【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
(1)業績当社グループは、「世界中にAimingのファンを」をミッションに掲げ、スマートフォンをはじめとした基本無料の「オンラインゲーム事業」を主たる業務としております。 国内のスマートフォン向けオンラインゲーム市場は、2021年度は1兆3,001億円となり、2023年度には1兆3,390億円になると予測(※)されており、成長は鈍化しているものの安定した市場規模を維持しております。その一方、アニメやゲームなどの知名度の高いIP(Intellectual Propertyの略)を題材としたタイトルや、品質の高い海外企業のゲームが国内でサービスを開始するケースも多く、競争は激化しております。また、国内外の品質の高いゲームが市場に投入されることで、ユーザーの求めるゲーム品質の水準が高まっていることから、ゲームの開発期間は長期化し、開発費用も高騰しております。 このような状況の中、当社グループはオンラインゲーム事業のさらなる成長およびシェアの拡大を目指し、サービス中タイトルの拡充と開発中タイトルの準備を進めてまいりました。 サービス中タイトルにつきましては、株式会社スクウェア・エニックスとの共同開発タイトル『ドラゴンクエストタクト』が2周年を迎え、周年イベントやコラボイベントなどの実施を通じて、アクティブユーザー数を維持し、収益に貢献いたしました。『剣と魔法のログレス いにしえの女神』や『CARAVAN STORIES』をはじめとする他タイトルについては、長期運営によるKPIの低下は見られるものの、アニメIPとのコラボの実施等により、アクティブユーザー数及び課金ユーザー数の維持に努めました。 開発中タイトルにつきましては、『キャラスト魔法学園』を2022年4月25日にリリースし、またLiTMUS株式会社との共同事業として『脱獄ごっこPRO』を2022年11月17日にリリースいたしました。さらに、株式会社KADOKAWA等とともに製作委員会を組成し、『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン』を2022年11月29日に全世界に向けて同時配信いたしました。今後ますます激化することが予想される市場競争に対し、IP取得や共同事業などの施策に取り組んでまいります。
『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン』の製作にあたって、他社との共同出資により陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン(国内版)製作委員会を組成しておりましたが、期末決算処理において会計監査人との協議の結果、当社の出資比率及び契約上の地位や役割等の実質支配力基準により本製作委員会を当社の連結子会社として扱うこととし、2022年12月期より連結決算に移行いたしました。当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は13,668百万円、営業利益は400百万円、経常利益は315百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は601百万円となりました。
(※) 出典:『ファミ通ゲーム白書2022』株式会社角川アスキー総合研究所
オンラインゲーム事業のサービス区分別の業績の状況等は次のとおりであります。(オンラインゲーム配信サービス)『剣と魔法のログレス いにしえの女神』、『CARAVAN STORIES』、『ドラゴンクエストタクト』、『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン』は当社の売上高の主軸となっております。
(オンラインゲーム制作/運営受託サービス)今年度において制作および運営を受託したオンラインゲームは合計16タイトルとなっております。
各サービス区分別の実績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (生産、受注及び販売の状況) (3)販売実績」をご参照ください。
(2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は前連結会計年度より239百万円減少し、5,253百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によって減少した資金は350百万円となりました。これは主として、未払金の増加535百万円、税金等調整前当期純利益の計上315百万円があったものの、売上債権及び契約資産の増加1,278百万円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によって減少した資金は262百万円となりました。これは主として、敷金及び保証金の差入による支出121百万円、関係会社出資金の払込による支出115百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によって増加した資金は381百万円となりました。これは主として、剰余金の配当による支出139百万円があったものの、非支配株主からの払込みによる収入517百万円によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2) 受注実績当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(3) 販売実績当連結会計年度の販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社グループはオンラインゲーム事業の単一セグメントであります。
サービスの名称
販売高(千円)
前期比(%)
オンラインゲーム事業
オンラインゲーム配信サービス
オンラインゲーム制作/運営受託サービス
11,416,9632,251,644
――
合計
13,668,607
―
(注) 1.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しておりますので、前期比は記載しておりません。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 なお、Apple Inc.及びGoogle LLCに対する販売実績は、当社が、同社等を介して行うアイテム課金サービスのユーザーに対する利用料の総額であります。
相手先
当連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)
販売高(千円)
割合(%)
Apple Inc.
6,642,936
48.6
Google LLC
3,154,239
23.1
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。(1)重要な会計方針及び見積りこの連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の数値に影響を与える見積りを必要とする箇所がございます。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内でかつ合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。
(2)財政状態の分析当連結会計年度の資産につきましては、8,600百万円となりました。主な内訳としては、現金及び預金5,253百万円、売掛金及び契約資産2,353百万円、敷金及び保証金288百万円であります。当連結会計年度の負債につきましては、1,771百万円となりました。主な内訳としては、未払金863百万円、買掛金430百万円、契約負債230百万円であります。当連結会計年度の純資産につきましては、6,829百万円となりました。主な内訳としては、資本金2,556百万円、資本剰余金2,546百万円、利益剰余金1,632百万円であります。
(3)経営成績の分析当連結会計年度における売上高は13,668百万円、営業利益は400百万円、経常利益は315百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は601百万円となりました。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。
(4)資本の財源及び資金の流動性各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。当社の資金需要のうち主なものは、新規タイトルの開発や運営にかかる人件費や外注費、サービス提供・拡充のための広告宣伝費であります。当社は、事業運営上、必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、これらの資金需要に対して、営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を充当することを基本とし、状況に応じて、金融機関からの借入れや各種資本政策等による資金調達で対応することとしております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向、競合他社、技術革新、人材の確保・育成等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは優秀な人材の採用、ユーザーのニーズに合ったタイトルの提供等を積極的に行っていくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に対し適切に対応を行ってまいります。
(6)経営者の問題意識と今後の方針経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後の業容拡大を遂げるためには、厳しい環境の下で、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。そのためには、収益力のある新規タイトルの継続的な提供、グローバル市場への対応、ゲームの安全性及び健全性の強化を図ることが重要であると考えています。
(7)経営戦略の現状と見通し当社グループは、創業時の2011年5月から現在までオンラインゲーム事業に特化して注力してまいりましたが、その運営で得たノウハウを敷衍し、海外市場への本格的な進出も含めた今後の展開について検討していく所存であります。
(8)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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