【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。(1)経営成績の状況当第1四半期連結累計期間における経営環境は、新型コロナウイルス感染症に対する水際対策措置や行動制限が緩和され、訪日外客数が回復し、行動制限のない大型イベント開催等の機会も増え、観光産業全体の経済活動は正常化へ向けて回復基調で進んでおります。一方、世界経済情勢は、不安定な国際情勢によるエネルギー・資源価格の高騰、欧米を中心とした各国中央銀行の金融政策の引締めによる景気後退リスクなど、景気の先行きは不透明な状況が続いております。このような環境の中、当社グループでは、コストの抑制を継続し、回復傾向にあるインバウンド需要の獲得に注力するとともに、生産性向上に資する社内業務のデジタル化を推進しております。 基幹事業である旅行事業においては、インバウンド需要を取りこぼしなく獲得するため、人員の最適化とともに地方営業所再開の検討をすすめております。またライフスタイルの変化・多様化によるお客様のニーズに合わせた旅行商品の開発に取り組むとともに、グループ全体で持続的な成長を実現すべく、業容拡大と生産性向上に努めております。 なお、当第1四半期連結累計期間及び今後の業績動向等を勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、当第1四半期連結決算において、繰延税金資産を計上いたしました。これにより、当第1四半期連結累計期間の法人税等調整額(益)は、335,094千円となりました。これらの活動の結果、売上高995,144千円(前年同期比361.0%増)、営業利益77,619千円(前年同期は営業損失527,249千円)、経常利益59,011千円(前年同期は経常損失519,861千円)、親会社株主に帰属する四半期純利益394,972千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失518,749千円)となりました。 セグメント別の業績は、次のとおりであります。各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。
① 旅行事業当第1四半期連結累計期間の旅行市場は、水際対策の緩和が進み、国際航空便も増便の傾向がみられ、桜シーズンの訪日需要の高まり等の影響により、訪日外客数は479万人(出典:日本政府観光局(JNTO))と、2019年比では59.5%程度まで回復するに至りました。その中でも当社が主力としている韓国からの訪日外客数は160万人と、2019年比76.9%まで回復しております。 旅行事業では、韓国をはじめとする海外エージェント向けの商品企画や開発、また主にFIT向けとして海外有力サイトとのAPI連携を中心に展開しているオンラインプラットフォーム「Gorilla」にて取扱うホテルや旅ナカ商材の拡充に注力してまいりました。回復傾向にあるインバウンド需要の獲得に向け、コロナ禍で縮小した事業規模を拡大させつつ、社内業務のデジタル化を推進し生産性の向上を目指しております。 当第1四半期連結累計期間の旅行事業の売上高は502,296千円(前年同期比45.2倍)、セグメント利益は142,631千円(前年同期はセグメント損失40,588千円)となりました。
② バス事業当第1四半期連結累計期間においては、東京、大阪、北海道と九州の4拠点にて、インバウンド需要の獲得、海外航空会社のクルー送迎、国内向けの営業強化に注力してまいりました。韓国からのインバウンド需要を中心に貸切観光バスの需要は回復傾向にあり、ドライバーの採用など業容拡大とともに、生産性の向上を目指しております。 当第1四半期連結累計期間のバス事業については、売上高347,053千円(前年同期比31.6倍)、セグメント利益77,124千円(前年同期はセグメント損失62,514千円)となりました。③ ホテル等施設運営事業当第1四半期連結累計期間においては、1月の札幌と金沢における大雪の影響により、稼働率が伸び悩む時期があったものの、国内需要、インバウンド需要ともに増加しており、業績は着実に回復傾向にあります。 稼働率は順調に推移しているものの、ADR(平均客室単価)の回復が若干遅れていることが影響し、セグメント利益の黒字化には至っておりませんが、継続して、国内、東アジアや東南アジアの海外エージェントへの営業強化、近隣の飲食店やレジャー施設とのセット商品等の企画など、ビジネス需要と共に、レジャー需要の取込みに注力し、早期黒字化を目指してまいります。 当第1四半期連結累計期間のホテル等施設運営事業の売上高は432,516千円(前年同期比113.1%増)、セグメント損失は67,201千円(前年同期はセグメント損失364,774千円)となりました。
④ その他システム開発事業のHANATOUR JAPAN SYSTEM VIETNAM COMPANY LIMITEDは当社グループのシステム開発・運用を中心に行っており、当第1四半期連結累計期間のセグメント間内部売上は堅調に推移しております。当第1四半期連結累計期間の売上高は8,340千円(前年同期比18.9%増)、セグメント損失705千円(前年同期はセグメント利益375千円)となりました。
(2)財政状態の分析当第1四半期連結会計期間末における総資産は9,158,942千円となり、前連結会計年度末に比べ239,903千円増加いたしました。これは主に、借入債務の返済、リース債務の支払い等により、現金及び預金が115,498千円減少したこと、有形・無形固定資産が減価償却等により90,881千円減少したこと、一方、税効果会計における繰延税金資産の認識に伴い、投資その他の資産の、その他に属する繰延税金資産が335,094千円増加したこと等によるものであります。 当第1四半期連結会計期間末における負債は8,117,357千円となり、前連結会計年度末に比べ154,036千円減少いたしました。これは主に、流動・固定負債のリース債務が支払いにより58,544千円減少したこと、短期・長期借入金が返済により169,663千円減少したこと、一方、各事業の需要回復に伴い営業未払金が74,112千円増加したこと等によるものであります。 当第1四半期連結会計期間末における純資産は1,041,585千円となり、前連結会計年度末に比べ393,940千円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益が394,972千円となったこと、一方、新株予約権者の権利失効に伴い新株予約権が1,593千円減少したこと等によるものであります。 なお、旅行事業に係る売上高は、取扱高と仕入高を相殺した純額で表記している他、バス事業、ホテル等施設運営事業に係る一部の売上高について、取扱高と仕入高もしくは販売費及び一般管理費を相殺した純額で表記しているため、その結果売掛金及び契約資産の残高が売上高に対して高い水準となっております。
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