【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症が収束の兆しを見せ、経済活動は回復基調で推移しました。一方、ウクライナ情勢の長期化、原燃料価格の高止まり、為替相場の変動など、依然として不確実性が高い状況が続いております。このような状況下、当社グループは各事業の需要動向に合わせた生産体制により、生産性の向上を図るとともに、販売面では製品価格の改定や新製品の拡販に努めました。また、当社グループでは、企業価値向上を図るべく「中期経営計画」(2023年3月期~2025年3月期)基本方針に沿って、以下の取り組みを実施しました。① 「選択と集中」「新事業拡大」による収益力の強化2023年4月1日付で販売代理店の統合、当社と北上サイト子会社の統合、八戸サイト子会社同士の統合などのグループ組織再編を実行、効率化を進めております。引き続き、グループの組織変革を進め、収益性向上を図ってまいります。② グリーン社会への貢献GXリーグ(GX:グリーン・トランスフォーメーション)へ参画し、カーボンニュートラル社会実現に向け、公約した2030年目標の達成に向けた取組体制を強化し、推進してまいります。③ サステナビリティ向上のための組織変革2023年4月に「三菱製紙グループサステナビリティ基本方針」を制定しました。皆様からの信頼と共感を得ることを通して企業価値の向上を図るとともに、さまざまな社会的課題の解決につなげ、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。サステナビリティ基本方針に沿って、三菱製紙「株主の森」(仮称)創成を検討しております。ダイバーシティ&インクルージョンにつきましては、2023年6月29日の定時株主総会において、初の女性社外取締役、女性常勤監査役が選任されました。
当第1四半期連結累計期間の連結売上高は493億1千7百万円(前年同四半期比1.5%増)となりました。損益面では、製品価格改定効果により連結営業利益は3億2千6百万円(前年同四半期は連結営業損失7億6千9百万円)、為替差益等も加わり連結経常利益は15億5千万円(前年同四半期は連結経常利益6億6千8百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億1千7百万円となりました。セグメントごとの経営成績は、次の通りとなりました。
(単位:百万円)
売上高
営業利益(△は損失)
2023年3月期
2024年3月期
増減率
2023年3月期
2024年3月期
増減率
第1四半期
第1四半期
第1四半期
第1四半期
報告セグメント
機能商品
25,857
26,108
1.0
173
898
418.2
紙素材
23,409
23,903
2.1
△944
△584
-
計
49,267
50,012
1.5
△770
313
-
その他
1,465
1,133
△22.7
18
23
30.0
計
50,732
51,145
0.8
△752
337
-
調整額(注)
△2,128
△1,827
△16
△11
合計
48,604
49,317
1.5
△769
326
-
(注)調整額は主として内部取引に係るものです。
(機能商品事業)産業資材関連製品は、バッテリーセパレータ、水処理膜支持体の販売金額は前年を上回りましたが、エアフィルター、化粧板原紙、テープ原紙、壁紙用裏打紙の販売金額は前年を下回りました。画像資材関連製品は、電子工業材料の特殊ドライフィルムレジストが、通信デバイスに搭載される金属部材加工用途で採用され量産が始まり、販売金額は前年を上回りましたが、印刷製版材料関連製品、インクジェット用紙の販売金額は前年を下回りました。情報資材関連製品の販売金額は前年を上回りました。ドイツ事業は、市中在庫調整を背景とした需要減少から、販売数量、販売金額ともに減少しました。この結果、機能商品事業全体としては、増収増益となりました。引き続き、中期経営計画の重点分野である産業資材事業においては、水処理膜支持体の新規ユーザー獲得や食品・飲料・医療など特殊膜分野への展開に加え、耐熱不織布、メルトブロー不織布などの拡販、需要拡大が見込まれる自動車向け蓄電用セパレータの拡販に注力してまいります。また、テープ原紙や滅菌紙につきましても、更なる拡販に取り組んでまいります。画像資材事業は、特殊ドライフィルムレジストを中心に拡販に取り組んでまいります。画像出力や印刷向けを中心に需要が減少しているイメージングメディア関連事業は、ラベル用途や産業用インクジェットなど新たな需要を取り込み、販売数量の維持に努めると共に、継続して生産体制の見直しを図り、収益向上に取り組んでまいります。情報資材事業は、価格改定効果の維持に努め収益の安定化に取り組んでまいります。ドイツ事業は、引き続きコストと製品価格のバランスの維持、フレンスブルク工場売却後の生産体制の再構築によるコストダウンに取り組み、安定した収益の確保を目指してまいります。
(紙素材事業)印刷用紙の国内市場では、需要減少が続き販売数量は減少したものの、販売金額は価格改定効果により増加しました。輸出は、収益性を重視した受注活動を行った結果、販売数量、金額ともに前年を下回りました。市販パルプにつきましては、価格改定効果はあったものの主要取引先の需要減の影響を受け、販売数量、金額ともに減少しました。この結果、紙素材事業全体としては、増収増益となりました。価格改定効果の維持、生産体制最適化と在庫水準適正化の取り組みの継続に加え、脱・減プラスチックに寄与する高機能クラフト紙の拡販、バリアコート紙の品揃え拡大等で、製品ポートフォリオの転換と早期の収益安定化を目指してまいります。輸出につきましては、為替動向を踏まえ販売数量及び利益拡大に注力いたします。
(2) 財政状態の状況当第1四半期連結会計期間末の資産は、投資有価証券の評価差額増加等により前連結会計年度末に比べ6億5千7百万円増加し、2,277億1千5百万円となりました。負債は、支払手形及び買掛金の減少等により前連結会計年度末に比べ7億9千4百万円減少し、1,542億2千2百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により前連結会計年度末に比べ14億5千1百万円増加し、734億9千3百万円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.6ポイント増加し、32.3%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億3千6百万円であります。
(5) 従業員数① 連結会社の状況 当第1四半期連結累計期間において、連結会社の従業員数に著しい増減はありません。② 提出会社の状況 当第1四半期累計期間において、提出会社の従業員数に著しい増減はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績当第1四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい増減はありません。
(7) 主要な設備当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。