【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ193億6千2百万円増加の3,393億7千6百万円、負債合計は、前連結会計年度末に比べ52億7千6百万円増加の1,448億2千4百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ140億8千5百万円増加の1,945億5千1百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高2,904億1千6百万円(前年同期比24.3%増)、営業利益73億3千万円(同7.0%増)、経常利益165億1千8百万円(同2.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益100億9百万円(同9.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
プレス関連製品事業は、売上高2,395億5千5百万円(同32.7%増)、セグメント利益(営業利益)34億6千5百万円(同414.5%増)、定温物流関連事業は、売上高405億2千2百万円(同7.3%減)、セグメント利益(営業利益)28億8百万円(同46.7%減)、その他(空調機器部門、電子機器部門)は、売上高103億3千9百万円(同9.8%増)、セグメント利益(営業利益)10億5千7百万円(同16.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は489億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億3千6百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは252億3千4百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは182億5千7百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは95億7千3百万円の減少となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
プレス関連製品事業
236,585
135.5
定温物流関連事業
35,798
90.2
その他
10,347
105.1
合計
282,732
126.1
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
プレス関連製品事業
244,259
127.9
39,677
113.5
定温物流関連事業
42,705
103.9
13,259
119.7
その他
10,023
101.9
1,468
82.3
合計
296,987
122.8
54,405
113.7
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
プレス関連製品事業
239,555
132.7
定温物流関連事業
40,522
92.7
その他
10,339
109.8
合計
290,416
124.3
(注)主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
日産自動車㈱
82,352
35.3
121,575
41.9
本田技研工業㈱
33,523
14.4
54,357
18.7
トヨタ自動車㈱
31,123
13.3
36,363
12.5
(注)上記金額には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客への販売高を集約して記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、低価法による売却用金型等の正味売却価額の見積り、減価償却資産の耐用年数の設定、有価証券の減損、貸倒引当金、退職給付債務、税効果会計等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。その際、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、当該見積りに関する新型コロナウイルス感染症による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (追加情報)」を参照下さい。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
イ.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ193億6千2百万円増加の3,393億7千6百万円となりました。流動資産は、主に受取手形及び売掛金の増加により、前連結会計年度末に比べ141億7千9百万円増加の1,475億9千8百万円となりました。固定資産は、主に繰延税金資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ51億8千2百万円増加の1,917億7千7百万円となりました。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ52億7千6百万円増加の1,448億2千4百万円となりました。流動負債は、主に支払手形及び買掛金の増加により、1,003億1千8百万円となりました。固定負債では、主に長期借入金の減少により、445億5百万円となりました。
(純資産合計)
主に利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ140億8千5百万円増加の1,945億5千1百万円となりました。
ロ.経営成績
(売上高と営業利益)
主にプレス関連製品事業において、半導体不足の影響を受けたものの、国内や北米において、前期より物量が増加したことにより、売上高・営業利益ともに前期を上回りました。
この結果、当社グループの業績は、売上高2,904億1千6百万円、前年同期比568億1千5百万円の増収(24.3%増)となりました。
営業利益は、73億3千万円、前年同期比4億7千7百万円の増益(7.0%増)となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、為替差益77億5千6百万円、受取利息4億7千2百万円の計上などにより、91億8千7百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ、9億7千2百万円の減益となりました。これは、主に前連結会計年度より為替差益が12億6千6百万円減少したことなどによります。
この結果、経常利益は、165億1千8百万円、前年同期比4億9千4百万円の減益(2.9%減)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、主に固定資産除却損12億1千万円の計上などにより、10億1千4百万円の損失となり、前連結会計年度に比べ、16億1千1百万円の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比9億8千9百万円の減益(9.0%減)となり、100億9百万円となりました。
ハ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は489億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億3千6百万円減少しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、252億3千4百万円の増加となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益155億4百万円、減価償却費272億6千4百万円です。主な減少要因は、売上債権の増加125億7千4百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、182億5千7百万円の減少となりました。主な増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入3億1千3百万円です。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出172億3千1百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、95億7千3百万円の減少となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入79億円です。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出152億3千7百万円です。
ニ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、鋼材をはじめとした素材価格の高騰に対しては、生産活動に支障をきたさぬよう、安定供給の確保を第一に、そして価格面の影響も最小限にすべく対策を講じてきております。しかし、これは、短期的に収束が期待できない重要な課題であると認識しております。
また、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、諸所の課題を認識しており、体制の構築等に取り組んでおります。
ホ.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要となっております。
運転資金需要は生産活動に必要な材料及び部品の仕入、製造費、また販売費及び一般管理費等の営業費用等であります。設備資金需要は工場建設費用、機械装置及び金型等の投資等によるものであります。
(財務政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては内部資金の充当を基本としております。不足となった場合は、運転資金は短期借入金、設備資金は長期借入金及び社債の発行により資金調達しております。
設備資金の調達は、国内・海外子会社を含めたグループ全体の長期的な投資計画に基づき、当社で調達計画を作成し、一元管理しております。
ヘ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、「売上」「営業利益率」、「自己資本比率」等を使用しております。
ト.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(プレス関連製品事業)
プレス関連製品事業におきましては、半導体不足の影響を受けたものの、国内や北米において、前期より物量が増加しました。これによりプレス関連製品事業全体での売上高は、為替影響による増収効果も含め、2,395億5千5百万円、前期比590億8千5百万円の増収(32.7%増)となりました。利益面では、半導体不足や中国における新型コロナウイルス感染再拡大、北米における人手不足による製造費用の増加などの影響を受けたものの、プレス関連製品事業全体では物量の増加により、セグメント利益(営業利益)は、34億6千5百万円、前期比27億9千1百万円の増益(414.5%増)となりました。
セグメント資産は、主に現金及び預金や受取手形及び売掛金の増加により、前連結会計年度末に比べ174億7千6百万円増加の2,877億3千7百万円となりました。
(定温物流関連事業)
定温物流関連事業におきましては、サービス部門において、修理等による売上が前期を上回ったものの、冷凍車部門の売上は部材不足や主要取引先企業におけるシャーシ出荷停止の影響により前期を大きく下回りました。その結果、定温物流関連事業全体での売上高は、405億2千2百万円、前期比31億9千6百万円の減収(7.3%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は、材料価格高騰などの影響により、28億8百万円、前期比24億6千5百万円の減益(46.7%減)となりました。
セグメント資産は、主に建物及び構築物などの有形固定資産や投資有価証券の増加により、前連結会計年度末に比べ12億9千9百万円増加の395億7千6百万円となりました。
(その他)
空調機器部門におきましては、住宅用換気システムにおいて、高付加価値製品へと切り替えが進んだことや、材料価格高騰について、価格転嫁に一定の理解を得ることができたことにより、売上・営業利益ともに前期を上回りました。また、電子機器部門におきましては、キーボード「REALFORCE」やタッチパネル応用製品の販売が引き続き好調であったことにより、売上は前期を上回りました。その結果、その他の事業全体での売上高は、103億3千9百万円、前期比9億2千6百万円の増収(9.8%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は、10億5千7百万円、前期比1億5千1百万円の増益(16.7%増)となりました。
セグメント資産は、主に投資有価証券の増加により前連結会計年度末に比べ5億8千6百万円増加の120億6千2百万円となりました。