【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の分析文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)の国内景気は、行動制限の緩和等を受けて個人消費が回復基調を示したものの、原材料価格の高騰や物価の上昇等の影響で本格的な回復には至りませんでした。このような状況のもと、当社グループの事業につきましては、化学品セグメントは、硝酸プラントトラブルの影響はあったものの、基礎化学品、ファインケミカルともに増収となりました。機能性材料セグメントは、ディスプレイ材料が減収となりましたが、半導体材料が好調に推移しました。農業化学品セグメントは、増収となりました。ヘルスケアセグメントは、「ファインテック」(課題解決型受託事業)の売上が減少しました。この結果、当期間における業績は以下の通りとなり、売上高、各利益ともに前年同期及び8月に発表した業績予想を上回りました。また、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は2年連続で過去最高益を更新しました。
(単位:百万円、百万円未満切捨て)
2022年3月期第2四半期(実績)
2023年3月期第2四半期(実績)
前年同期比増減
2023年3月期第2四半期(業績予想)
業績予想比増減
売上高
91,807
109,531
+17,723
105,400
+4,131
営業利益
21,324
28,159
+6,835
27,600
+559
経常利益
22,263
31,986
+9,723
29,500
+2,486
親会社株主に帰属する四半期純利益
16,291
23,684
+7,392
21,200
+2,484
セグメント別概況は以下のとおりであります。なお、当社は、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを変更いたしました。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 セグメント情報等」をご参照ください。
化学品セグメント基礎化学品では、原燃料価格や運賃の上昇に伴う価格改定などが寄与し、メラミン(合板用接着剤等)や尿素・「アドブルー®*」(高品位尿素水)が増収となりました。ファインケミカルにおいても、「テピック」(粉体塗料硬化剤、封止材材料等)や環境化学品(プール・浄化槽用殺菌・消毒剤等)の売上が増加しました。しかし、セグメント全体では、増収減益となりました。この結果、当セグメントの売上高は197億53百万円(前年同期比26億68百万円増)、営業利益は10億61百万円(同1億6百万円減)となりました。業績予想(注)比では、売上高は3億円の上ぶれ、営業利益は4億円の下ぶれとなりました。* アドブルー®は、ドイツ自動車工業会(VDA)の登録商標です。(注) 業績予想数値は2023年3月期第1四半期決算説明資料(2022年8月8日発表)P44に記載
機能性材料セグメントディスプレイ材料では、「サンエバー」(液晶配向材用ポリイミド)が減収となりました。半導体材料は、半導体用反射防止コーティング材(ARC®*)及び多層材料(OptiStack®*)が顧客の稼働好調を受けて増収となりました。無機コロイドは、「スノーテックス」(電子材料用研磨材、各種表面処理剤等)やオルガノシリカゾル・モノマーゾル(各種コート剤、樹脂添加剤)、オイル&ガス材料(シェールオイル・ガス採掘効率向上材)が堅調に推移しました。この結果、当セグメントの売上高は420億1百万円(前年同期比24億46百万円増)、営業利益は138億67百万円(同7億37百万円増)となりました。業績予想(注)比では、売上高は4億円、営業利益は3億円の下ぶれとなりました。* ARC®、OptiStack®はBrewer Science, Inc. の登録商標です。(注) 業績予想数値は2023年3月期第1四半期決算説明資料(2022年8月8日発表)P44に記載
農業化学品セグメントフルララネル(動物用医薬品原薬)は昨年度に顧客在庫調整が終了し、増収となりました。国内向け農薬は、「ラウンドアップ」(非選択性茎葉処理除草剤)や「グレーシア」(殺虫剤)、「アルテア」(水稲用除草剤)が堅調な売上となりました。海外向け農薬は、「ライメイ」(殺菌剤)や「パーミット」(除草剤)、「グレーシア」が好調に推移したことに加え、一部出荷時期のずれ等も寄与し大幅な増収となりました。この結果、当セグメントの売上高は356億88百万円(前年同期比107億38百万円増)、営業利益は120億66百万円(同51億78百万円増)となりました。業績予想(注)比では、売上高は25億円、営業利益は15億円の上ぶれとなりました。(注) 業績予想数値は2023年3月期第1四半期決算説明資料(2022年8月8日発表)P44に記載
ヘルスケアセグメント「リバロ」(高コレステロール血症治療薬)原薬は、海外向けの出荷が堅調でした。「ファインテック」は、出荷時期のずれ等により減収となりました。この結果、当セグメントの売上高は32億48百万円(前年同期比91百万円減)、営業利益は14億57百万円(同69百万円増)となりました。業績予想(注)比では、売上高は1億円、営業利益2億円の上ぶれとなりました。(注) 業績予想数値は2023年3月期第1四半期決算説明資料(2022年8月8日発表)P44に記載
卸売セグメント当セグメントの売上高は476億50百万円(前年同期比112億8百万円増)、営業利益は19億51百万円(同6億95百万円増)となりました。業績予想(注)比では、売上高は40億円、営業利益は3億円の上ぶれとなりました。(注) 業績予想数値は2023年3月期第1四半期決算説明資料(2022年8月8日発表)P66、67に記載
その他のセグメント当セグメントの売上高は124億45百万円(前年同期比20億72百万円増)、営業利益は1億円(同1億4百万円増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金、建設仮勘定が増加したことなどにより、前連結会計年度末比5億45百万円増の2,802億33百万円となりました。負債は短期借入金が減少したことなどから、前連結会計年度末比108億38百万円減の608億39百万円となりました。また、純資産は前連結会計年度末比113億84百万円増の2,193億93百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末比3.6ポイント増加し、77.2%になりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益、減価償却費、運転資金の増減などから法人税等の支払額を控除した結果、433億81百万円の収入(前年同期は337億65百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、工場などの設備投資による支出などにより、96億33百万円の支出(前年同期は60億91百万円の支出)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローでは、借入金の返済、配当金の支払、自己株式の取得による支出などにより、292億18百万円の支出(前年同期は315億60百万円の支出)となりました。現金及び現金同等物の四半期末残高は、換算差額の増加額16億5百万円を調整したことで、前連結会計年度末に比較して61億34百万円増加しており、これに連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額31億16百万円を加味した結果、439億9百万円(前年同期は283億71百万円)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は78億42百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。