【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績の分析当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年9月30日までの6ヶ月間)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症における各種制限の段階的緩和により社会経済活動に回復の動きが見受けられましたが、第7波の感染拡大が発生したこと、エネルギー価格や原材料価格の高騰、急速な円安の進行による物価上昇等が続いていることなどから、先行きは依然として不透明な状況が続いております。コーヒー業界におきましては、業務用市場の消費量は新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和により前年同期に比べ増加する一方、家庭用市場の消費量は外出機会の増加に伴い巣ごもり消費が鈍化したことや、メーカー各社の店頭販売価格の引き上げなども影響し若干の減少となりました。また、業績に大きな影響を及ぼすコーヒー生豆相場は、ブラジルにおける本年度の生産量が下方修正されたことや、産地の乾燥気候による来年度の作柄への懸念、コーヒー先物市場の認証在庫量が低水準であることなどの影響により高止まりのまま推移しました。また、為替相場も記録的な円安基調が続きコーヒー生豆原料調達コストが上昇しており、厳しい経営環境下にあります。このような状況の下、当社グループは「コーヒーを究めよう、お客様を見つめよう、そして心にゆたかさをもたらすコーヒー文化を築いていこう。」という企業理念を果たすため、長年にわたり培った「品質第一主義」のもと、「事業構造の改革」、「収益力の強化」及び「グループ総合力の強化」を3つの柱とし、新たな需要の創出や生活者のニーズにお応えする商品開発、お取引先の業績に寄与する企画提案型の営業活動を推進してまいりました。また、2030年を見据えた新メッセージ「珈琲とKISSAのサステナブルカンパニー」を制定し、喫茶文化の継承と持続可能なコーヒー生産の実現を目指すとともに、その一環としてコーヒー生産国との連携や品種開発などの多岐にわたるサステナビリティ活動を推進する専門部署「コーヒーの未来部」を創設しました。当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は、303億10百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益は5億14百万円(前年同期比72.8%増)、経常利益は6億23百万円(前年同期比32.3%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、4億57百万円(前年同期比48.2%増)となりました。
<連結経営成績>
(単位:百万円)
前第2四半期連結累計期間
当第2四半期連結累計期間
前年増減
前年増減率
売 上 高
27,242
30,310
3,067
11.3%
営 業 利 益
297
514
216
72.8%
経 常 利 益
471
623
152
32.3%
親 会 社 株 主 に 帰 属す る 四 半 期 純 利 益
308
457
148
48.2%
セグメントの営業概況は次のとおりであります。 (単位:百万円)
事業区分
売上高
営業利益又は営業損失(△)
当第2四半期
前年増減
前年増減率
当第2四半期
前年増減
前年増減率
コーヒー関連事業
26,407
2,745
11.6
722
171
31.1
飲食関連事業
1,834
156
9.3
△131
85
-
その他
2,067
165
8.7
124
△41
△24.8
調整額
-
-
-
△200
1
-
合 計
30,310
3,067
11.3
514
216
72.8
(注)調整額は主に、セグメント間取引消去、棚卸資産の調整額、報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。(コーヒー関連事業)業務用市場では、厳選した生豆で作り上げたグルメコーヒーブランド「クレドール」シリーズをはじめ、トアルコ トラジャ、氷温熟成珈琲や認証系コーヒーなど差別性の高いコーヒーの販売を推進するとともに、業務用食材の取り扱いアイテムを強化し拡販に努めました。また、新規顧客の獲得に向けて、飲食店経営者及び開業予定者を対象に業務用商品やサービスを紹介するWEBサイトを立ち上げました。お取引先の活性化策としては、世界中の品質の優れたコーヒーを数量限定で提供する月間企画の提案や新感覚アイスコーヒー「コールド クレマ」の導入推進、シーズン販促企画では店舗のお薦めカレーをラインアップした「推しカレーフェア」を実施しました。カフェ開業支援の施策として取り組む様々な立地環境に出店可能なパッケージカフェ「KEY’S CAFÉ」は3店出店となり、導入店舗数は75店舗となります。また、コーヒー生豆原料調達コスト及び仕入商材価格の上昇に伴い、前年に続き10月からのお取引先へのレギュラーコーヒー商品及び業務用商材の納入価格の改定を推進しました。売上につきましては、行動制限の大幅な緩和などによりお取引先へのコーヒー及び業務用食材の販売量が増加し、前年同期に比べ大きく伸長しました。家庭用市場では、春夏商品として主力ブランド「グランドテイスト」及び「リキッドコーヒー テトラプリズマ」シリーズを全面リニューアルしました。また、業務提携契約を締結している京都の老舗喫茶店「京都イノダコーヒ」ブランド商品の拡充として、ドリップ オン「オリジナルブレンド/モカブレンド/有機珈琲 古都の味わいブレンド」、FP(粉)「有機珈琲 古都の味わいブレンド」、リキッドアイスコーヒー「無糖/微糖 」の合計6アイテムの新商品を投入しました。
ギフト商品では、中元期に向けて「ドリップ オン」シリーズをはじめ、定番の「氷温熟成珈琲アイスコーヒー」や「天然水プリズマ飲料」、大人から子どもまで楽しめる「リキッドコーヒー&ジュースドリンク」など全27アイテムをラインアップしました。また、前年に続き10月からのお取引先へのレギュラーコーヒー商品及びコーヒー関連商品のメーカー出荷価格の改定を推進いたしました。売上につきましては、前年のレギュラーコーヒー商品のメーカー出荷価格の改定により前年同期並みの実績となりましたが、販売数量は店頭販売価格の値上げが影響し減少しました。原料用市場ではお取引先への販売数量がコロナ前の水準に回復しつつあり、前年同期に比べ増収となりました。営業利益は、業務用市場の売上が大きく増加したことや、引き続き人件費や固定費などのコストの抑制が図れたことなどにより前年同期に比べ増益となりました。この結果、当第2四半期連結累計期間におけるコーヒー関連事業の売上高は264億7百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益は7億22百万円(前年同期比31.1%増)となりました。
(飲食関連事業) 株式会社イタリアントマトでは、モーニング、ランチなど時間帯メニューの商品力強化を図るとともに、旬の食材を使用したドリンク、フード、ケーキの季節限定メニューを毎月投入し、白桃やマンゴーのフローズンドリンク、駿河湾産しらすや天然赤海老のパスタ、シャインマスカットケーキなどを提供し集客力向上に努めました。また、物販ではコーヒーや焼き菓子などを詰め合わせた「夏の福袋」3アイテムを販売しました。テイクアウト需要への対応としては、宅配代行業者との提携によるデリバリーサービス対応店舗の拡大や事前注文電子決済サービスの導入など利便性の向上に努めました。また、駅ナカや百貨店催事場などでの期間限定店舗の出店や、ケーキ専門通販サイトを活用した冷凍ケーキのネット販売に注力しました。管理面におきましては、売上状況の変化に応じた人員配置や食材の発注、管理を行い、生産性の向上と廃棄ロスの低減に取り組み、人件費、原材料費の適正化を推進しました。また、原材料仕入価格の高騰に伴い、コーヒー及びドリンク、フードメニューの価格改定を実施しました。店舗展開におきましては、既存の「イタリアン・トマト カフェジュニア」イオンモール熱田店、北大路店2店を新ブランド店舗「カッフェ イタリアン・トマト」としてリニューアルオープンしました。また直営店1店、FC店2店を新規出店するとともに、利益回復が見込めない不採算店の整理を行い、店舗数は153店(直営店51店、FC店102店)となりました。業績につきましては、売上面では行動制限の緩和による人流の増加や、前年に比べ営業自粛店舗が減少したことなどから来店客数の回復がみられ前年同期を上回りました。利益面では付加価値の高いメニューの継続投入やメニューの価格改定、人件費及び原材料費の管理強化に取り組み改善が図れましたが営業損失となりました。この結果、当第2四半期連結累計期間における飲食関連事業の売上高は18億34百万円(前年同期比9.3%増)、営業損失は1億31百万円(前年同期は2億16百万円の営業損失)となりました。なお、営業外収益として各自治体からの営業時間短縮に係る助成金等の収入60百万円を計上しました。
(その他)通販事業を営むhonu加藤珈琲店株式会社では、売上面では大手モールが主催するライブ形式の販売会に参画する等、顧客との接点強化等を推進した結果、好調であった前年同期並みの実績となりました。利益面ではコーヒー生豆相場の高騰に加えて様々な費用が上昇する中、販売価格の改定と販売促進費をはじめ様々な費用の削減を行い適正利益の確保に努めましたが、大幅な減益となりました。ニック食品株式会社は、売上面では新型コロナウイルス感染症の行動制限の緩和や猛暑が重なったことで業務用市場を中心に需要が高まり、飲料製品を中心に受注量が回復し、前年同期に比べ増収となりました。利益面では売上の伸長に加え、製品原価の抑制や販管費の適正化に注力するとともに上昇する原材料・資材価格やエネルギーコストを価格改定に反映させた結果、大幅な増益となりました。この結果、当第2四半期連結累計期間におけるその他事業の売上高は20億67百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は1億24百万円(前年同期比24.8%減)となりました。
(コーヒー相場:ICO複合指標価格)
(2) 財政状態の分析(資 産)総資産は前連結会計年度末に比べて31億37百万円増加し、465億67百万円となりました。流動資産は29億81百万円増加し、293億75百万円となりました。これは受取手形及び売掛金の増加(8億62百万円増)、商品及び製品の増加(6億75百万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(15億80百万円増)などによるものであります。固定資産は1億55百万円増加し、171億92百万円となりました。無形固定資産は1億2百万円増加し、投資その他の資産は54百万円増加しました。(負 債)負債は前連結会計年度末に比べて26億80百万円増加し、156億29百万円となりました。 流動負債は28億7百万円増加し、137億74百万円となりました。これは支払手形及び買掛金の増加(34億30百万円増)、未払金の減少(5億84百万円減)などによるものであります。固定負債は1億27百万円減少し、18億54百万円となりました。これは退職給付に係る負債の減少(77百万円減)などによるものであります。(純資産)純資産は前連結会計年度末に比べて4億56百万円増加し、309億38百万円となりました。これは利益剰余金の増加(3億49百万円増)などによるものであります。(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は52億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億50百万円の減少となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益6億23百万円、仕入債務の増加額34億20百万円などを計上する一方、売上債権の増加額8億48百万円、棚卸資産の増加額22億53百万円、未払金の減少額5億37百万円などの支出がありました。この結果、3億37百万円の収入となりました(前第2四半期連結累計期間は6億48百万円の支出)。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出4億40百万円などにより4億49百万円の支出となりました(同累計期間は2億65百万円の支出)。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加額1億51百万円、長期借入金の返済による支出30百万円、配当金の支払額1億8百万円、リース債務の返済による支出70百万円などにより54百万円の支出となりました(同累計期間は1億61百万円の支出)。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。(6) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は85百万円であり、主要な支出はコーヒー関連事業であります。(7) 経営上の問題点と今後の取組みについて当第2四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」中の「対処すべき課題」について、重要な変更はありません。