【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における日本経済は、景気は緩やかに持ち直しており、設備投資についても持ち直しの動きがみられます。世界的な金融引き締めが続く中、海外景気の下振れリスクはあるものの、受注残は高水準を維持しております。一方で、原材料の高騰、供給面での制約や中国の感染再拡大による景気停滞など企業収益に与える影響については依然として先行き不透明な状況が続いております。
こうした状況の下、企業価値向上に向けた取り組みとして、「CS向上で勝つ」を基本方針にした活動を国内では従前より展開、海外においては世界15ヵ国21社の関係会社と連携し販売拡大を図るとともに、「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」達成に向け、「オールイワキで世界No.1を提供する」の方針のもと、各種施策の実行に取り組んでまいりました。
その結果、市場別では引き続き水処理市場が米国向けを中心に大きく伸長、売上高は6,632百万円(前年同期比29.6%増)となりました。半導体・液晶市場も高水準を維持しており、売上高は5,381百万円(前年同期比15.7%増)と全体を牽引しております。
地域別では、国内は引き続き半導体・液晶市場が牽引した結果、売上高は14,325百万円(前年同期比7.5%増)となりました。海外では、米国は水処理市場の大幅伸長をはじめ全体でも好調に推移した結果、売上高は4,586百万円(前年同期比48.7%増)となりました。欧州は化学市場、新エネルギー市場が牽引し、売上高は3,347百万円(前年同期比15.0%増)となりました。アジア地域は、韓国向け化学市場の売上などが好調に推移し、売上高は2,344百万円(前年同期比5.3%増)となりました。中国は引き続き半導体・液晶市場、医療機器市場が全体を牽引しましたが、当社(決算期3月末)と新たに連結対象となった中国子会社(決算期12月末)との決算期ずれに伴う内部取引消去処理の結果、売上高は1,295百万円(前年同期比14.5%減)となりました。
製品別では、主力製品であるマグネットポンプ、定量ポンプ、半導体・液晶市場向け空気駆動ポンプが全体を牽引しております。
このような状況の中、当社グループの当第3四半期連結累計期間の連結売上高は27,126百万円(前年同期比13.4%増)となりました。
増収となった一方、調達価格高騰に伴う原価上昇、海外展示会参加に伴う広告宣伝費の発生、行動制限の緩和による旅費交通費の増加、賞与引当金繰入額をはじめとした人件費の増加、円安に伴う換算レート上昇による海外子会社分販管費の増加などの結果、営業利益は1,889百万円(前年同期比2.9%減)となりました。営業外収益において、持分法による投資利益の伸長や円安に伴う為替差益の発生により、経常利益は3,444百万円(前年同期比32.1%増)となりました。また、特別利益において、段階取得に係る差益1,227百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,024百万円(前年同期比96.1%増)となりました。
また、当社グループはケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
②財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は31,026百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,655百万円増加いたしました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が938百万円、商品及び製品が1,554百万円、原材料及び貯蔵品が824百万円増加したことによるものであります。固定資産は13,352百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,759百万円増加いたしました。これは主にのれんが2,361百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は44,378百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,415百万円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は12,245百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,211百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が202百万円、電子記録債務が357百万円、契約負債が554百万円増加したことによるものであります。固定負債は2,672百万円となり、前連結会計年度末に比べ995百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が605百万円、ASC第842号「リース」を適用したことなどにより、その他の固定負債が322百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は14,918百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,206百万円増加いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は29,459百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,208百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が2,956百万円、為替換算調整勘定が1,203百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は66.1%(前連結会計年度末は66.3%)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、644百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。