48.0
小 計
216,980
4.9
249,439
9.6
調整額(注)
△13,749
―
△4,540
―
合 計
203,230
3.9
244,898
9.2
(注) 受注高の調整額△13,749百万円および受注残高の調整額△4,540百万円は、それぞれセグメント間の内部振替額です。
(販売実績)当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前期比(%)
日 本
77,507
2.6
東アジア
82,927
5.7
南アジア
24,128
46.0
米州・欧州
36,361
33.8
小 計
220,925
11.7
調整額(注2)
△13,336
―
合 計
207,589
11.0
(注) 1 相手先別の販売実績が、総販売実績に対し10%以上のものはありません。2 調整額△13,336百万円は、セグメント間の内部振替額です。
②財政状態の状況
前連結会計年度(2022年3月31日)
当連結会計年度(2023年3月31日)
増減
総資産額
(百万円)
220,609
230,098
9,489
純資産額
(百万円)
140,482
144,118
3,635
自己資本比率
(%)
56.9
55.6
―
1株当たり純資産額
(円)
1,549.83
1,640.29
90.46
当連結会計年度末における総資産額は、2,300億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ94億89百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の減少に対し、受取手形、売掛金及び契約資産、原材料及び貯蔵品などの棚卸資産、有形固定資産、投資有価証券が増加したことによります。負債合計は、前連結会計年度末に比べ58億53百万円増加し、859億80百万円となりました。これは主に、前受金、工事損失引当金の減少に対し、短期借入金、支払手形及び買掛金が増加したことによります。純資産額は、1,441億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億35百万円増加しました。これは、自己株式の取得89億32百万円、配当金の支払い64億27百万円に対し、親会社株主に帰属する当期純利益の増加84億33百万円、為替換算調整勘定の増加78億92百万円、連結範囲の変動に伴う利益剰余金の増加14億70百万円、非支配株主持分の増加12億20百万円によります。また、当連結会計年度末の自己資本比率は55.6%(前連結会計年度末比1.3ポイント減)となり、1株当たり純資産額は1,640.29円(同90.46円増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度
当連結会計年度
増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
9,846
△2,346
△12,192
投資活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
△3,994
1,949
5,943
財務活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
△6,520
△10,670
△4,150
現金及び現金同等物に係る換算差額
(百万円)
3,870
3,279
△591
現金及び現金同等物の増減額
(百万円)
3,202
△7,788
△10,990
現金及び現金同等物の期末残高
(百万円)
39,042
31,463
△7,578
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、314億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ75億78百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです
(営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純利益124億36百万円に対し、棚卸資産の増加42億83百万円、売上債権の増加42億81百万円、前受金の減少33億54百万円、工事損失引当金の減少23億6百万円などで、23億46百万円の支出(前期98億46百万円の収入)となりました。その主な要因は、仕入債務が前期比30億97百万円の増加に対し、売上債権が同45億27百万円増加、工事損失引当金が同39億44百万円、税金等調整前当期純利益が同38億31万円、前受金が同35億81百万円、減少したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)有形固定資産の取得37億23百万円、投資有価証券の取得による支出18億5百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式取得による支出17億56百万円に対し、定期預金の純減額83億76百万円などにより、19億49百万円の収入(前期39億94百万円の支出)となりました。その主な要因は、投資有価証券の取得による支出が前期比18億3百万円増加、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が同17億56百万円の増加に対し、定期預金の預入れ・払戻しの純収入額が同104億25万円増加したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)短期借入金の純増額57億75百万円に対し、自己株式の取得85億59百万円、配当金の支払などにより、106億70百万円の支出(前期比41億50百万円の支出増)となりました。その主な要因は、短期借入金の純増減額が前期比48億49百万円の増加に対し、自己株式の取得による支出が同75億55百万円、配当金の支払額が11億39百万円増加したことによります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計方針および見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。連結財務諸表の作成は、決算日における資産、負債の計上金額および報告期間における収益・費用の計上金額に影響を与える見積り、判断、仮定を必要とします。当社グループは、過去の実績や状況に応じて合理的と判断される範囲での様々な仮定に基づき、継続的に見積りの検証を行っています。これらの見積りには不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる見積り項目は以下のとおりです。
収益及び費用の計上 当社グループでは、一定の要件を満たす特定の工事請負契約については、進捗度に応じて一定の期間にわたり収益を認識しています。進捗度は、契約内容や過去の同一機種の原価実績など、入手可能な情報から工事原価総額等を見積り、発生した工事原価が工事原価総額等に占める割合に基づいて算定します。算定に用いる仮定は、契約の変更、施工条件および資材・外注価格の動向など様々な要因により変動するため、継続的に検証し、見積りの改訂を行います。これらの改訂により工事の進捗率が変動することで、当社グループの業績に影響する可能性があります。
工事損失引当金 当社グループでは、連結会計年度末における未引渡工事のうち、損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることが可能な工事について、損失見込額を計上しています。損失見込額は、契約内容や過去の同一機種の原価実績など、入手可能な情報から見積った工事原価総額等により算定します。算定に用いる仮定は、契約の変更、施工条件および資材・外注価格の動向など様々な要因により変動するため、継続的に検証し、見積りの改訂を行います。これらの改訂により、工事損失引当金が増額または減額すること、また工事の進捗率が変動することで、当社グループの業績に影響する可能性があります。
貸倒引当金 当社グループでは、売掛金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。 将来、顧客の財務状態が悪化し支払能力が低下した場合は、追加の引当を行うことで、当社グループ業績に影響する可能性があります。
固定資産の減損 当社グループでは、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下したグループについては、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上しています。固定資産の回収可能価額は、経営計画や割引率などを前提条件として算定する将来キャッシュ・フローおよび時価などに基づく正味売却価額を用いて見積ります。当初想定していた収益が見込めない場合や時価の変動などにより前提条件が変化した場合は、回収可能価額の見積りを変更します。将来、見積りの変更により減損処理が必要となった場合は、減損損失の計上を行うことで、当社グループの業績に影響する可能性があります。
繰延税金資産 当社グループでは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、その結果回収の実現が困難と考えられる資産については、評価性引当金を計上しております。回収可能性の判断については、経営計画や将来減算(加算)一時差異の解消スケジュールなどを検討して課税所得見込額を予測し、実現可能性を評価しています。課税所得の予測は、市場動向や当社グループの業績などの影響を受けるため、それらの要因の変化により、繰延税金資産の回収が困難になったと判断した場合は、評価性引当金の計上を行うことで、当社グループの業績に影響する可能性があります。
退職給付債務および退職給付費用 当社グループでは、従業員の退職給付に備えるため、連結会計年度末における見込額に基づき、退職給付債務から年金資産を控除した金額を計上しています。退職給付債務および退職給付費用は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率などの前提条件に基づき算定します。実際の運用結果が想定と異なる場合や割引率などの前提条件が変更された場合、その計算上の差異は将来に渡って規則的に認識され、当社グループの業績に影響する可能性があります。
投資有価証券 当社グループでは、投資有価証券を保有しております。市場価格のない株式等以外のものは決算日の市場価格等による時価法を、市場価格のない株式等は移動平均法による原価法により評価しています。市場価格のない株式等以外のものの連結会計年度末の時価が、取得原価に比べ50%以上下落した場合は原則減損処理を行い、30%から50%未満下落した場合は、回収可能性等を考慮して必要な額を減損しています。また、市場価格のない株式等については、実質価額が取得原価に比べ50%以上下落した場合は、回収可能性等を考慮して減損処理を行います。将来、市況悪化や投資先の業績悪化などの状況変化により減損処理が必要と判断した場合には、減損損失の計上を行うことで、当社グループの業績に影響する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績の分析売上高当連結会計年度の売上高は、前期比205億71百万円増加して、2,075億89百万円となりました。これは主に、日本が前期比19億50百万円、東アジアが同44億64百万円、南アジアが同76億5百万円、米州・欧州が同91億75百万円、増加したことによります。この結果、海外売上高の連結売上高に占める割合は、前期61.0%から2.9ポイント増加して、63.9%となりました。
売上原価、販売費及び一般管理費売上原価は、前期比199億84百万円増加して、1,654億30百万円となりました。売上原価率は同1.9ポイント増加し、79.7%となりました。 販売費及び一般管理費は、前期比27億44百万円増加して、305億38百万円となり、売上高に対する割合(売上高販管費率)は同0.2ポイント減少して、14.7%となりました。 以上の結果、営業利益は、116億19百万円(前期比15.7%減)となりました。
営業外損益営業外損益は、前期の19億35百万円の利益(純額)から、2億23百万円減少して、17億12百万円の利益(純額)となりました。これは主として、貸倒引当金繰入額の増加によるものです。 この結果、経常利益は、133億32百万円(前期比15.2%減)となりました。
特別損益特別損益は、前期の5億55百万円の利益(純額)から8億95百万円の損失(純額)となり、前期に比べ、利益が5億79百万円減少、損失が8億71百万円増加しました。これは主に、補助金収入および投資有価証券売却益が減少し、減損損失が増加したことによります。 以上の要因を反映して、税金等調整前当期純利益は、124億36百万円(前期比23.6%減)となりました。
法人税等(法人税等調整額を含む。)法人税等は、前期に比べ13億8百万円減少、非支配株主に帰属する当期純利益は1億20百万円減少しました。 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、84億33百万円(前期比22.2%減)となりました。これにより、1株当たり当期純利益は、前期の133.42円から26.75円減少して、106.67円となりました。
③資本の財源および資金の流動性についての分析 当社グループは、運転資金および設備投資資金については、内部資金または借入により調達しています。このうち、運転資金の借入による調達は、期限が一年以内の短期借入金で、各々の連結会社が運転資金として使用する現地通貨で調達することが一般的であります。2023年3月31日現在、短期借入金残高は97億89百万円であります。これに対して、生産設備などの長期資金の借入による調達は、原則として、長期借入金で行っています。2023年3月31日現在、長期借入金残高(1年内返済予定の長期借入金を含む)は20百万円であります。 当社グループは、営業活動から得られるキャッシュ・フローおよび借入、必要に応じて資本市場等よりの調達により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および生産設備などの長期資金を調達することが可能と考えています。
④財政状態の分析 当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2事業の状況、4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要、②財政状態の状況」に記載のとおりです。
⑤キャッシュ・フローの分析 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2事業の状況、4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要、③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、重要な経営指標として、営業利益率10%以上の早期達成、ROE 10%以上の達成と維持を中長期的な目標として設定しております。 当連結会計年度は、売上高2,000億円、営業利益147億円、営業利益率7.4%を目標としてスタートしましたが、当初の想定より、南アジアのシンガポール、インドでの新設工事の増加、米国での円安の影響により邦貨換算額が増加したことで売上高が増加した一方、日本では急激な円安や原材料費の高騰などでコストが上昇し、東アジアでは主に中国での原材料高騰の影響により新設工事の採算が低下して、減益になることから、2022年11月8日付で、目標を売上高2,070億円、営業利益105億円、営業利益率5.1%に修正いたしました。 当連結会計年度における修正目標に対する達成状況は、売上高は修正目標比0.3%増の2,075億89百万円、営業利益は、中国での販売管理費、香港での工事損失引当金が想定より減少したことなどにより、同11億19百万円増の116億19百万円、営業利益率は同0.5ポイント上昇して5.6%となりました。ROEにつきましては、当連結会計年度末では6.7%となっています。
実績
修正目標(2022年11月8日公表)
当初目標(2022年5月13日公表)
売上高
(百万円)
207,589
207,000
200,000
営業利益
(百万円)
11,619
10,500
14,700
営業利益率
(%)
5.6
5.1
7.4
ROE
(%)
6.7
―
―
当社グループの経営目標および経営戦略につきましては、「第2 事業の状況、1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)目標とする経営指標」および「(3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題」に記載のとおりです。
