【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当社グループは「私たちは人を豊かにしてグローバル社会貢献度が高い技術会社になる」ことを未来に通ずる姿とし、2030年を見据えた「AR-2030VISION」を定めております。当連結会計年度は「AR-2030VISION」の実現に向けて2023年4月からスタートした第14次三ヵ年中期経営計画の初年度になります。中期経営方針として「魅力を高めて新たな価値を提供しよう」を掲げ、これまで以上に柔軟かつ好奇心旺盛な思考で行動し、事業活動を通じて様々な方々と一緒に未来につながるカタチをつくってまいります。
当社グループの重点事業分野を「光学事業」、「医療・ライフサイエンス事業」、「機能事業」、「通信事業」の4つとし、事業展開を進めるうえで、独自の競争力の源泉となるコア技術である「色と光のコントロール技術」「素材変性技術」「表面改質およびマイクロ加工技術」に、それぞれの事業分野に成長のキーワードとなる視点を加えて、ゴムが有する無限の可能性をさらに進化させる活動を進めております。また研究開発活動としては、医療・ライフサイエンス事業の理化学機器分野で応用可能な表面改質材料の開発、新事業のマーケティング活動を継続して注力しており、それぞれの分野に長けた研究機関との連携で早期実現化を推進します。
当第2四半期連結累計期間における事業環境は、経済社会活動の正常化が進んだことにより需要が緩やかな回復基調になりました。一方、流通在庫の調整や原材料及び電力料などエネルギー価格の高止まりなど、依然として事業活動に様々な影響を与えました。この中で当社グループは、当期経営方針に「魅力を高めて新たな価値を提供しよう」を掲げ、お客様の要望に素早く応える計画的な生産活動や事業の魅力を高めて貢献する機会を増やす活動を展開し、各重点事業分野への施策を積極的に進めてまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、連結売上高は工業用ゴム事業の販売が減少したことから連結売上高は33億5千9百万円(前年同期比6.1%減)となりました。利益面においては売上減少等により、連結営業利益は1千1百万円(前年同期比91.4%減)、連結経常利益は3千5百万円(前年同期比75.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5千5百万円(前年同期比51.0%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
工業用ゴム事業
工業用ゴム事業では、自動車向けで受注は回復傾向にあるものの在庫調整等の影響により、内装照明用光源のASA COLOR LEDなどの売上高が減少しました。一方で、卓球ラケット用ラバーは前連結会計年度から好調が続き売上高は増加しました。
この結果、工業用ゴム事業の連結売上高は26億2千2百万円(前年同四半期比9.1%減)となりました。セグメント利益は8千6百万円(前年同四半期比62.3%減)となりました。
医療・衛生用ゴム事業
医療・衛生用ゴム事業では、プレフィルドシリンジ用ガスケットや採血用・薬液混注用ゴム栓の受注が堅調であったことやARチェックバルブなど医療用逆止弁の受注が増加するなど、診断・治療向けの製品の売上高が増加しました。
この結果、医療・衛生用ゴム事業の連結売上高は7億3千7百万円(前年同四半期比6.0%増)となりました。セグメント利益は製品の販売構成や試作コストの増加等により5千4百万円(前年同四半期比23.4%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の期末残高は、定期預金の払戻による収入の増加および、投資有価証券の売却による収入により、前第2四期連結会計期間末に比べて9億3千5百万円増加の19億6千万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは3億1千7百万円の収入(前年同四半期は1億4千5百万円の収入)となりました。 これは主に仕入債務の減少額1億5千4百万円(前年同四半期は8千6百万円の減少)等があったものの、減価償却費2億1百万円(前年同四半期は2億3百万円)、売上債権の減少額1億7千9百万円(前年同四半期は1億4千6百万円の増加)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4億9千6百万円の収入(前年同四半期は4千万円の支出)となりました。 これは主に定期預金の預入による支出1億4千万円(前年同四半期は1億2千万円の支出)、有形固定資産の取得による支出1億5千5百万円(前年同四半期は6千7百万円の支出)があったものの、定期預金の払戻による収入4億7千6百万円(前年同四半期は1億5千1百万円の収入)、投資有価証券の売却による収入2億7千4百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは2億2千9百万円の収入(前年同四半期は8千4百万円の支出)となりました。 これは主に、長期借入金の返済による支出4億2千4百万円(前年同四半期は5億3千6百万円の支出)、配当金の支払額4千5百万円(前年同四半期は4千5百万円の支払額)があったものの、短期借入金の純増加額3億円、長期借入れによる収入4億円(前年同四半期は5億円の収入)等によるものであります。
(3) 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べて2億1千1百万円増加し、95億9千8百万円となりました。その主な要因は、受取手形及び売掛金、投資有価証券売却による投資その他の資産のその他が減少したものの、現金及び預金が増加したことによるものであります。
負債は前連結会計年度末に比べて1億4千6百万円増加し、46億4千3百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が増加したことによるものであります。
純資産は前連結会計年度末に比べて6千5百万円増加し、49億5千4百万円となりました。その主な要因は、為替換算調整勘定の増加によるものであります。
また、当社グループでは各事業の受注状況に基づき、生産能力を検討し設備投資を実施、また新たな事業分野への研究開発投資を積極的に実施しております。その必要資金については財政状態の良化を鑑みながら、主に売上代金及び金融機関からの借入金による調達を基本としております。
なお、当第2四半期連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は21億7千9百万円となっております。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、7千1百万円であります。 なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動について重要な変更はありません。