【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当第2四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。
経営成績等の状況
当社グループの主な事業領域は、生産財と消費財であり、「設備投資」と「個人消費」の動向が業績に影響を及ぼします。
当社グループを取り巻く事業環境として、国内においては、部品・部材不足による工作機械の長納期化は続いておりますが、脱炭素化に向けた設備投資は活発で、工作機械や周辺の機械工具の需要は堅調に推移しました。また、幅広い産業で生産設備の稼働率も高水準で推移しました。海外においては、北米では製造業を中心に設備投資は堅調で、台湾も自動車産業向けの工作機械は堅調でした。また、中華圏では半導体産業向けの受注に一服感は見えるものの、販売は好調に推移しました。中国では「ゼロコロナ政策」の影響がありましたが、ASEANとともに、EV向けの設備投資が活発でした。
一方、国内の個人消費については、所得環境に対する先行き不透明感は依然として拭えない状況の中、昨年度から続く原材料やエネルギー価格の高騰に加え、急速に円安が進んだことで、様々な分野の商品やサービスの値上げが続いており、耐久消費財に対する消費マインドは冷え込む様相を見せています。
また、住宅産業においては、新設住宅着工戸数が持家を中心にダウントレンドであり、一部の商材では供給が滞ることもありましたが、住宅設備機器の更新需要は継続して堅調に推移しました。
上記の市場動向により、当連結会計年度の第2四半期の売上高は261,817百万円(前年同期比9.8%増)となりました。利益面につきましては、営業利益は8,148百万円(同、8.8%増)、経常利益は8,715百万円(同、16.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,734百万円(同、2.2%増)となりました。
セグメント別の概況は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメント区分の変更を行っており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
[生産財関連事業]
国内機械事業は、裾野の広い自動車産業で、脱炭素化等に向けた設備投資が徐々に増加しつつあります。また、半導体製造装置や建設機械の部品加工向け等の工作機械受注も引き続き堅調でした。営業活動においては、対面での商談やリアルの展示会にウェイトを移しつつ、Webセミナーも効果的に織り交ぜながら、省エネ補助金を含む各種補助金の提案等で顧客接点を増やし、受注獲得を図りました。
国内機工事業は、補要工具や測定機器、半導体関連の切削工具等の販売が堅調でした。また、生産・物流現場等の環境改善機器やマテハン機器、自動化設備等も堅調に推移しました。営業活動においては、Webセミナーやメールマガジンを活用した情報発信を行い、さらに、「脱炭素」をテーマにした商談会を各地で実施することで、顧客の需要喚起に努めました。国内機械事業・国内機工事業とも、当社が企画する大型展示商談会を各地で開催することで、プラスオンの受注獲得に繋げました。
海外生産財事業は、北米支社では、医療・航空・自動車産業等の設備投資が伸長し、特に自動車産業向けの切削工具の販売が堅調でした。台湾支社では、EMS企業からの工作機械の受注及び販売は厳しい状況でしたが、半導体産業向けのメカトロ部品・電子部品等の販売は好調でした。また、自動車産業向けの工作機械の販売も底堅く推移しました。中国支社では、各地のロックダウンが業績にマイナスの影響を及ぼしましたが、EV等の設備投資は順調で、工作機械の受注は好調に推移し、産業用ロボットの販売も伸長しました。アセアン支社でも、EV等の設備投資が順調なのに加え、エアコン部品向け等の工作機械や工具等の販売も好調でした。(注)
その結果、生産財関連事業の売上高は173,804百万円(前年同期比13.9%増)となりました。
(注)営業地域及び顧客属性ごとに事業を区分したビジネスユニットを支社と称しております。
[消費財関連事業]
〔住建事業〕
住建事業は、堅調なリフォーム需要を背景に、オンサイトとオフサイトを使い分けながら高付加価値商材の提案に注力した結果、給湯・水廻り機器等の販売が堅調に推移しました。また、新設した「スマートエネルギー推進室」では、自家消費型のエネルギー活用提案を積極的に展開し、脱炭素化のニーズに即した営業活動に注力しました。非住宅分野においても、商材と施工をセットにした設備改修提案を強化することで、業務用空調機器や、太陽光発電・蓄電池等の新エネルギー機器の受注に繋げました。
その結果、住建事業の売上高は33,828百万円(前年同期比12.2%増)となりました。
〔家庭機器事業〕
家庭機器事業は、相次ぐ商品やサービスの値上げの影響により、消費者の購買意欲は冷え込みつつあり、外出自粛及びテレワーク拡大による需要の反動減がありました。一方、ECサイトでは販売が堅調で、また、全国的に早い時期から記録的猛暑となったことで、扇風機やサーキュレーターをはじめとする夏物季節商品の家電量販店やホームセンター向けの出荷は好調に推移し、全体の販売を下支えしました。
また、プライベートブランド商品の開発にも注力しており、消費者ニーズを捉えたスピーディーな商品開発とラインアップ強化に取り組みました。さらに、テレビCMやWeb広告、SNSや広報活動等のメディアを活用した情報発信を積極的に展開し、幅広い層の消費者に対し当社商品の利便性を訴求することで、新たな需要喚起に努めました。
その結果、家庭機器事業の売上高は51,726百万円(前年同期比4.3%減)となりました。
(2)経営者の視点による財政状態及び経営成績の状況に関する分析
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態及び経営成績に関する認識及び分析は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における経営成績は、生産財関連事業は引き続き好調に推移しました。一方で、消費財関連事業においては巣ごもり消費の一巡や原材料・エネルギー価格の高騰・急激な円安による調達コストの上昇により厳しい状況となりましたが、住宅設備機器の更新需要は継続して堅調に推移しました。
売上高は、生産財関連事業における設備投資需要の回復や機械工具・切削工具の需要も堅調に推移したことから、前第2四半期連結累計期間より23,265百万円増加し、261,817百万円(前年同期比9.8%増)となりました。なお、セグメント別の概況については、「(1)経営成績等の状況の概要 経営成績等の状況」に記載のとおりであります。
売上総利益は、売上高の増加に伴い、前第2四半期連結累計期間から3,324百万円増加し、38,215百万円(前年同期比9.5%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、主に人件費や新基幹システム等の稼働に伴う減価償却費の増加により、前第2四半期連結累計期間から2,663百万円増加し、30,067百万円(前年同期比9.7%増)となりました。
上記の結果、営業利益は、前第2四半期連結累計期間から661百万円増加し、8,148百万円(前年同期比8.8%増)となりました。また、売上高営業利益率は、3.1%となりました。
営業外損益(純額)は、為替差益等の発生により、前第2四半期連結累計期間から590百万円改善し、567百万円となりました。
経常利益は、前第2四半期連結累計期間から1,251百万円増加し、8,715百万円(前年同期比16.8%増)となりました。また、売上高経常利益率は、3.3%となりました。
特別損益(純額)は、臨時性を伴う取引が多く発生せず、前第2四半期連結累計期間から738百万円減少し、2百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前四半期純利益は、前第2四半期連結累計期間から512百万円増加し、8,718百万円(前年同期比6.3%増)となり、法人税等合計2,910百万円及び非支配株主に帰属する四半期純利益73百万円を控除した親会社株主に帰属する四半期純利益は、前第2四半期連結累計期間から121百万円増加し、5,734百万円(前年同期比2.2%増)となりました。
②財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,887百万円増加し、286,542百万円となりました。これは、現金及び預金の増加(5,544百万円)、売上債権(受取手形、売掛金、電子記録債権)の減少(5,577百万円)、商品及び製品の増加(4,991百万円)が主な要因であります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,914百万円減少し、167,372百万円となりました。これは、仕入債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)の減少(1,125百万円)、契約負債の減少(551百万円)が主な要因であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ5,801百万円増加し、119,169百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等による利益剰余金の増加(3,508百万円)、円安による為替換算調整勘定の増加(2,546百万円)が主な要因であります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末の39.9%から41.3%と1.4ポイント向上いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年9月30日)
当第2四半期
連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年9月30日)
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー
1,334
7,501
6,167
投資活動によるキャッシュ・フロー
△943
△639
304
財務活動によるキャッシュ・フロー
2,454
△2,814
△5,269
現金及び現金同等物に係る換算差額
21
1,533
1,511
現金及び現金同等物の増減額
2,866
5,580
2,714
現金及び現金同等物期首残高
74,478
81,153
6,675
現金及び現金同等物期末残高
77,345
86,734
9,389
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,580百万円増加し、86,734百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、償却前営業利益の計上及び運転資本の減少により、7,501百万円の収入(前年同期は1,334百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、基幹システム等の刷新事業をはじめとする有形及び無形固定資産の取得による支出と有価証券の償還による収入により、639百万円の支出(前年同期は943百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いによる支出等により、2,814百万円の支出(前年同期は2,454百万円の収入)となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
ⅰ)資金需要について
当社グループにおける主な資金需要は、運転資金及び事業の維持・拡大のための設備投資資金、そして配当金の支払等であります。これらの資金需要に対しては、主に自己資金(手元資金及び営業活動により獲得した資金)を充当しております。また、既存事業とのシナジー効果が期待できるM&Aを含め、今後においても当社グループの持続的成長につながる投資を積極的に行ってまいります。所要資金については、主に自己資金を充当する予定でありますが、本報告書提出時点においては、新型コロナウイルス感染症及びウクライナをめぐる現下の国際情勢が世界経済に与える影響を考慮し、手元資金の流動性を優先し、金融機関からの借入等により調達した資金を一部充当する方針であります。
ⅱ)資金の流動性について
当社グループは、取引先からの信頼を維持・獲得するために財務の健全性をより強化し、また、事業遂行に伴う支払債務を履行するのに十分な流動性を確保することの重要性を認識しております。連結ベースの流動比率は、運転資本の最適化により、前連結会計年度末は158.4%、当第2四半期連結会計期間末は162.4%と相応の水準を維持しており、十分な流動性と健全性を確保しているものと判断しております。
当社は、短期資金に関しては、複数の金融機関と当座貸越契約及び手形債権流動化契約を締結しており、金融・資本市場における不測の事態や急な資金需要が発生した場合に備えるため、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結し、十分な流動性補完を確保しております。さらに、格付投資情報センター(R&I)及び日本格付研究所(JCR)の2社から発行体格付けを継続的に取得し、本報告書提出時点における、両者により付与された発行体格付は、R&I:A-、JCR:Aとなっており、中長期資金に関しても、多様な調達手段の選択が可能な環境を確保できているものと判断しております。
⑤経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
⑥優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
⑦研究開発活動
該当事項はありません。
⑧主要な設備
前連結会計年度末において構築中であった当社における基幹システム等は、当第2四半期連結会計期間より稼働開始いたしました。