【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、内需を中心に景気の緩やかな持ち直しが続きました。しかしながら、不安定な国際情勢によるエネルギー価格及び原材料価格の高騰や急激な円安など先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは今後想定する事業環境の変化と経営課題を踏まえ、長期ビジョン「グループ構想2030」を策定し、「地域に不可欠、なくてはならない『まちづくり・地域づくり企業』へ進化する」ことを2030年のあるべき姿として位置づけました。その第一歩となる中期経営計画(2022年度~2024年度)においては、コロナ禍の影響を大きく受けた乗合バス事業、旅行業などの利益水準の回復と、「まちづくり・地域づくり企業」へ転換するための事業構造改革を基本方針とし、当連結会計年度においては注力エリアでの事業拡大や安定収益確保のための不動産投資など重点戦略の推進に取り組みました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,683百万円増加し、60,627百万円となりました。増減の主なものは、有形固定資産の増加1,908百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加976百万円、現金及び預金の減少1,014百万円などであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ224百万円減少し、15,720百万円となりました。増減の主なものは、借入金の減少1,012百万円、リース債務の減少180百万円、未払消費税等の増加212百万円、未払法人税等の増加204百万円、賞与引当金の増加144百万円、未払金の増加112百万円などであります。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加1,581百万円、その他有価証券評価差額金の増加294百万円、退職給付に係る調整累計額の増加46百万円等により前連結会計年度末に比べ1,908百万円増加の44,907百万円となり、自己資本比率は74.1%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は前期比6,006百万円(15.5%)増の44,820百万円、営業利益は前期比2,062百万円(686.5%)増の2,362百万円、経常利益は前期比1,543百万円(143.0%)増の2,622百万円となりましたが、前期に本社ビル売却に伴う特別利益を計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益は前期比371百万円(△17.4%)減の1,766百万円となりました。
セグメントの経営成績は次の通りであります。売上高、営業利益はセグメント間の内部売上高又は振替高控除前の金額であります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
(自動車運送)
乗合バス部門におきましては、神戸市内において観光周遊バス「シティーループ」などの運行を開始したほか、前期から運行開始している連節バス「ポートループ」の新神戸駅への延伸、シティーループとの乗継停留所増設により回遊性を高めるなど利便性の向上に注力しました。また、大阪方面へは、通勤・通学需要の高まりに対応するために三田~大阪・新大阪線を増便するなど重点戦略エリアの路線強化を行いました。行動制限が緩和され人の移動が活性化されたこともあり、ICカード利用者数が前期比11.8%増となるなど、輸送人員は増加しました。高速バス部門においても、新型コロナウイルス感染症の影響を受け運休・減便していた路線について、利用者需要に応じて運行を再開し、淡路島線、三宮~四国線、中国ハイウェイ線(大阪~岡山県津山市)などにおいて回復の動きがみられました。また、一部の高速バス路線において運賃改定を実施したほか、一般路線においても定期券の割引率見直しを実施しました。以上の結果、売上高は前年同期比2,328百万円(12.2%)増の21,420百万円、営業利益は630百万円(前年度は営業損失647百万円)となりました。
(車両物販・整備)
車両物販部門におきましては、新車生産遅延による車両平均使用年数の伸長により、整備工場などへの維持メンテナンス用補修部品の出荷が増加したことに加え、自動車販売台数の増加などにより増収となりました。整備部門におきましては、新規法人顧客獲得に注力し、車検整備台数が増加したほか、高額な修理や車両改造を受注したことにより増収となりました。以上の結果、売上高は前期比592百万円(7.2%)増の8,819百万円、営業利益は前期比154百万円(36.0%)増の582百万円となりました。
(不動産)
賃貸部門におきましては、新たな収益物件を取得し賃貸を開始しましたが、前期に姫路駅前の本社兼賃貸用ビルを売却したことにより減収となりました。建設部門におきましては、こども園やグループホームの建設を請け負いましたが、前期に規模の大きな工事を請け負っていたことの反動により減収となりました。住宅部門におきましては、加古川住宅展示場に常設型モデルハウスを開設するなど積極的な営業施策を実施した結果、注文住宅の受注が増加しました。以上の結果、売上高は前期比380百万円(△6.8%)減の5,249百万円、営業利益は前期比252百万円(△16.2%)減の1,305百万円となりました。
(レジャーサービス)
サービスエリア部門におきましては、中国道リニューアル工事(吹田JCT~中国池田IC間)による終日通行止めの影響があったものの、行動制限の緩和により来店客数が増加しました。飲食部門におきましては、前期に不採算店舗4店舗を閉店しましたが、行動制限の緩和による来店客数の回復やオリジナルブランド「炭火焼き豚丼専門店 豚小家」2店舗をオープンしたことにより増収となりました。ツタヤFC部門におきましては、TSUTAYA熊見店を閉店したことにより減収となりました。以上の結果、売上高は前年同期比280百万円(7.5%)増の4,028百万円、営業損失は44百万円(前期は営業損失254百万円)となりました。
(旅行貸切)
旅行部門におきましては、行動制限の緩和に加え、県民割及び全国旅行支援を活用したツアーの販売拡大に取り組み、バスツアーの集客が増加したほか、新型コロナウイルス感染症の水際対策が緩和されたことにより訪日外国人向けの周遊ツアーが一部回復しました。貸切バス部門は前期の東京オリンピック輸送などの反動がありましたが、修学旅行をはじめとする学生団体などの受注が増加したことにより、車両の稼働率が改善しました。以上の結果、売上高は前期比1,764百万円(63.4%)増の4,548百万円、営業利益は20百万円(前期は営業損失660百万円)となりました。
(その他)
経営受託部門におきましては、新たにsoraかさい、赤穂市民総合体育館の指定管理を獲得したことや、前期は緊急事態宣言下で営業休止を余儀なくされた書写山ロープウェイや星の子館において利用者が増加したことにより増収となりました。農業部門におきましては、農産直売所のバスの八百屋において品揃えを強化したことにより、利用者が増加しました。また、当期より地域課題解決に取り組む地域事業部門を立ち上げ、自治体との連携を強化し、兵庫県を中心に観光をはじめとする地域活性化案件を請け負いました。なお、保育部門及びWebサービス部門の子会社を新たに連結の範囲に加えております。以上の結果、売上高は前期比1,212百万円(45.9%)増の3,853百万円となりましたものの、地域事業部門の立ち上げに伴う経費を計上したことなどにより営業損失は134百万円(前期は営業損失73百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて1,014百万円減少し、9,953百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,567百万円、減価償却費1,699百万円、売上債権の増加886百万円などにより3,497百万円の収入(前期は3,949百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出3,671百万円、投資有価証券の売却による収入200百万円などにより3,315百万円の支出(前期は2,632百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出1,032百万円、配当金の支払240百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出162百万円などにより1,364百万円の支出(前期は1,429百万円の支出)となりました。
なお、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フロー(営業活動におけるキャッシュ・フローと投資活動におけるキャッシュ・フローを合算したもの)は182百万円のプラスとなりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループはサービス業を主体とし、その生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため、生産実績・受注状況に代えて各セグメントの大半を占める提出会社及び特定の子会社の状況をb.その他の実績として記載するとともに、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
a.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
自動車運送
21,202
112.2
車両物販・整備
6,827
105.9
不動産
4,547
105.3
レジャーサービス
4,028
107.5
旅行貸切
4,432
160.8
報告セグメント計
41,038
113.4
その他
3,782
143.4
合計
44,820
115.5
(注)1.セグメント間の取引については消去しております。
2.総販売実績の100分の10以上の相手先は、前連結会計年度、当連結会計年度ともありません。
b.その他の実績
①自動車運送
会社名
事業内容等
単位
当連結会計年度
前年同期比(%)
神姫バス㈱
一般乗合旅客・車両数(注)
両
737
99.9
同 ・輸送人員(注)
千人
45,409
110.5
(注)1.一般旅客・車両数のうちリース車両は1両(前期は1両)であります。
2.一般乗合旅客・車両数及び輸送人員のうちには、特定旅客に対するものが61両(前期比98.4%)、
1,591千人(前期比100.3%)含まれております。
②車両物販・整備
会社名
事業内容等
単位
当連結会計年度
前年同期比(%)
神姫産業㈱
自動車部品・タイヤ仕入高
百万円
5,061
104.8
神姫商工㈱
自動車整備・車検台数
台
5,755
102.2
自動車販売・販売台数
台
308
124.7
③不動産
会社名
事業内容等
単位
当連結会計年度
前年同期比(%)
神姫バス㈱
賃貸料
百万円
2,220
91.4
神姫バス不動産㈱
土地分譲・区画数
区画
21
87.5
建物販売・戸数
戸
31
106.9
建設事業・完成工事高
百万円
1,021
80.4
④レジャーサービス
会社名
事業内容等
単位
当連結会計年度
前年同期比(%)
神姫バス㈱
ツタヤFC業・有効会員数
人
109,922
75.8
神姫フードサービス㈱
飲食業・仕入高
(売店の物販を含む)
百万円
1,259
126.7
⑤旅行貸切
会社名
事業内容等
単位
当連結会計年度
前年同期比(%)
神姫観光㈱
一般貸切旅客・車両数(注)
両
85
94.4
同 ・延実働車両数
両
15,241
118.8
神姫観光㈱及び神姫バス㈱
旅行業・ツアー集客数
人
104,895
213.2
(注)一般貸切旅客・車両数のうちリース車両は27両(前期比79.4%)であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高は、不動産業において前期に本社兼賃貸用商業ビルを売却したこと等により減収となったものの、行動制限が緩和され人の移動が活性化されたことにより自動車運送業において輸送人員が増加したことに加え、旅行貸切業において全国旅行割等の影響によりツアー集客数や貸切バス稼働が増加したことにより前期に比べ6,006百万円(15.5%)増加し、44,820百万円となりました。
営業利益は、人件費の増加や燃料費等の高騰はありましたが、上記の増収や、設備投資抑制による減価償却費の減少などにより前期に比べ2,062百万円(686.5%)増加し、2,362百万円となりました。
経常利益は、営業外収益においてコロナ関連助成金が減少したものの、営業利益の増加に伴い前期に比べ1,543百万円(143.0%)増加し、2,622百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失において減損損失が減少したものの、前期に当社本社ビルの売却による特別利益を計上したことの反動により前期に比べ371百万円(△17.4%)減少し、1,766百万円となりました。
なお、売上高経常利益率は5.9%(前期比3.1ポイント増)、ROA(総資産経常利益率)は4.4%(前期比2.5ポイント増)となりました。
セグメントごとの分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの運転資金及び設備資金を内部資金又は金融機関からの借入により資金調達することとしています。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入金での調達を基本としております。また、当社グループではキャッシュ・マネジメントシステム(CMS)を導入し、グループ内資金を集中管理することにより資金効率向上及び有利子負債の圧縮に努めております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,011百万円となり、前連結会計年度に比べ1,193百万円減少しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載の通りであります。
