【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期累計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)における国内の電子工業は、新型コロナウイルス感染症による行動制限等は緩和され、国内の経済活動が回復したことにより、生産動向に持ち直しの動きが見られております。一方で、電子部品の需給逼迫による供給網の混乱は解消されず、産業機器の生産に影響を及ぼしております。
また、中国のゼロコロナ政策による供給不安、ウクライナ情勢の長期化による資源価格の高騰、さらには急激な円安で大幅な為替変動が生じたことによる、国内の景気動向への影響が懸念され、依然として経済の見通しは不透明であります。
このような経済環境の中、当社では、当事業年度から2030年度に渡る「長期ビジョンに基づく中期経営計画」をスタートさせました。当期から3ヶ年の第1次中期計画は「飛躍に向けての基盤整備」をテーマとしており、既存のEコマース事業、EMS事業の拡大・強化の足固めから新たな事業創出を図る取り組みを進めております。
プリント基板Eコマース「P板.com」事業では、主力の基板製造サービスが伸長しましたが、部品実装サービスの部材不足による顧客単価の減少により、売上全体としては微増となりました。
売上規模拡大に向けた取り組みの一つである「仕組み(知的資本)×人間(人的資本)」のハイブリッドによる中堅・大手企業顧客層への拡販戦略として、営業事業部門を横断したプロジェクトを発動しました。顧客ニーズの深掘りから得られた情報を元に、横軸での連携を強化し、プリント基板の試作品から量産製造、EMSまでを一気通貫でサポートする体制を構築しました。
世界的な半導体等一部電子部品不足による供給網の混乱により、多くの国内電機電子機器メーカで生産計画に遅れが生じていることは、当社EMS事業の受注計画にも大きく影響しております。しかし、電子部品不足と供給網の混乱については、下半期にかけて徐々に正常化に向かうことが期待されており、来るべき部品の需給改善と生産再開に向けて、顧客との接点強化を継続して進めております。
新規事業を創出する取り組みとしては、次世代の優れた技術を持つハードウェアスタートアップ企業との協同による、ワイヤレス給電導入サービス、触覚センサ導入サービスをリリースしました。有望ハードウェアスタートアップ企業を支援する投資ファンドへ参画したことをきっかけに、革新技術を生み出す企業との価値創造の機会が増加しました。今後も顧客に有益となる技術サービスの提供や、GUGENプラットフォームによるモノづくりのマッチアップを通じ、競合との差別化を図ります。
潜在顧客開拓の活動は、Google等検索エンジンへのインターネット広告(リスティング広告)による新規ユーザー獲得を中心に、技術者向けのオンラインセミナーからのユーザー獲得にも力を入れております。当四半期においては、自社のハードエンジニアによるEMSに連動した製品開発のノウハウに関するセミナーを開催し、多くの反響と、新規ユーザー登録の誘導を図ることができました。その結果、累計ユーザー登録数は前期末66,238名から、68,183名(前期末比2.9%増)となりました。
以上の結果、当第2四半期累計期間の売上高は947,326千円(前年同期比1.5%増)、販売費及び一般管理費は241,287千円(前年同期比7.8%増)、営業利益は74,680千円(前年同期比23.8%減)、経常利益は71,727千円(前年同期比27.6%減)、四半期純利益は49,384千円(前年同期比27.8%減)となりました。
当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
① 資産、負債及び純資産の状況
(資産の部)
当第2四半期会計期間末における総資産は1,558,732千円となり、前事業年度末と比較して49,351千円の減少となりました。主な要因は、商品が27,624千円、自己株式取得のための預託金の支出などによりその他流動資産が119,847千円増加した一方、現金及び預金が186,564千円、売掛金が10,766千円減少したこと等によります。
(負債の部)
当第2四半期会計期間末における負債合計は273,997千円となり、前事業年度末と比較して33,163千円の減少となりました。主な要因は、買掛金が17,774千円、未払法人税等が10,386千円減少したこと等によります。
(純資産の部)
当第2四半期会計期間末における純資産合計は1,284,735千円となり、前事業年度末と比較して16,188千円の減少となりました。主な要因は、四半期純利益を計上したことにより利益剰余金が49,384千円増加、配当金の支払により利益剰余金が38,733千円減少したことに加え、自己株式が21,729千円増加したこと等によります。
② キャッシュ・フローの状況
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ186,564千円減少し、966,478千円となりました。キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間における営業活動による資金の増加は11,618千円(前第2四半期累計期間は148,333千円の増加)となりました。これは、税引前四半期純利益71,727千円の計上、減価償却費9,470千円の計上、引当金の増加11,607千円、売上債権の減少9,092千円、棚卸資産の増加△27,624千円、仕入債務の減少△17,774千円、未払金の減少△15,209千円、法人税等の支払額△28,969千円等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間における投資活動による資金の減少は9,324千円(前第2四半期累計期間は15,225千円の減少)となりました。これは、無形固定資産の取得による支出△8,862千円等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間における財務活動による資金の減少は188,868千円(前第2四半期累計期間は34,294千円の減少)となりました。これは、自己株式の取得による支出△32,783千円、自己株式取得のための預託金の増加△117,380千円、配当金の支払額△38,704千円によります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
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