【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。(1)財政状態及び経営成績の状況①経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、全体としては緩やかな回復基調にあり、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果から、今後も回復傾向が続くことが期待されますが、世界的な金融引き締めや中国経済の先行き懸念など、景気の下振れリスクが点在しております。このような状況下、当社グループは「デジタル一番星」、「お客様感動No.1」を常に追求し、その実現のため「楽しく選びやすい売場」及び「お客様の立場に立った接客」を常に心がけ、コンサルティングセールスのレベルアップやお客様のニーズに合ったサービスの充実に取り組んでまいりました。グループの体制については、7月1日に、海外子会社であるNojima APAC Limitedが、Thunder Match Technology Sdn. Bhd.(以下TMT)を子会社化いたしました。マレーシアにおける情報通信商品の販売に強みを持つTMTのノウハウを生かし、海外事業においても更なる発展ができるよう尽力してまいります。これらの結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は358,065百万円(前年同四半期比131.5%)、営業利益は13,511百万円(前年同四半期比77.6%)、経常利益は14,675百万円(前年同四半期比77.0%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9,198百万円(前年同四半期比72.1%)となりました。また、当社グループの経営指標として重要視しておりますEBITDA(※)は、26,486百万円(前年同四半期比94.9%)となりました。(※)EBITDA=経常利益+支払利息+社債利息+減価償却費+のれん償却額-持分法による投資損益
セグメント別の状況は以下のとおりであります。なお、前連結会計年度において株式会社マネースクエアHD及びその子会社である他2社を連結の範囲に含めたことに伴い、従来の報告セグメントに「金融事業」を追加しております。(デジタル家電専門店運営事業)7月から9月にかけて長期にわたって猛暑が続いた結果、エアコンを中心とした大型家電の需要が高まりました。かながわPayをはじめとする各種地域振興施策も追い風となり、家電小売業界の売上は堅調に推移しました。このような状況下、人材への投資と店舗への投資を継続いたしました。『省エネコンサルタント』制度の取組によりお客様の省エネニーズにお応えしたコンサルティングを行いつつ、携帯電話につきましても『通信費コンサルタント』制度の取組を行い、全てのキャリアやプランから最適なご案内ができる従業員の育成を進めてまいりました。店舗につきましては、既存店の改装を行い、より多くのお客様に喜ばれご来店いただける店舗づくりを進めてまいりました。商品別には、エアコンのほか、省エネ性能の高いドラム式洗濯機や大型冷蔵庫等の販売が好調に推移しました。これらの結果、売上高は130,666百万円(前年同四半期比102.2%)、経常利益は8,814百万円(前年同四半期比76.9%)となりました。
(キャリアショップ運営事業)各通信事業者によりキャリアショップの店舗数を大幅に減らす方針が示され、代理店はこれまで以上に質の高い店舗運営が求められております。携帯端末価格の値上がりによる買い替えサイクルの長期化や、オンライン化の加速もあり、市場を取り巻く環境は一層厳しいものとなることが予想されます。このような状況下、安心・安全につながるセキュリティ関連サービスなど独自サービスをはじめ、お客様のニーズに合わせたコンサルティングを通じ、お客様に喜ばれる店舗運営を継続してまいりました。また、お客様の利便性を高めるため、お客様に喜ばれる場所への店舗移転や改装を積極的に進めました。コネクシオ株式会社(以下コネクシオ)につきましては、ノジマグループの経営理念の浸透が進み、ノジマ流の店舗運営へのシフトを行ってまいりました。これらの結果、売上高は157,644百万円(前年同四半期比187.2%)、経常利益は1,447百万円(前年同四半期比54.9%)となりました。なお、コネクシオの実績については、キャリアショップ運営事業に含まれており、コネクシオ(連結調整前)の売上高は75,306百万円、経常利益は1,540百万円となります。
(インターネット事業)生活に不可欠なインフラである超高速ブロードバンドサービスの利用が増加する中、グループ店舗において主力となるFTTHサービス「@nifty光」やメールサービス等のご案内をすることで、グループシナジー効果を発揮してまいりました。9月末時点のブロードバンド会員数は129.2万件と、前年同月から12,800件の純増となりました。また、特殊詐欺犯罪防止に向けた取組として、「@nifty光電話」付加サービス「発信元番号表示サービス」及び「ナンバー・リクエスト」の工事費用実質無償化など、お客様が安心してご利用いただくための取組にも注力いたしました。株式会社セシールは、お客様の期待を超える商品・サービス作りを進めてまいりましたが、売上及び利益については苦戦が続きました。これらの結果、売上高は32,852百万円(前年同四半期比97.8%)、経常利益は2,754百万円(前年同四半期比82.3%)となりました。
(海外事業)東南アジア諸国においても物価の上昇が続いているほか、中国経済の減速の影響を受け、経済成長は鈍化傾向にあります。マレーシアにおいてはインフレ率の緩和が進んでいるものの、各国の経済活動においては注視が必要な状態が続いております。このような状況下、当社は、お客様に支持される店舗づくりのため、更なる接客の質の向上に向けた人材育成と、改装など店舗への投資に取り組んでまいりました。これらの結果、売上高は30,538百万円(前年同四半期比127.2%)、経常損失は150百万円(前年同四半期は経常利益925百万円)となりました。
(金融事業)米ドル/円相場は、想定以上に底堅い米国の経済状況を踏まえFRBによる金融引き締めが長期化するとの観測や、米国政府機関の閉鎖懸念から米長期金利が大幅に上昇したことから、ドル高・円安基調となり、1ドル=149円台にて当第2四半期末を迎えました。その他主要国の通貨に対しても、当第2四半期の円は下落基調となりました。このような状況下、FX初心者でも運用しやすい当社独自の運用手法である「トラリピ」のサービス拡充を図るとともに、新規顧客獲得のための各種プロモーションを実施しました。前年度に引き続き、「トラリピ世界戦略」と称し、トラリピが得意とするレンジ相場を形成しやすい「豪ドル/NZドル」「ユーロ/英ポンド」「米ドル/カナダドル」への分散投資の推進を行いました。これにより、預り資産残高は1,245億円に到達しました。これらの結果、売上高は3,146百万円、経常利益は984百万円となりました。
(店舗運営の状況)デジタル家電専門運営事業では、スクラップアンドビルドにより、デジタル家電専門店4店舗を新規出店、3店舗を閉店し215店舗となり、通信専門店1店舗を新規出店、1店舗を閉店し19店舗となりましたので、合わせて234店舗となりました。キャリアショップ運営事業では、直営店・FC店を合わせて、スクラップアンドビルドにより、8店舗を新規出店、28店舗を閉店・譲渡し、984店舗となりました。海外事業では、スクラップアンドビルドにより、1店舗を新規出店、TMTを子会社化し、116店舗となりました。以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における店舗数は、以下のとおりとなりました。運営店舗の状況
区分
直営店
FC店
計
デジタル家電専門店運営事業
234店舗
-
234店舗
デジタル家電専門店
215店舗
-
215店舗
通信専門店
19店舗
-
19店舗
キャリアショップ運営事業
685店舗
299店舗
984店舗
キャリアショップ
638店舗
295店舗
933店舗
その他
47店舗
4店舗
51店舗
海外事業
116店舗
-
116店舗
合計
1,035店舗
299店舗
1,334店舗
②財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ22,397百万円減少して534,505百万円となりました。その主な内訳は、流動資産が19,195百万円減少して334,213百万円に、また固定資産が3,202百万円減少して200,291百万円となりました。流動資産減少の主な要因は、トレーディング商品の増加13,868百万円並びに現金及び預金の増加2,738百万円等があったものの、売掛金の減少19,147百万円、未収入金の減少8,325百万円並びに商品及び製品の減少7,748百万円等によるものであります。固定資産減少の主な要因は、投資有価証券の増加487百万円及びソフトウエアの増加369百万円等があったものの、契約関連無形資産の減少2,671百万円、繰延税金資産の減少671百万円、建物及び構築物(純額)の減少496百万円並びに技術関連無形資産の減少313百万円等によるものであります。(負債)当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ31,299百万円減少して364,546百万円となりました。その主な内訳は、流動負債が2,362百万円減少して288,683百万円に、また固定負債が28,935百万円減少して75,861百万円となりました。流動負債減少の主な要因は、受入保証金の増加11,272百万円及び1年内返済予定の長期借入金の増加4,395百万円等があったものの、未払金の減少11,394百万円並びに支払手形及び買掛金の減少7,323百万円等によるものであります。固定負債減少の主な要因は、契約負債の増加526百万円及び退職給付に係る負債の増加173百万円等があったものの、長期借入金の減少30,036百万円等によるものであります。(純資産)当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、利益剰余金の増加7,720百万円等により、前連結会計年度末に比べ8,902百万円増加して169,958百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.9ポイント向上し、31.0%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、38,495百万円(前年同四半期は47,487百万円)となりました。各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は、39,595百万円(前年同四半期比218.5%)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益15,039百万円に対して、増加要因として売上債権の減少額20,348百万円及び受入保証金の増加額11,272百万円等があったものの、減少要因としてトレーディング商品(資産)の増加額13,868百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果減少した資金は、9,773百万円(前年同四半期比161.0%)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入271百万円等があったものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出7,768百万円及び新規出店に伴う有形固定資産の取得による支出1,536百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した資金は、27,937百万円(前年同四半期比170.8%)となりました。これは主に、長期借入れによる収入11,725百万円及び自己株式の売却による収入509百万円等があったものの、長期借入金の返済による支出37,456百万円及びリース債務の返済による支出2,142百万円等によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題の重要な変更及び新たに発生した課題はありません。
(5)研究開発活動該当事項はありません。
(6)従業員数当第2四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(7)主要な設備当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画に著しい変更はありません。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析①資金需要当社グループの資金需要のうち主なものは、仕入債務の支払いによる運転資金及び新規出店のための設備投資資金であります。 ②借入債務2023年9月末現在の借入債務の概要は次のとおりであります。
区分
合計(百万円)
年度別要支払額
1年以内(百万円)
1年超2年以内(百万円)
2年超3年以内(百万円)
3年超4年以内(百万円)
4年超(百万円)
短期借入金
3,330
3,330
―
―
―
―
1年内返済予定の長期借入金
23,474
23,474
―
―
―
―
長期借入金(1年内返済予定のものを除く)
12,216
―
4,363
3,338
2,967
1,547
③財務政策当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入金により資金調達することとしております。また、当社グループは、運転資金の機動的かつ安定的な調達を可能にするため、主要取引金融機関と総額90,264百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しております。