【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間における事業環境は、新型コロナウイルス感染症の影響緩和に伴う経済社会活動の正常化により、景気持ち直しの動きが継続しましたが、ウクライナ情勢等に起因する、欧州を中心とした原燃料価格高騰による景気の下振れや、中国における経済活動抑制の影響が懸念されております。日本経済においても、経済社会活動の正常化が進み、景気持ち直しの動きが継続したものの、一方で、原燃料価格の上昇、円安の進行等に伴う景気の下振れが懸念されております。
このような情勢のもとで、当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。
なお、当社は経営指標の一つとしてコア営業利益を採用しております。コア営業利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益(非経常項目)を除いて算出しております。
また、当社は前連結会計年度末において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前第2四半期連結累計期間及び前第2四半期連結会計期間の要約四半期連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額に遡及修正しております。
売上収益は、前年同四半期連結累計期間に比べ2,076億円増(27.9%増)の9,511億円となりました。これは、ナフサなどの原燃料価格の上昇に伴う販売価格上昇などによるものです。
コア営業利益は、前年同四半期連結累計期間に比べ167億円減(17.7%減)の776億円となりました。これは、ビスフェノールA等の海外市況の下落等や、固定費他の増加があったことなどによるものです。
営業利益は、コア営業利益の減少に伴い、前年同四半期連結累計期間に比べ241億円減(24.9%減)の725億円となりました。
金融収益・費用は、前年同四半期連結累計期間に比べ4億円改善の18億円の損失となりました。
以上により、税引前四半期利益は、前年同四半期連結累計期間に比べ237億円減(25.2%減)の707億円となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同四半期連結累計期間に比べ316億円減(41.6%減)の444億円となり、基本的1株当たり四半期利益は229.46円となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりであります。
なお、当社は長期経営計画「VISION2030」の実現に向け、事業ポートフォリオの改定及び、それに伴う報告セグメントの見直しを行っております。詳細は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5.セグメント情報」及び、2021年11月25日リリースの「2022年4月全社組織改正について(注)」をご参照ください。
(注)https://jp.mitsuichemicals.com/sites/default/files/media/document/2021/211125.pdf
また、前年同四半期連結累計期間のセグメントにつきましても、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
(ライフ&ヘルスケア・ソリューション)
当セグメントの売上収益は、前年同四半期連結累計期間に比べ193億円増の1,221億円、売上収益全体に占める割合は13%となりました。また、コア営業利益は、主にビジョンケア材料と農業化学品の販売が堅調に推移したことにより、前年同四半期連結累計期間に比べ21億円増の138億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・増益となりました。
ビジョンケア材料のメガネレンズ用材料は、需要の拡大に的確に対応し、販売が堅調に推移しました。
オーラルケア材料は、販売が前年同四半期連結累計期間並で推移しました。
農業化学品は、海外の販売が堅調に推移しました。
(モビリティソリューション)
当セグメントの売上収益は、前年同四半期連結累計期間に比べ560億円増の2,554億円、売上収益全体に占める割合は27%となりました。また、コア営業利益は、主に価格改定及び為替差により交易条件が改善したことにより、前年同四半期連結累計期間に比べ71億円増の234億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・増益となりました。
エラストマーは、価格改定及び為替差により交易条件が改善しました。
機能性コンパウンド及びPPコンパウンド事業は、自動車生産台数の回復に伴い販売が増加しました。また、価格改定及び為替差により交易条件が改善しました。
ソリューション事業は、試作・開発案件の延期等が長期化し、販売は前年同四半期連結累計期間並で推移しました。
(ICTソリューション)
当セグメントの売上収益は、前年同四半期連結累計期間に比べ165億円増の1,182億円、売上収益全体に占める割合は12%となりました。一方、コア営業利益は、為替差等により交易条件が改善したものの、主に半導体需要鈍化の影響により、前年同四半期連結累計期間に比べ17億円減の150億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・減益となりました。
半導体・光学材料及びコーティング・機能材は、為替差等により交易条件が改善しました。
産業用フィルムは、主に半導体需要鈍化の影響により販売が減少した一方、為替差等により交易条件が改善しました。
(ベーシック&グリーン・マテリアルズ)
当セグメントの売上収益は、前年同四半期連結累計期間に比べ1,138億円増の4,483億円、売上収益全体に占める割合は47%となりました。一方、コア営業利益は、ビスフェノールA等の海外市況の下落等により、前年同四半期連結累計期間に比べ223億円減の273億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・減益となりました。
ナフサクラッカーの稼働率は、川下製品の需要減退の影響を受け、前年同四半期連結累計期間に比べ低下しました。また、ポリエチレン及びポリプロピレンの販売は、需要鈍化の影響を受けました。
(その他)
当セグメントの売上収益は、前年同四半期連結累計期間に比べ20億円増の71億円、売上収益全体に占める割合は1%となりました。一方、コア営業損益は、前年同四半期連結累計期間に比べ16億円悪化の14億円の損失となりました。
②財政状態
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,452億円増の2兆802億円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ788億円増の1兆2,067億円となりました。また、有利子負債は581億円増の7,732億円となりました。この結果、資産合計に対する有利子負債の比率は前連結会計年度末に比べ0.2ポイント増の37.2%となりました。
当第2四半期連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ664億円増の8,735億円となり、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ0.5ポイント増の37.3%となりました。
以上により、当第2四半期連結会計期間末のネットD/Eレシオ(ネット有利子負債(有利子負債-現預金・長期性預金)/親会社の所有者に帰属する持分)は、前連結会計年度末に比べ0.02ポイント減の0.73となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ271億円増加し、当第2四半期連結会計期間末には2,083億円となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によって得られた資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ407億円減の219億円となりました。これは主に、運転資本が増加したことなどによるものです。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によって使用された資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ255億円減の140億円となりました。これは主に、投資有価証券の有償減資による収入があったことなどによるものです。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によって得られた資金は、55億円(前年同四半期連結累計期間は234億円の支出)となりました。これは主に、有利子負債の借入額が増加したことなどによるものです。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は205億円であります。なお、当第2四半期連結累計期間における当社グループの主要研究課題に重要な変更はありません。
(4)主要な設備
前連結会計年度末における当連結会計年度1年間の設備投資計画(新設・増設等)は1,800億円ですが、当第2四半期連結会計期間末における変更はありません。
また、セグメント毎の設備投資計画についても変更はありません。