【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における日本経済は、経済活動の本格的な再開に向け動きはじめました。新型コロナウイルス感染症は社会経済活動に重点を置いた感染拡大予防の局面に入り、旅行や観光・飲食等コロナ禍で打撃を受けた産業に回復が見えてきました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発するエネルギー価格の高騰や内外の金融政策の差に起因する円安の進行による物価上昇等は、今後の経済の回復に不確実性を及ぼしております。日本全体で、大企業のみならず中小企業に至るまで、コストアップをどの程度価格転嫁が出来るか、そして賃上げを実現できるかが、国全体の個人消費に影響を及ぼすと言われております。また、世界経済につきましても、ウクライナ情勢の長期化や中国の「ゼロコロナ政策」転換に起因する同感染症の爆発的拡大による景気への影響、全世界的なインフレ局面から景気後退局面への転換懸念により、先行きは不透明な状況が続いております。
国内のコンタクトレンズ市場におきましては、社会活動の正常化に伴い、需要全体は2019年の水準まで回復しております。1日使い捨てタイプへのシフトが依然続いていることや、近視の低年齢化が世界的な社会問題として注目される中で、オルソケラトロジーレンズの普及、ミドルエイジ以降の遠近両用及び乱視用コンタクトレンズ等の伸長により、市場は緩やかながら着実な成長基調にあると推測されます。
海外市場におきましては、エネルギー価格の高騰と供給不安が共通の問題ではありますが、国や地域によるばらつきを伴いながらも回復しつつあります。取引先への現地訪問や、対面による情報交換会及び展示会の実施等が再開されております。中国市場においては、2022年12月に「ゼロコロナ政策」の転換に舵を切ったものの同感染症の感染爆発により、個人消費の低迷懸念を孕みながらも、春節以降の消費拡大は期待できると思われます。
このような状況の下、2022年10月に創立65周年を迎えた当社グループは、3ヶ年中期経営計画の2年目となる2023年3月期につきましても、引き続き『市場競争力の強化・収益力の強化』、『信頼されるモノづくり』、『SDGsの推進』、『安定した株主還元』を最重要施策として、日本国内での安定した成長を軸に、海外各国での需要回復を図ることにより海外事業規模の拡大と収益基盤の強化を図ってまいりました。また、一部のボリュームゾーン製品については主要量販店等へのOEM供給を実施し、生産ラインの稼働効率を向上するとともに、出荷金額の絶対量を確保してまいりました。
商品戦略としては、主力である国産の「ワンデーピュアシリーズ」を中心として、2022年7月から九州・四国・中国エリア(沖縄除く)にて販売を開始した1日使い捨て国産シリコーンハイドロゲルレンズ「シード1daySilfa(シルファ)」と2022年8月に発売したOEM供給の「シードAirGrade 1day UV W-Moisture(エアグレード ワンデー UV ダブルモイスチャー)」という異なる特性を持った2種類のシリコーンハイドロゲルレンズでワンデー市場のシェア向上を図ってまいりました。
12月には当社システムに対する外部からの不正アクセスの攻撃を受け、生産と受発注に困難がありましたが、数日内に業務再開を実現しております。しかしながら、更にセキュリティーレベルを上げる取り組みを別途開始しております。
これらの事業活動の結果、当第3四半期連結累計期間において、主に国内のコンタクトレンズ販売が伸長したため、売上高は22,675百万円(前年同期比6.0%増)となりました。
利益につきましては、販売費及び一般管理費の削減に努めてきた一方、円安による商品輸入原価の上昇や、ウクライナへの軍事侵攻に起因したエネルギー価格や原材料価格の高騰により、営業利益809百万円(前年同期比16.4%減)、経常利益801百万円(前年同期比13.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は269百万円(前年同期比55.7%減)となりました。
なお、既存ビルの老朽化の為、2022年12月にシード新本社ビルの建設着工を始めております。高い環境性能を具備し、地域との共生を目的としたビルであり、多様かつ優秀な人材確保を目的とした働きやすい職場づくりを目指しております。竣工は2024年5月を予定しております。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しております。そのため、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
(コンタクトレンズ・ケア用品)
国内のコンタクトレンズにつきましては、SNSを通じた広告宣伝を行う等、消費者への直接の需要喚起を行いました。引き続き主力である国産の「ワンデーピュアシリーズ」を中心とし、2つの異なるベクトルを持つシリコーンハイドロゲルレンズを市場に提案することで、シリコーンレンズカテゴリーでの商品競争力を高めてまいりました。また、特に市場の伸長が見込まれる遠近両用コンタクトレンズや、医療用のオルソケラトロジーレンズ等の高付加価値商品の拡販に注力してまいりました。オルソケラトロジーレンズにつきましては、市場が着実な成長を示し、前年同期比20.9%増、遠近両用コンタクトレンズも対前年同期比16.9%と大きく伸長しております。
ケア用品につきましては、オルソケラトロジーレンズ関連のケア用品は増加したものの、使い捨てタイプへのシフト等の影響により、前年同期を下回る結果となりました。
海外へのコンタクトレンズ輸出等につきましては、海外事業を牽引している中国市場が「ゼロコロナ政策」の影響により事業展開への支障が生じ、対前年度マイナスと至りました。
その結果、セグメント全体の売上高は22,583百万円(前年同期比 6.5%増)、営業利益1,599百万円(前年同期比 10.7%減)となりました。
(その他)
その他につきましては、眼鏡卸売事業から撤退した結果、売上高は91百万円(前年同期比 50.5%減)、営業損失は5百万円(前年同期営業損失64百万円)となりました。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産の残高は、41,151百万円となり、前連結会計年度末から634百万円減少いたしました。主な要因としては、中国法人の売掛金が減少したことが挙げられます。
負債につきましては、28,479百万円となり、前連結会計年度末から774百万円減少しております。主な要因としては長期借入金の返済やリース債務等の返済が進行したことが挙げられます。
今期の損益の結果をうけ、純資産につきましては、12,671百万円となり、前連結会計年度末から139百万円増加しております。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,362百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
