【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,616百万円増加し、31,158百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,586百万円増加し、18,127百万円となりました。主な要因は受取手形及び売掛金の増加1,972百万円、未収入金の増加780百万円、商品の増加572百万円が、現金及び預金の減少371百万円を上回ったことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ30百万円増加し、13,030百万円となりました。主な要因は繰延税金資産の増加18百万円、敷金及び保証金の増加17百万円によるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,462百万円増加し、29,696百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ4,033百万円増加し、25,257百万円となりました。主な要因は買掛金の増加3,218百万円、短期借入金の増加545百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ571百万円減少し、4,438百万円となりました。主な要因は長期借入金の減少573百万円によるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ845百万円減少し、1,462百万円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する四半期純損失の計上による利益剰余金の減少780百万円によるものであります。
(2)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する各種政策やワクチン接種普及等により一時持ち直しの動きがみられたものの、新たな変異株による急激な感染拡大や、ウクライナ情勢の影響による資源価格の高騰や歴史的な円安の進行によって、物価上昇圧力が高まり個人消費の低迷が懸念されるなど依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが事業活動の中心としております酒類食品流通業界におきましても、新型コロナウイルス感染対策による飲食店等での営業時間の短縮や、滞在時間の制限など各行政機関による要請は全面的に解除されたものの、第7波の影響で2022年7月に新規感染者数が急激な増加、8月には全国的に過去最多の新規感染者数の更新、物価高騰によるコスト上昇や労働需要のひっ迫により、業界を取り巻く環境は引き続き厳しさを増しております。また、新たな生活様式に対応するライフスタイルの変化は、フードデリバリーサービス、ネットショッピング等の家庭内需要を高めており、当社グループを取り巻く経営環境を著しく変化させております。
このような状況のなか、当社グループは「お客様のご要望になんでも応えたい」という基本コンセプトのもと、従業員の徹底した感染防止策に加えて、配達業務を行う従業員向けに定期的な抗原定性検査を実施し、お客様が安心・安全に利用できるように努めております。
当社グループの中核事業会社のカクヤスにおいては、個人飲食店市場の需要を徹底的に取り込むべく、効率的な物流体制を目指し三層物流(注1)を推し進め、展開エリアでの配送密度を高める事で、市場へのさらなる浸透を図っております。また同物流体制の展開は、各店舗の在庫から業務商材が減ることでBtoC向けの新たな品ぞろえ強化の機会となっており、家庭用のさらなる商品の充実を図っております。さらにグループ全体では受注間口を広げるための外部の即時配達サービス(ECサイトへの出店)との連携を進めております。ダンガミ・サンノーにおいては、九州地区での「なんでも酒やカクヤス」ブランドでの初進出により、一層の認知獲得・利用促進を行いました。こうした各種施策への取り組みによって、第7波の影響を大きく受けながらも売上高は前年同期比で大幅な増加、利益面では赤字幅の大幅の縮小となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの経営成績は、売上高53,797百万円(前年同期比45.8%増)、営業損失684百万円(前年同期は営業損失2,768百万円)、経常損失688百万円(前年同期は経常損失2,357百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失780百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,898百万円)となりました。
売上区分別の売上状況につきましては、売上構成比が「業務用」64.5%、「宅配」19.3%、「POS(注2)」14.6%、「卸その他」1.6%となりました。
「業務用」の売上高は、34,724百万円(前年同期比104.3%増)となりました。2022年7月、8月に第7波の影響により新型コロナウイルスの新規感染者数の急激な増加があったものの、感染防止対策にともなう緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による経済活動への抑制はなく、酒類を提供する飲食店等も段々と通常営業に戻ったことで、当社グループへの注文量は大幅な増加となりました。また、10月1日からの酒類のメーカー値上げ前の仮需要による増加がみられ、客数・客単価ともに前年同期を上回りました。
「宅配」の売上高は、10,371百万円(前年同期比2.9%減)となりました。コロナ禍におけるデリバリー需要を取り込みネットショッピングの会員数は好調に推移しているものの、前年と比べると前年が緊急事態宣言下で家庭内の家飲み消費が高まっていたこともあり、ご利用いただいた客数は前年同期を下回りました。客単価は前年同期と同水準となっております。
「POS」の売上高は、7,853百万円(前年同期比9.2%減)となりました。前年が緊急事態宣言下で在宅勤務や外食等自粛の流れから店頭への来客が増加していたこともあり、客数は前年同期を下回りました。客単価は食材を中心にお店の品ぞろえを充実させたことで前年同期を上回りました。
「卸その他」の売上高は、847百万円(前年同期比47.9%増)となりました。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
(注1)三層物流とは、家庭用向け宅配枠の最大化と業務用復調時の配達網整備を目的とした当社独自の物流体制です。第一層は業務用センターからのルート配送、第二層は業務用小型倉庫からの即日配送、第三層は家庭用店舗・小型倉庫からの即日配送を指します。
(注2)POSとは「Point of sale system」(販売時点情報管理システム)の略であり、お客様来店時のPOS
レジ購入売上を指します。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は2,377百万円となり、前連結会計年度末に比べ371百万円減少いたしました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの原因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は285百万円(前年同四半期は2,115百万円の支出)となりました。これは主に、仕入債務の増加額3,185百万円、未払消費税等の増加額760百万円等の増加要因が売上債権の増加額2,011百万円等の減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は525百万円(前年同四半期は496百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出536百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は131百万円(前年同四半期は2,121百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出527百万円、配当金の支払額93百万円等の減少要因が、短期借入金の純増加額400百万円等の増加要因を上回ったことによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更は
ありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、新たに経営成績に重要な影響を与える事象は発生しておりません。