【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績 当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、景気に緩やかながら持ち直しの動きが見られました。しかしながら、世界的な金融引締め等による海外景気の下振れが我が国の景気を下押しする可能性があり、また物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響も予想され、先行きについては不透明な状況が続いております。食肉業界は、食肉消費が落ち着きを見せ始めるとともに食肉輸入価格や飼料価格、エネルギーコストが高騰しつづけるなど、厳しい環境が継続しております。
このような状況の中、当社グループはコロナ禍においても品質管理ならびに衛生管理を徹底するとともに柔軟な勤務体制等の対策を講じ、社員の安全確保に配慮しつつお客様のご要望にお応えしてまいりました。 また、『「収益力強化」に向けた「体質改善」』のテーマのもと、さらなる成長を遂げるための施策に取り組んでまいりました。新たな取り組みとしては、株式会社大商金山牧場と資本業務提携契約を締結いたしました。本資本業務提携をきっかけに互いの商品をそれぞれのネットワークを通じて販売することや、商品の共同提案、将来的には両社の拠点・機能・人的資源の共同活用による事業効率化等を図り、ひいては両社の企業価値向上を目指します。加えて、日本屈指の輸出認定工場である㈱阿久根食肉流通センター及びスターゼンミートプロセッサー㈱阿久根工場ビーフセンターの拡張工事が完了し、今後、牛肉の輸出を拡大してまいります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は211,174百万円(前年同四半期比14.4%増)、営業利益は3,461百万円(前年同四半期比0.9%増)、経常利益は4,367百万円(前年同四半期比5.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,056百万円(前年同四半期比5.0%減)となりました。
事業部門別の営業概況は、次のとおりです。 <食肉関連事業> 食肉関連事業の売上高は209,830百万円(前年同四半期比14.5%増)となりました。 また、部門別の業績は次のとおりです。(食肉) 国内事業は、国産食肉の販売が堅調に推移したことから取扱量は前年同四半期を上回りました。売上高は、取扱量の増加に加え輸入食肉の国内相場上昇等により前年同四半期を大きく上回りました。売上総利益は、品目ごとに明暗が分かれる結果となりましたが、全体では前年同四半期を上回りました。また、カテゴリー別の業績は次のとおりです。 国産食肉は、各畜種ともに販売が堅調に推移し、取扱量、売上高ともに前年同四半期を上回りました。売上総利益は取扱量の増加に加え、国産牛肉相場が前年同四半期を下回る水準で推移したことや、観光地・行楽地での外食需要の回復、加えて販売機会ロスの削減や早期販売を意識した在庫コントロールが功を奏し前年同四半期を大きく上回りました。輸入食肉は、輸入価格高騰等の影響から鶏肉の取扱量が減少したものの、牛肉で取扱量を確保し、全体の取扱量は前年同四半期比横ばいとなりました。売上高は、国内相場が高値推移したことから前年同四半期を大きく上回りました。売上総利益は、牛肉を中心に前年同四半期前半好調の反動や輸入価格高騰の影響を受けたものの、需要に合わせた調達の徹底やコスト上昇分を可能な限り販売価格へ転嫁したことなどから全体では前年同四半期比横ばいとなりました。輸出事業は、欧州や台湾向けを中心に好調に推移したものの、米国向けが牛肉の低関税輸入枠超過による関税引き上げの影響で低迷したこと等から輸出重量は前年同四半期を下回りました。売上高は輸出単価の高い欧州向けが好調だったことなどから前年同四半期を上回りました。これらの結果、食肉部門の売上高は165,818百万円(前年同四半期比13.5%増)となり、売上総利益は前年同四半期を上回りました。(加工食品)加工食品は、一部取引先向けのハンバーグ商品群で取扱量が減少しましたが、食肉スライス商品、ローストビーフ関連商品等の販売が堅調に推移し、全体では取扱量、売上総利益ともに前年同四半期を上回りました。売上高は、原材料コストやエネルギーコストの上昇を踏まえた商品価格改定等により36,986百万円(前年同四半期比20.7%増)と前年同四半期を大きく上回りました。(ハム・ソーセージ)ハム・ソーセージは、外食向け商品の販売が回復傾向で推移しましたが、小売業態向けの販売が落ち着きを見せ始め、取扱量は前年同四半期比横ばいとなりました。売上高は加工食品と同様に商品価格改定により6,031百万円(前年同四半期比8.4%増)と前年同四半期を上回り、売上総利益も販売条件の変更等により前年同四半期を上回りました。(その他) その他の取扱品につきましては、売上高は993百万円(前年同四半期比4.2%増)となりました。 <その他の事業> その他の事業につきましては、売上高は1,343百万円(前年同四半期比0.6%増)となりました。
② 財政状態(資産)流動資産は、前連結会計年度末と比べて、16,153百万円増加し、109,725百万円となりました。これは、主として商品及び製品、前渡金が増加したことによるものであります。 固定資産は、前連結会計年度末と比べて、1,076百万円増加し、49,906百万円となりました。これは、主として賃貸不動産、機械装置及び運搬具が減少したものの、投資有価証券、無形固定資産が増加したことによるものであります。 この結果、総資産では、前連結会計年度末に比べて、17,224百万円増加し、159,652百万円となりました。(負債)流動負債は、前連結会計年度末と比べて、7,557百万円増加し、62,677百万円となりました。これは、主として短期借入金、買掛金が増加したことによるものであります。 固定負債は、前連結会計年度末と比べて、7,532百万円増加し、30,838百万円となりました。これは、主として長期借入金が増加したことによるものであります。 この結果、負債合計では、前連結会計年度末に比べて、15,089百万円増加し、93,515百万円となりました。(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末と比べて、2,135百万円増加し、66,136百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物は、11,572百万円となり、前連結会計年度末に比べ619百万円増加いたしました。当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益、仕入債務の増加があるものの、棚卸資産の増加、前渡金の増加等により9,235百万円の支出となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出、関係会社株式の取得による支出等により2,580百万円の支出となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出、配当金の支払による支出があるものの、長期借入れによる収入、短期借入金の増加等により12,294百万円の収入となりました。
(3) 優先的に取り組む対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は39百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。