【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。(1)財政状態及び経営成績の状況①経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、全体としては緩やかな回復基調にあり、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果から、今後も回復傾向が続くことが期待されます。一方で個人消費は、消費者物価の上昇や、行動制限解除によるモノからコトへの消費行動の変化等に注意が必要な状況にあります。このような状況下、当社グループは「デジタル一番星」、「お客様感動No.1」を常に追求し、その実現のため「選びやすい売場」及び「お客様の立場に立った接客」を常に心がけ、コンサルティングセールスのレベルアップやお客様のニーズに合ったサービスの充実に取り組んでまいりました。これらの結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は171,710百万円(前年同四半期比126.6%)、営業利益は5,268百万円(前年同四半期比64.2%)、経常利益は5,824百万円(前年同四半期比63.2%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,345百万円(前年同四半期比54.6%)となりました。また、当社グループの経営指標として重要視しておりますEBITDA(※)は、11,570百万円(前年同四半期比84.6%)となりました。(※)EBITDA=経常利益+支払利息+社債利息+減価償却費+のれん償却額-持分法による投資損益
セグメント別の状況は以下のとおりであります。なお、前連結会計年度において株式会社マネースクエアHD及びその子会社である他2社を連結の範囲に含めたことに伴い、従来の報告セグメントに「金融事業」を追加しております。(デジタル家電専門店運営事業)消費者物価の上昇に加え、新型コロナウイルス感染症が5類となったことから、モノへの消費からコトへの消費が増加した影響もあり、家電小売業界の売上は低調に推移しました。このような状況下、人材への投資と店舗への投資を継続いたしました。『省エネコンサルタント』制度の取組によりお客様の省エネニーズにお応えしたコンサルティングを行いつつ、携帯電話につきましても『通信費コンサルタント』制度の取組を行い、全てのキャリアやプランから最適なご案内ができる従業員の育成を進めてまいりました。店舗につきましては、スクラップアンドビルドを行い、より多くのお客様に喜ばれご来店いただける店舗づくりを進めてまいりました。商品別には、省エネ性能の高いドラム式洗濯機や大型冷蔵庫等の販売が好調に推移しました。これらの結果、売上高は61,965百万円(前年同四半期比100.6%)、経常利益は3,863百万円(前年同四半期比85.2%)となりました。
(キャリアショップ運営事業)各通信事業者によりキャリアショップの店舗数を大幅に減らす方針が示され、これまで以上に質の高い店舗運営が求められる中、携帯端末価格の値上がりによる買い替えサイクルの長期化や、窓口を含めた更なるオンライン化の加速もあり、市場を取り巻く環境は一層厳しいものとなることが予想されます。このような状況下、安心・安全につながるセキュリティ関連サービスなど独自サービスをはじめ、お客様のニーズに合わせたコンサルティングを通じ、お客様に喜ばれる店舗運営を継続してまいりました。また、お客様の利便性を高めるため、お客様に喜ばれる場所への店舗移転や改装を積極的に進めました。これらの結果、売上高は76,138百万円(前年同四半期比176.7%)、経常損失は796百万円(前年同四半期は経常利益1,570百万円)となりました。なお、コネクシオの実績については、キャリアショップ運営事業に含まれており、コネクシオ(連結調整前)の売上高は36,996百万円、経常損失は174百万円となります。
(インターネット事業)生活に不可欠なインフラである超高速ブロードバンドサービスの利用が増加する中、グループ店舗において主力となるFTTHサービス「@nifty光」やメールサービス等のご案内をすることで、グループシナジー効果を発揮してまいりました。また、2023年3月に提供を開始した超高速サービス「@nifty光10ギガ」において「@nifty光電話」の提供を開始し、お客様により喜ばれるサービスの開発に取り組みました。株式会社セシールは、よりお客様に喜ばれる商品ラインナップの実現に向けて、新商品の企画開発を進めてまいりました。これらの結果、売上高は16,985百万円(前年同四半期比96.2%)、経常利益は1,602百万円(前年同四半期比82.6%)となりました。
(海外事業)東南アジア諸国においても、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和されており、個人消費の伸長や労働市場の改善により、経済活動の回復が続いております。インフレ率がピークアウトしている傾向も見られますが、物価の上昇については景気の影響に対して引き続き注視が必要な状況にあります。このような状況下、当社は、お客様に支持される店舗づくりのため、更なる接客の質の向上に向けた人材育成と、改装など店舗への投資に取り組んでまいりました。これらの結果、売上高は13,251百万円(前年同四半期比111.0%)、経常損失は18百万円(前年同四半期は経常利益740百万円)となりました。
(金融事業)米ドル/円相場は、日銀が大規模緩和策を維持したほか、米国の堅調な雇用指標やFRBによる利上げが続くとの見方が強まったことから円安が進み、144円台まで下落して当第1四半期末を迎えました。ユーロ/円相場は、米長期金利の上昇による欧米金利差の拡大もある中で、157円台にて当第1四半期末を迎えました。その他主要国の通貨に対しても、当第1四半期の円は下落基調となりました。このような状況下、FX初心者でも運用しやすい当社独自の運用手法である「トラリピ」のサービス拡充を図るとともに、新規顧客獲得のための各種プロモーションを実施しました。前年度に引き続き、「トラリピ世界戦略」と称し、トラリピが得意とするレンジ相場を形成しやすい「豪ドル/NZドル」「ユーロ/英ポンド」「米ドル/カナダドル」への分散投資の推進を行いました。これにより、預り資産残高は1,228億円に到達し、昨年度から引き続き創業来最高を記録しました。これらの結果、売上高は1,775百万円、経常利益は750百万円となりました。
(店舗運営の状況)デジタル家電専門店運営事業では、スクラップアンドビルドにより、デジタル家電専門店4店舗を新規出店、3店舗を閉店し215店舗となり、通信専門店1店舗を新規出店、1店舗を閉店し19店舗となりましたので、合わせて234店舗となりました。キャリアショップ運営事業では、直営店・FC店を合わせて、スクラップアンドビルドにより、4店舗を新規出店、18店舗を閉店・譲渡し、990店舗となりました。海外事業では、スクラップアンドビルド検討の上、変動なく、66店舗となりました。以上の結果、当第1四半期連結会計期間末における店舗数は、以下のとおりとなりました。運営店舗の状況
区分
直営店
FC店
計
デジタル家電専門店運営事業
234店舗
-
234店舗
デジタル家電専門店
215店舗
-
215店舗
通信専門店
19店舗
-
19店舗
キャリアショップ運営事業
688店舗
302店舗
990店舗
キャリアショップ
639店舗
298店舗
937店舗
その他
49店舗
4店舗
53店舗
海外事業
66店舗
-
66店舗
合計
988店舗
302店舗
1,290店舗
②財政状態の状況当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ27,178百万円減少して528,726百万円となりました。その主な内訳は、流動資産が23,963百万円減少して329,445百万円に、また固定資産が3,215百万円減少して199,280百万円となりました。流動資産減少の主な要因は、トレーディング商品の増加13,451百万円並びに現金及び預金の増加2,059百万円があったものの、売掛金の減少27,325百万円及び未収入金の減少10,748百万円等によるものであります。固定資産減少の主な要因は、ソフトウエアの増加288百万円及び投資有価証券の増加209百万円等があったものの、契約関連無形資産の減少1,335百万円、のれんの減少1,262百万円及び繰延税金資産の減少685百万円等によるものであります。当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ30,302百万円減少して364,546百万円となりました。その主な内訳は、流動負債が19,374百万円減少して271,671百万円に、また固定負債が10,925百万円減少して92,874百万円となりました。流動負債減少の主な要因は、受入保証金の増加9,551百万円及び1年内返済予定の長期借入金の増加5,516百万円があったものの、支払手形及び買掛金の減少19,690百万円並びに未払金の減少12,423百万円等によるものであります。固定負債減少の主な要因は、退職給付に係る負債の増加173百万円及びリース債務の増加112百万円等があったものの、長期借入金の減少11,531百万円及び契約負債の減少423百万円等によるものであります。当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、利益剰余金の増加1,866百万円等により、前連結会計年度末に比べ3,123百万円増加して164,180百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は30.2%(前連結会計年度末は28.2%)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題の重要な変更及び新たに発生した課題はありません。
(4)研究開発活動該当事項はありません。
(5)従業員数第1四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(6)主要な設備当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画に著しい変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析①資金需要当社グループの資金需要のうち主なものは、仕入債務の支払いによる運転資金及び新規出店のための設備投資資金であります。
②借入債務2023年6月末現在の借入債務の概要は次のとおりであります。
区分
合計(百万円)
年度別要支払額
1年以内(百万円)
1年超2年以内(百万円)
2年超3年以内(百万円)
3年超4年以内(百万円)
4年超(百万円)
短期借入金
6,137
6,137
-
-
-
-
1年内返済予定の長期借入金
24,595
24,595
-
-
-
-
長期借入金(1年内返済予定のものを除く)
30,720
-
22,976
3,172
2,743
1,828
③財務政策当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入金により資金調達することとしております。また、当社グループは、運転資金の機動的かつ安定的な調達を可能にするため、主要取引金融機関と総額88,587百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しております。