【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等により緩やかな回復基調で推移する一方で、中国ではゼロコロナ政策により経済が停滞し、加えてウクライナ情勢の長期化、急速な円安の進行等により、エネルギー費や原材料価格が高騰するなど、依然として先行きが不透明な状態が続いています。
このような状況のもと、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の当第2四半期連結累計期間の業績は、電子材料の売上が堅調に推移し、産業用構造材料及びディスプレイ材料の売上が増加したことから、売上高229億94百万円(前年同四半期比5.7%増)となりました。一方、営業利益はエネルギー費や原材料価格の高騰を受けて、18億61百万円(前年同四半期比9.1%減)に留まりました。経常利益は為替差益などにより24億8百万円(前年同四半期比5.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は投資有価証券売却益などにより25億63百万円(前年同四半期比46.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.電子材料分野
電子材料分野では、フレキシブルプリント配線板材料(受注高12.2%増、生産高2.0%減、前年同四半期比較、提出会社単体ベース)の販売が堅調に推移したこと等により、売上高は153億84百万円(前年同四半期比0.3%増)となりました。セグメント利益はエネルギー費や原材料価格の高騰の影響を受けて13億60百万円(前年同四半期比26.0%減)となりました。
b.産業用構造材料分野
産業用構造材料分野では、水処理用FRP製圧力容器の販売が増加したこと等により、売上高は40億10百万円(前年同四半期比19.1%増)となりました。セグメント利益は、5億95百万円(前年同四半期比64.3%増)となりました。
c.電気絶縁材料分野
電気絶縁材料分野では、インフラ関連向けの販売が堅調に推移したこと等により、売上高は12億54百万円(前年同四半期比0.8%増)となりました。セグメント利益は、52百万円(前年同四半期比62.0%減)となりました。
d.ディスプレイ材料分野
ディスプレイ材料分野では、3D関連材料及びカラーリンク・ジャパン㈱での偏光利用部材の販売が増加したこと等により、売上高は21億81百万円(前年同四半期比38.8%増)となりました。セグメント利益は、5億74百万円(前年同四半期比56.9%増)となりました。
e.その他(その他の事業分野)
その他分野では、売上高は1億62百万円(前年同四半期比25.5%減)、セグメント利益は90百万円(前年同四半期比5.5%減)となりました。
②財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて21億77百万円増加し、708億66百万円となりました。これは主に、現金及び預金が34億77百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が9億93百万円、原材料及び貯蔵品が12億円それぞれ増加し、有価証券が8億96百万円、投資有価証券が53億80百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べて28億34百万円増加し、235億57百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が17億15百万円、長期借入金が11億64百万円それぞれ増加し、短期借入金が7億24百万円減少したこと等によるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べて6億56百万円減少し、473億8百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が12億85百万円増加し、利益剰余金が4億43百万円、その他有価証券評価差額金が8億19百万円、自己株式の取得による7億6百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前第2四半期連結会計期間末に比べ57億58百万円(前年同四半期比40.1%増)増加して201億10百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は15億59百万円(前年同四半期比45.6%減)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益36億82百万円の計上、仕入債務の増加額14億65百万円による資金の増加と、棚卸資産の増加額18億13百万円、有価証券及び投資有価証券売却益12億49百万円による資金の減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は42億14百万円(前年同四半期比123.1%増)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入67億80百万円の資金獲得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は33億79百万円(前年同四半期比58.5%増)となりました。これは主に、配当金の支払額29億98百万円の資金使用によるものであります。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は9億7百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。