【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等により、経済活動は正常に向かっている一方、ウクライナ情勢の長期化等によるエネルギー費や原材料価格の高止まり、世界的なインフレによる物価上昇、さらに中国市場での需要減少もあり、依然として先行きが不透明な状態が続いています。
このような状況のもと、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の当第3四半期連結累計期間の業績は、電子材料の売上高は減少したものの、産業用構造材料及びディスプレイ材料の売上が増加したことから、売上高335億43百万円(前年同四半期比2.7%増)となりました。一方、営業利益はエネルギー費や原材料価格の高騰を受けて、21億37百万円(前年同四半期比23.8%減)に留まりました。経常利益は為替差益の計上等により27億5百万円(前年同四半期比14.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は投資有価証券売却益の計上等により26億61百万円(前年同四半期比10.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
a.電子材料分野
電子材料分野では、フレキシブルプリント配線板材料及びプリント基板用ガラスクロス(受注高2.6%増、生産高4.2%減、前年同四半期比較、提出会社単体ベース)の販売が減少したことから、売上高は215億50百万円(前年同四半期比5.6%減)となりました。セグメント利益は、売上高の減少に加えエネルギー費や原材料価格の高騰の影響を受けて12億67百万円(前年同四半期比46.6%減)となりました。
b.産業用構造材料分野
産業用構造材料分野では、水処理用FRP製圧力容器の販売が増加したことから、売上高は66億7百万円(前年同四半期比26.8%増)となりました。セグメント利益は、10億31百万円(前年同四半期比56.4%増)となりました。
c.電気絶縁材料分野
電気絶縁材料分野では、インフラ関連向けの販売が減少したことから、売上高は19億35百万円(前年同四半期比0.7%減)となりました。セグメント利益は、1億23百万円(前年同四半期比48.8%減)となりました。
d.ディスプレイ材料分野
ディスプレイ材料分野では、3D関連材料及びカラーリンク・ジャパン㈱での偏光利用部材の販売が増加したことにより、売上高は32億14百万円(前年同四半期比36.3%増)となりました。セグメント利益は、7億66百万円(前年同四半期比21.7%増)となりました。
e.その他(その他の事業分野)
その他分野では、売上高は2億35百万円(前年同四半期比25.1%減)、セグメント利益は1億19百万円(前年同四半期比9.4%減)となりました。
②財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて13億98百万円増加し、700億87百万円となりました。これは主に、現金及び預金が18億56百万円、商品及び製品が10億93百万円、有形固定資産が25億94百万円それぞれ増加し、有価証券が9億40百万円、投資有価証券が54億1百万円それぞれ減少したこと等によります。負債合計は、前連結会計年度末に比べて18億50百万円増加し、225億73百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が9億42百万円、長期借入金が4億68百万円それぞれ増加したこと等によります。純資産は、前連結会計年度末に比べて4億51百万円減少し、475億14百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が12億66百万円増加し、利益剰余金が3億45百万円、その他有価証券評価差額金が8億23百万円それぞれ減少したことに加え、自己株式を7億6百万円取得したこと等によります。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は14億51百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。