【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、期初は1ドル=122円だった為替レートが、10月には32年振りの水準となる150円台を付けるなど円安が進行し、円安と資源高を背景とした原材料コストの増加が景況感を下押ししたことで、12月の日銀の全国企業短期経済観測(短観)における大企業製造業の業況判断指数(DI)は4四半期連続で悪化となりました。一方、世界経済に目を移すと、欧米においては、サービス消費の回復や設備投資需要は旺盛なものの、引き続き世界的な物価高が家計の重荷となり、景気減速が露わになっています。また、中国においては、12月にゼロコロナ政策を緩和したものの、10~12月の実質GDP成長率は前年同期比2.9%増となり、2022年通年の実質GDP成長率は3.0%となったことで、政府目標の5.5%前後を大幅に下回る結果となりました。このような経営環境のなか、当社グループにおいては、現有ビジネスの深掘りと新規ビジネスの探索により、第2四半期までの計画未達を巻き返すべく注力したものの、販売主要マーケットのひとつである中国市場の需要停滞が深刻な影響となり、売上高は前年同期と比べて大きく減少しました。また、値上げによる採算改善及び販管費を中心にコスト削減をおこない、さらに長期不動在庫の解消には目途をつけたものの、円安やそれに伴う原材料価格および燃料価格が更に高騰したこと、売上高減少に加えて新生産ラインが目標としていた稼働率に届かず、生産数量が減少し固定費が回収できず売上原価が高止まりしたこと等が響き、利益面でも極めて厳しい結果となりました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は145億28百万円(前年同期比12.4%減)となりました。営業損失は11億61百万円(前年同期は15百万円の営業利益)、経常損失は8億91百万円(前年同期は2億15百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は6億51百万円(前年同期は48百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
当社グループは、粘着テープの製造・販売を行っておりますが、製品部門別の売上高状況は以下の通りです。
(梱包・包装用)物価高による消費者の買い控えの影響により、ホームセンター向けが低調に推移し、当製品部門の売上高は19億58百万円(前年同期比9.4%減)となりました。
(電機・電子用)中国のコロナ政策等による市況低迷や、それに伴う中国向け輸出の低迷、世界的な半導体ICチップ供給不足による自動車の生産減少に伴う在庫調整等により電子部品用テープが低調に推移し、当製品部門の売上高は72億17百万円(前年同期比20.4%減)となりました。
(産業用)オフィス系通販及び建築・土木向けポリエチレンクロステープの拡販が寄与したものの、当製品部門の売上高は53億52百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
(ご参考)販売実績(累計)
(単位:百万円)
粘着テープ事業製品部門
前第3四半期累計期間
2021年4月1日から
2021年12月31日まで
当第3四半期累計期間
2022年4月1日から
2022年12月31日まで
前年同期比
金額
構成比
金額
構成比
増減金額
増減率
梱包・包装用テープ
(196)2,160
13.0
%
(135)1,958
13.5
%
△202
9.4%減
電機・電子用テープ
(4,295)9,065
54.7
%
(3,759)7,217
49.7
%
△1,848
20.4%減
産業用テープ
(193)5,357
32.3
%
(361)5,352
36.8
%
△4
0.1%減
合計
(4,685)16,583
100.0
%
(4,256)14,528
100.0
%
△2,055
12.4%減
(注) (
)内の数字は海外売上高
(2) 財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ3.8%減少し360億7百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べ5.8%減少し171億48百万円となりました。これは、主として売上債権の減少によるものです。固定資産は、前連結会計年度末と比べ2.0%減少し188億59百万円となりました。これは、主として減価償却費の計上によるものです。当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ10.4%減少し74億88百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末と比べ10.8%減少し56億58百万円となりました。これは、主として設備関係の債務の減少によるものです。固定負債は、前連結会計年度末と比べ9.0%減少し18億30百万円となりました。これは、主として繰延税金負債の減少によるものです。当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ2.0%減少し285億18百万円となりました。これは、主として親会社株主に帰属する四半期純損失および剰余金の配当によるものです。以上の結果、自己資本比率は79.2%(前連結会計年度末77.7%)となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は7億61百万円であります。