【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間のわが国経済は、ウィズコロナの下、行動制限の解除及び各種政策の効果もあり、緩やかに持ち直しの動きが見られました。一方で、急激な円安の進行と輸入品価格の上昇、ロシア・ウクライナ情勢に起因する世界的な資源価格・原材料価格の高騰等により、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループが属する建設業界におきましては、建設投資に底堅い動きが見られるものの、建設資材等の値上がりの影響は大きく、受注環境は一層厳しさを増しております。
このような環境の下、当社グループは、採算性を重視した営業活動及び拡販活動に取り組み、建設コスト高を反映した価格改善や連結子会社との連携による工事受注の確保に注力してまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末の財政状態及び当第3四半期連結累計期間の経営成績は次のとおりとなりました。
①財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は438億29百万円となり、前連結会計年度末と比較して5億25百万円の増加となりました。その主な要因は、受取手形及び売掛金と電子記録債権をあわせた売上債権が増加したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は158億61百万円となり、前連結会計年度末と比較して11百万円の増加となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金と電子記録債務をあわせた仕入債務が増加したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は279億67百万円となり、前連結会計年度末と比較して5億13百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金が増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.4ポイント上昇した63.8%となりました。
②経営成績
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は252億69百万円(前年同四半期比19億56百万円増)、営業利益は8億50百万円(前年同四半期比4億68百万円増)、経常利益は11億74百万円(前年同四半期比5億34百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億75百万円(前年同四半期比1億87百万円増)となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間において、特記すべき事項はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
建設業界を取り巻く環境は、都市部の再開発事業などの大型プロジェクトや大規模自然災害からの復旧・復興を図る対策として政府が進める防災・減災、国土強靭化計画、インフラ老朽化対策事業等の下支えもあり、一定の需要は確保されるものと見られます。一方で、建設コスト高などの影響から、設備投資計画の見直しによる受注工事の延期につながる懸念が残るほか、価格競争激化により採算性の低下を招く可能性があります。
これらの環境の下、当社グループは引き続き信頼性の充実を図り、採算面での徹底した管理を行いながら受注活動に取り組んでまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、営業活動に必要な運転資金として、材料費、外注費、修理費、製作加工費、労務費等が主要な内容であります。経常的な運転資金については、一定水準の資金を確保しておく必要があります。資金の財源については、営業活動による収入で得た資金を投入し、不足する場合は有利子負債による資金調達を実施しております。なお、当社においては、運転資金の安定的な調達を行うために総額10億円のコミットメント契約を締結しております。