【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 経営成績 当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、ウィズコロナの下で、景気に緩やかながら持ち直しの動きが見られました。しかしながら、世界的な金融引締め等による海外景気の下振れが我が国の景気を下押しする可能性があり、また物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動、中国における感染動向による影響も予想され、先行きについては不透明な状況が続いております。食肉業界は、食肉消費が落ち着きを見せ始めるとともに食肉輸入価格や飼料価格、エネルギーコストが高騰しつづけるなど、厳しい環境が継続しております。このような状況の中、当社グループはコロナ禍においても品質管理ならびに衛生管理を徹底するとともに柔軟な勤務体制等の対策を講じ、社員の安全確保に配慮しつつお客様のご要望にお応えしてまいりました。また、『「収益力強化」に向けた「体質改善」』のテーマのもと、さらなる成長を遂げるための施策に取り組んでまいりました。新たな取り組みとしては、株式会社大商金山牧場と資本業務提携契約を締結いたしました。本資本業務提携をきっかけに互いの商品をそれぞれのネットワークを通じて販売することや、商品の共同提案、将来的には両社の拠点・機能・人的資源の共同活用による事業効率化等を図り、ひいては両社の企業価値向上を目指します。加えて、日本屈指の輸出認定工場である㈱阿久根食肉流通センター及びスターゼンミートプロセッサー㈱阿久根工場ビーフセンターの拡張工事が完了し、今後、牛肉の輸出を拡大してまいります。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は328,618百万円(前年同四半期比12.8%増)、営業利益は7,123百万円(前年同四半期比12.5%増)、経常利益は8,850百万円(前年同四半期比10.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,267百万円(前年同四半期比11.8%増)となりました。
事業部門別の営業概況は、次のとおりです。<食肉関連事業>食肉関連事業の売上高は326,477百万円(前年同四半期比12.9%増)となりました。 また、部門別の業績は次のとおりです。 (食肉)国内事業は、国産食肉の販売が堅調に推移したことから取扱量は前年同四半期を上回りました。売上高は、取扱量の増加に加え輸入食肉の国内相場高値推移等により前年同四半期を大きく上回りました。売上総利益は、国産牛肉を中心に利益確保が進み前年同四半期を上回りました。また、カテゴリー別の業績は次のとおりです。国産食肉は、各畜種ともに販売が堅調に推移し、取扱量、売上高ともに前年同四半期を上回りました。売上総利益は行動制限の緩和による観光地・行楽地での外食需要の回復等により、相対的に利益率の高い国産牛肉で特に取扱量が増加したこと、国産牛肉相場が前年同四半期を下回る水準で推移したこと、加えて販売機会ロスの削減や早期販売を意識した在庫コントロールが功を奏したことなどから前年同四半期を大きく上回りました。輸入食肉は、牛・豚肉で取扱量を確保したものの、輸入価格高騰等の影響により鶏肉の取扱量が減少したことから、全体の取扱量は前年同四半期を下回りました。売上高は、国内相場が高値推移したことから前年同四半期を大きく上回りました。売上総利益は、鶏肉で取扱量の減少に伴い利益も減少したものの、需要に合わせた調達の徹底やコスト上昇分を可能な限り販売価格へ転嫁したことなどから牛・豚肉で利益を確保でき、全体では前年同四半期を上回りました。輸出事業は、米国向け牛肉輸出が低関税輸入枠超過による関税引き上げの影響で低迷したものの、欧州や台湾、東南アジア向けを中心に好調に推移したことから、輸出重量は前年同四半期比横ばいとなりました。売上高は輸出単価の高い欧州向けが好調だったことなどから前年同四半期を上回りました。これらの結果、食肉部門の売上高は257,824百万円(前年同四半期比12.2%増)となり、売上総利益は前年同四半期を上回りました。(加工食品) 加工食品は、一部取引先向けのハンバーグ商品群で取扱量が減少しましたが、食肉スライス商品、ローストビーフ関連商品等の販売が堅調に推移し、全体では取扱量、売上総利益ともに前年同四半期を上回りました。売上高は、原材料コストやエネルギーコストの上昇を踏まえた商品価格改定等により57,548百万円(前年同四半期比17.2%増)と前年同四半期を大きく上回りました。
(ハム・ソーセージ) ハム・ソーセージは、外食向け商品の販売が回復傾向で推移しましたが、小売業態向けの販売が落ち着きを見せ、取扱量は前年同四半期を下回りました。売上高は加工食品と同様に商品価格改定により9,555百万円(前年同四半期比7.0%増)と前年同四半期を上回り、売上総利益も販売条件の変更等により前年同四半期を上回りました。
(その他) その他の取扱品につきましては、売上高は1,549百万円(前年同四半期比3.5%増)となりました。 <その他の事業> その他の事業につきましては、売上高は2,140百万円(前年同四半期比4.8%増)となりました。
② 財政状態 (資産)流動資産は、前連結会計年度末と比べて、20,791百万円増加し、114,363百万円となりました。これは、主として受取手形及び売掛金、商品及び製品、前渡金が増加したことによるものであります。 固定資産は、前連結会計年度末と比べて、1,459百万円増加し、50,289百万円となりました。これは、主として投資有価証券が増加したことによるものであります。 この結果、総資産では、前連結会計年度末に比べて、22,244百万円増加し、164,672百万円となりました。 (負債)流動負債は、前連結会計年度末と比べて、11,854百万円増加し、66,974百万円となりました。これは、主として短期借入金が増加したことによるものであります。 固定負債は、前連結会計年度末と比べて、5,450百万円増加し、28,757百万円となりました。これは、主として長期借入金が増加したことによるものであります。
この結果、負債合計では、前連結会計年度末に比べて、17,305百万円増加し、95,731百万円となりました。 (純資産)純資産合計は、前連結会計年度末と比べて、4,938百万円増加し、68,940百万円となりました。
(2) 優先的に取り組む対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は60百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。