【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症と経済活動の両立が進むもとで、徐々に正常化に向かい、個人消費の回復が期待されております。しかしながら、日米金融政策等の影響による急激な円安進行や、物価上昇による消費者心理の悪化に対する懸念が高まっており、内外経済の動向には引き続き注視する必要があります。家具・インテリア業界におきましては、原材料価格及び物流コストの上昇並びに業態を超えた販売競争の激化等により引き続き厳しい経営環境が続いております。一方、当社の属する雑貨、家具、インテリアのBtoC-EC市場規模は2021年に2兆2,752億円となり、前期比で6.7%増と堅調に拡大しました(出典:令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)_2022年8月経済産業省)。家具・インテリア業界におけるEC利用率は、他業界よりも低位にとどまっていることから、更なるEC化の進展余地があり、市場拡大を見込んでおります。このような事業環境の下、当社の家具Eコマース事業におきましては、LOWYA(ロウヤ)旗艦店(自社サイト)及び大手ECモール内店舗の両販売チャネルを通じた流通拡大に取り組んでおります。成長の柱として位置付けているLOWYA旗艦店においては、SEO・Web広告からの新規アクセス流入、SNS強化による認知度向上及びモバイルアプリのダウンロードを通じた会員化の促進に取り組みました。品揃えの面では、従前より取り組んでいる自社プライベートブランドにおけるヒット商品の開発、高利益率商品の開発を継続するとともに、LOWYA旗艦店における取り扱いカテゴリ及び商品数の拡充を企図して開始した他社ブランド商品の取り扱いについても、アクセス及び受注に寄与しております。外部環境が急速に変化する中でも、従前より取り組んでいる在庫適正化や適正配送による在庫圧縮、配送費削減の取り組みを継続するとともに、物流拠点の統合や東京支社の移転等による販売管理費の削減を行いました。また、創業以来ネット専業で事業を行ってまいりましたが、新たに、これまで培ってきた集客力、商品デザイン力及び価格優位性といった強みを活かしつつ、ネットとリアルを融合した事業体制を構築する方針を打ち出し、2022年9月よりイオンリテール株式会社向けに家具の卸売り販売を開始するとともに、実店舗を2023年4月に開業いたしました。損益面におきましては、緊急事態宣言が発出され巣篭りによる需要増があった前年度からの反動及び円安進行による原価率上昇の影響を受けたものの、販売管理費削減の効果もあり利益改善を実現できました。新規事業として取り組んでいる越境ECプラットフォーム事業(DOKODEMO)は、前年度に引き続きインバウンド消費の代替としての越境ECに対する需要増加に加えて、円安進行が日本製品の割安感を高め需要を後押しする中で、需要をとらえた出店者の品揃え充実支援やマーケティング施策を実施したことで、アクセス数及び会員数がともに順調に推移し、当事業年度の流通総額は前期比36.2%増加と高い成長率となりました。流通総額拡大とコストコントロールにより、将来の黒字転換に向けて、赤字幅は順調に縮小しております。以上の取り組みの結果、当社における当事業年度の業績は、売上高は16,973百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は338百万円(同43.2%減)、経常利益は364百万円(同41.3%減)、当期純利益は120百万円(同68.5%減)となりました。
当事業年度末における財政状態は以下のとおりであります。当事業年度末における総資産は、7,151百万円(前事業年度末8,020百万円)となり、869百万円減少いたしました。流動資産は5,956百万円(前事業年度末6,676百万円)となり、720百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が821百万円増加し、商品が1,171百万円、未収消費税等が168百万円減少したことによるものであります。また、固定資産は1,195百万円(前事業年度末1,344百万円)となり、149百万円減少いたしました。これは主に、投資有価証券が113百万円減少したことによるものであります。負債は、1,847百万円(前事業年度末2,751百万円)となり、904百万円減少いたしました。流動負債は1,796百万円(前事業年度末2,701百万円)となり、905百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金を1,000百万円返済したことによるものであります。また、固定負債は51百万円(前事業年度末50百万円)となり、0百万円増加いたしました。純資産は、5,304百万円(前事業年度末5,269百万円)となり、34百万円増加いたしました。
② キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動により2,043百万円の収入、投資活動により179百万円の支出、財務活動により1,099百万円の支出となった結果、前事業年度に比べ765百万円増加し、当事業年度末には2,000百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における営業活動の結果として増加した資金は、2,043百万円(前事業年度は1,915百万円の資金減少)となりました。これは主に、在庫適正化に伴う棚卸資産の減少1,171百万円により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における投資活動の結果として減少した資金は、179百万円(前事業年度は229百万円の資金減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出129百万円により資金が減少いたしました。
この結果、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は1,864百万円のプラス(前事業年度は2,145百万円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における財務活動の結果として減少した資金は、1,099百万円(前事業年度は258百万円の資金増加)となりました。これは主に、短期借入金の返済1,000百万円により資金が減少いたしました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績及び受注実績当社の取引形態は、一般的な製造等における「生産」活動は行っておらず、また、当社は見込み生産を行っているため、記載しておりません。
(b) 仕入実績当事業年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高(千円)
前期比(%)
Eコマース事業
7,327,304
△18.0
合計
7,327,304
△18.0
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
(c) 販売実績当事業年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前期比(%)
Eコマース事業
リビング・ダイニング家具
14,203,458
△9.3
ベッド・寝具
1,229,077
+11.7
その他
1,540,887
-
合計
16,973,424
+0.8
(注) 1.当社の主な販売先は不特定多数の一般消費者であり、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。2.Eコマース事業の「リビング・ダイニング家具」にはソファ・チェア・デスク等、「ベッド・寝具」にはベット・寝具・マットレス等、「その他」には、その他の家具・インテリア売上等が含まれております。3.その他の前期比は1,000%を超えるため「-」と記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績の分析(売上高)当事業年度における売上高は16,973百万円(前年同期比0.8%増)となりました。当事業年度は、LOWYA(ロウヤ)旗艦店を中心に集客を強化し、SEO・Web広告からの新規アクセス流入、SNS強化による認知度向上及びモバイルアプリのダウンロードを通じた会員化の促進に取り組みました。これらの取り組みの結果、当事業年度において全体の売上高に占めるLOWYA旗艦店の割合は47.2%となりました。今後も引き続き、LOWYA旗艦店強化及びブランド作りに注力し、売上高の更なる成長と利益獲得に努めてまいります。
(営業利益)当事業年度における営業利益は338百万円(前年同期比43.2%減)となりました。当事業年度は、海上コンテナ輸送運賃及び原材料価格の上昇並びに円安進行の影響を受け、原価率が上昇いたしました。他方、物流の取り組みとして、配送費の上昇に対応するため、保管効率の向上、在庫量の適正化、在庫の適正配置、商品構成の見直し等の物流コスト削減施策に継続的に取り組んでおりますが、当事業年度においても引き続きコスト削減に努めたことで、配送費率はより一層改善されております。 引き続き、商品構成の見直しや高利益率商品の開発による利益改善に取り組みながら、旗艦店強化のための広告宣伝費投下や、システム投資による物流の効率化を実現し、物流コストの抑制を図ってまいります。(経常利益)当事業年度における経常利益は364百万円(前年同期比41.3%減)となりました。当事業年度の主な要因は、営業利益と同様であります。(当期純利益)当事業年度における当期純利益は120百万円(前年同期比68.5%減)となりました。当事業年度の主な要因は、投資有価証券評価損を120百万円計上したことによるものであります。
(b) 財政状態の分析財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度の運転資金及び資本的支出は、自己資金及び借入金により賄いました。詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、物流コスト及び人件費であり、所要資金につきましては、自己資金及び借入金を充当する予定であります。
また、翌事業年度において重要な資本的支出は予定しておりませんが、設備投資等の所要資金につきましても、自己資金及び借入金を充当する予定であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、この財務諸表の作成に当たっては、合理的判断に基づき一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映しております。また、これらの見積りについては将来事象の結果に特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。なお、当社の採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
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