【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の緩和に伴い社会経済活動
の正常化が進んだものの、資源価格の高騰や物価の上昇等により先行きは依然不透明な状況が続きました。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、事業基盤の整備・拡充、ならびに事業領域における競争
力強化、収益性の向上に注力し、積極的に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,144百万円(前連結会計年度比60.6%増)、営業損失は794百万円
(前連結会計年度 営業損失462百万円)、経常損失は862百万円(前連結会計年度 経常損失418百万円)とな
り、減損損失205百万円及び関係会社出資金売却損107百万円を計上したこと等により、税金等調整前当期純損失
は1,166百万円(前連結会計年度 税金等調整前当期純損失65百万円)となりました。また、法人税等調整額108
百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は1,059百万円(前連結会計年度 親会社株主
に帰属する当期純損失77百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(メディカル事業)
当連結会計年度におけるメディカル事業は、医療機器として認可を受けたセルーション遠心分離器と高度管理
医療機器クラスⅢとして認可を受けたセルセラピーキットを国内の医療機関や大学病院他へ積極的に販売してま
いりました。しかしながら、アライアンス先の選定及び細胞治療サービスの提供開始が当初想定より遅れている
こと等により、当連結会計年度のメディカル事業の売上高は237百万円(前連結会計年度比7.4%減)にとどまり
ました。
営業損益につきましては、国内の治験に係る費用が嵩み、営業損失は403百万円(前連結会計年度 営業損失
157百万円)となりました。
(リアルアセット事業)
当連結会計年度におけるリアルアセット事業は、ホテル金沢㈱において新型コロナウイルス感染症の影響によ
り低迷していた宿泊・宴会の売上が大幅に回復しました。また、㈱サテライト名古屋の子会社化、匿名組合出資
持分の売却等の結果、当連結会計年度のリアルアセット事業の売上高は1,906百万円(前連結会計年度比76.8%
増)となりました。
営業損益につきましては、子会社化した㈱サテライト名古屋における販管費の負担が大きく、営業損失229百
万円(前連結会計年度 営業損失156百万円)を計上することとなりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期より引き続
き、新型コロナウイルス感染症後の経営立て直しのための設備投資の強化により、前連結会計年度末に比べ28百
万円減少し、当連結会計年度末には673百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、減少した資金は39百万円(前連結会計年度は187百万円の減少)と
なりました。これは主に、税金等調整前当期純損失及び利息の支払によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、減少した資金は283百万円(前連結会計年度は216百万円の減少)と
なりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が定期預金の預入による支出及
び有形固定資産の取得による支出を下回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、増加した資金は294百万円(前連結会計年度は35百万円の増加)となりました。これは主に短期借入れによる収入及び長期借入れによる収入等が、長期借入金の返済を上回ったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
生産及び受注の実績については、該当事項はありません。また販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、2,144百万円(前連結会計年度比60.6%増)となりました。これは主に、ホテル運営の収入、不動産賃貸及び販売、医療機器の販売によるものであります。
b.売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の売上原価は、875百万円(前連結会計年度比83.8%増)となりました。これは主に、売却した営業投資有価証券と販売用不動産の原価によるものであります。販売費及び一般管理費は、2,063百万円(前連結会計年度比56.1%増)となりました。これは主に、人件費、研究開発費、ホテル運営経費及び減価償却費であります。
この結果、営業損失は794百万円(前連結会計年度 営業損失462百万円)となりました。
c.営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、86百万円(前連結会計年度比39.2%減)となりました。これは主に新型コロナウイルス感染症による助成金収入であります。営業外費用は、154百万円(前連結会計年度比57.0%増)となりました。これは主に金融機関からの借入れによる支払利息の計上によるものであります。
この結果、経常損失は862百万円(前連結会計年度 経常損失418百万円)となりました。
d.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別損失は、315百万円(前連結会計年度 3百万円)となりました。これは主に固定資産の減損損失及び関係会社出資金売却損の計上によるものであります。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,059百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純損失77百万円)となりました。
(財政状態)
a.資産
当連結会計年度末における流動資産は1,388百万円となり、前連結会計年度末より1,640百万円減少いたしました。これは主に、連結除外となった子会社の販売用不動産の減少及び営業投資有価証券の売却によるものであります。固定資産は12,703百万円となり、前連結会計年度末より274百万円減少いたしました。
この結果、総資産は14,091百万円となり、前連結会計年度末より1,915百万円減少いたしました。
b.負債
当連結会計年度末における流動負債は1,173百万円となり、前連結会計年度末より178百万円増加いたしました。これは主に、短期の運転資金の借入の増加によるものであります。
固定負債は10,261百万円となり、前連結会計年度末より1,033百万円減少いたしました。これは主に連結除外となった子会社の長期借入金の減少によるものであります。 この結果、負債合計は11,434百万円となり、前連結会計年度末より855百万円減少いたしました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(セグメントごとの財政状態及び経営成績)
a.メディカル事業
当連結会計年度におけるメディカル事業のセグメント資産は454百万円となり、前連結会計年度末に比べ73百万円減少いたしました。
b.リアルアセット事業
当連結会計年度におけるリアルアセット事業のセグメント資産は13,002百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,168百万円減少いたしました。これは主に、連結除外となった子会社の販売用不動産の減少及び営業投資有価証券の売却による減少であります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態及び経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当社グループは当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症後の経営立て直しのためのホテル事業への設備投資の強化や公営事業の運転資金確保のため、金融機関等からの長短資金の調達により手許資金の確保に努めた結果、手許資金は28百万円の減少となりました。
(資本の財源及び流動性)
主な資金需要は、メディカル事業への設備投資資金及びホテル事業の運転資金であります。それらの財源については、自己資本、金融機関等から調達した有利子負債の他、既存事業の営業資産の売却収入を財源に充当しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の規準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであり、合理的な基準に基づき実施しております。
なお、当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、以下のとおりであります。
2020年3月
2021年3月
2022年3月
2023年3月
連結売上高
1,180,408千円
1,388,292千円
1,335,578千円
2,144,712千円
連結営業損失
△129,159千円
△731,671千円
△462,323千円
△794,359千円
自己資本比率
24.6%
22.3%
21.9%
17.3%
ROE(連結)
8.6%
△23.3%
△2.3%
△35.6%
連結配当性向
21.0%
-%
-%
-%
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