【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、社会経済活動の正常化に向けた動きが進展したことから経済活動に緩やかな回復の動きがみられました。先行きについては、雇用や所得環境の改善が続くものの、海外景気の下振れや節約志向の高まりによる個人消費の腰折れが懸念される状況であります。
食肉業界では、欧州のアフリカ豚熱の広がりや干ばつの影響による米国の牛飼養頭数減少、南米における鳥インフルエンザ発生など供給懸念が台頭し、食肉輸入価格が高止まりしている状況にあります。一方、消費環境はインバウンド需要の回復やペントアップ需要の顕在化で外食やホテルを中心に回復基調にはあるものの、人手不足や食肉価格の高騰で食肉の使用量を抑制する動きが続いています。また、実質所得の減少で消費者の節約志向が高まっており、食肉消費は一定の回復を見せるものの、力強さに欠ける厳しい事業環境が続いております。
このような状況下、当社グループは本年度より「収益構造の再構築とサステナブルな事業運営」をテーマに据えた新中期経営計画をスタートさせており、計画達成に向けた施策に取り組んでまいりました。海外事業、特に輸出事業の積極展開として、当社は台湾向け輸出認定を3月に取得した三戸ビーフセンターにおける輸出体制を整備するとともに、米国や豪州などの輸出取引先の日本招聘、日本の食品輸出EXPOへの出展を実施しました。また、サステナビリティ経営の実現に向けて、TCFD提言に基づく積極的な情報開示としてサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量をスコープ1から3の区分毎に公表しました。当社では重要課題として2030年度までに温室効果ガス排出量を2020年度比46%削減する目標を掲げております。その着実な達成に向け今後も取組みを加速してまいります。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は101,961百万円(前年同四半期比0.4%減)、営業利益は2,484百万円(前年同四半期比9.7%増)、経常利益は3,279百万円(前年同四半期比10.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,429百万円(前年同四半期比17.4%増)となりました。
事業部門別の売上高概況は、次のとおりです。(単位:百万円)
各事業部門の売上高
当第1四半期連結累計期間
前年同四半期
増減額
増減率
食肉関連事業
101,167
101,681
▲513
▲0.5%
食肉
80,885
80,561
+323
+0.4%
加工食品
16,927
17,702
▲774
▲4.4%
ハム・ソーセージ
2,819
2,926
▲107
▲3.7%
その他
535
490
+45
+9.2%
その他の事業
793
681
+111
+16.4%
また、部門別の業績は次のとおりです。(食肉)国内事業は、比較的安価な食肉の販売が堅調に推移する一方、輸入食肉価格の高止まりの影響により輸入牛肉の販売が低調に推移したことから取扱量は前年同四半期を下回りました。売上高・売上総利益は、国産豚肉の相場高騰に加え、国産牛肉や他の食肉と比べ安価な輸入豚肉の販売が堅調に推移したことから前年同四半期を上回りました。また、カテゴリー別の業績は次のとおりです。国産食肉は、鳥インフルエンザの影響により鶏肉の取扱量が前年同四半期を下回りましたが、その他の畜種の取扱量については前年同四半期を上回りました。売上高は国産豚肉の相場高騰などにより前年同四半期を上回りました。売上総利益は輸入牛肉の代替需要により国産牛肉の取扱量が増加したことから前年同四半期を上回りました。輸入食肉は、輸入食肉価格高止まりの影響から輸入牛肉の取扱量が大きく減少し、取扱量・売上高ともに前年同四半期を下回りました。売上総利益は、需要に応じた在庫コントロールや輸入豚肉の取扱量拡大に取り組んだことから前年同四半期を上回りました。輸出事業は、2022年のワールドステーキチャレンジにおける最優秀賞受賞を欧州の拡売につなげ、取扱量・売上高ともに前年同四半期を上回りました。(加工食品)加工食品は、一部取引先向けハンバーグ商品群で取扱量が減少し、取扱量・売上高は前年同四半期を下回りました。売上総利益は、スライス商品など付加価値の高い商品の販売が堅調に推移し、前年同四半期を上回りました。(ハム・ソーセージ)ハム・ソーセージは、原材料価格やエネルギーコストの上昇を踏まえ、価格改定や商品の統廃合、工場オペレーション改善に努めましたが、取扱量・売上高・売上総利益ともに前年同四半期を下回りました。
② 財政状態(資産)流動資産は、前連結会計年度末と比べて、2,534百万円増加し、98,016百万円となりました。これは、主として前渡金が減少したものの、商品及び製品、現金及び預金が増加したことによるものであります。 固定資産は、前連結会計年度末と比べて、486百万円増加し、51,506百万円となりました。これは、主として投資有価証券が増加したことによるものであります。 この結果、総資産では、前連結会計年度末に比べて、3,019百万円増加し、149,539百万円となりました。(負債)流動負債は、前連結会計年度末と比べて、3,250百万円増加し、52,707百万円となりました。これは、主として短期借入金、買掛金が増加したことによるものであります。 固定負債は、前連結会計年度末と比べて、1,662百万円減少し、25,225百万円となりました。これは、主として長期借入金が減少したことによるものであります。 この結果、負債合計では、前連結会計年度末に比べて、1,588百万円増加し、77,932百万円となりました。(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末と比べて、1,431百万円増加し、71,607百万円となりました。
(2) 優先的に取り組む対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は17百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。