【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行が第8波を迎えた中、行動制限の緩和や社会経済活動の活性化の取り組みにより、景気に緩やかな持ち直しの動きが見られました。しかし、足元では、急激な円安、物価やエネルギーコストの高騰等が経済、国民生活に与える影響が顕在化し、政府による経済対策も予算化されています。先行きについては、今春予定されている新型コロナウイルス感染症の2類相当から5類への分類移行により、社会経済活動の正常化に大きく舵が切られますが、周期的な感染拡大のリスクへの対応など課題は残されています。また、世界においては、金融引き締めによる影響に加え、ウクライナ情勢の影響による原材料、食料価格の高止まりや供給面での制約等に伴う景気後退リスクが顕在化しています。
当社グループの属する半導体業界では、様々な産業における旺盛な需要による半導体の供給不足が継続し、自動車も含め半導体を使用した電子機器の生産に影響が出ています。中期的にも、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTや人工知能(AI)、ビッグデータ、次世代高速通信規格、自動運転向けの需要拡大が見込まれます。
当社グループの事業領域であるAI/ビジュアル・コンピューティング分野においては、少子高齢化に伴う労働人口の減少、コロナ禍、気候変動等の社会・環境課題の解決や安心安全社会の実現に向けたイノベーションの加速やAIの果たす役割の増大が予想されます。
このような環境下において、当社グループは、社会・環境課題の解決への貢献と収益・利益の獲得を両立し、企業価値を向上させるCSV(Creating Shared Value)経営を実現することを、中期経営計画の基本方針としています。注力分野であるセーフティ分野及びロボティクス分野において、企画から量産までの顧客製品・サービスの開発ライフサイクル全体に亘り、アルゴリズム、ソフトウエアから、当社の強みであるハードウエアまでの一貫開発体制をもって、IPコアラインセンス事業、製品事業、プロフェッショナルサービス事業を展開し、付加価値を提供することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図ってまいります。
当第3四半期連結会計期間の注力分野における具体的な取り組みと成果としては、まずセーフティ分野において、安全運転支援向けとして、エッジからクラウドに亘る既存プロジェクトからのリカーリング収益を獲得するとともに、新規顧客や既存顧客の新規プロジェクト向けに新規ライセンスやプロフェッショナルサービスを提供しました。リカーリングビジネスには、エンドユーザー車両にすでに搭載されているドライブレコーダーに、当社のソフトウエアを無線で実装するOTA(Over the Air)案件が含まれています。また、より広義のセーフティ向けのPoC案件が複数進捗しました。
ロボティクス分野においては、顧客のPoCプロジェクトを発掘、推進するとともに、AMDザイリンクス アダプティブコンピューティングデバイス向けStereo Vision IPである「ZIA SV」の提供を開始しました。自律走行ロボット、協働ロボット等のアプリケーションにおいて、高速・高精度な距離計測を実現します。また、資本業務提携先のCambrian社の協働ロボット向けビジョンシステムのビジネスについては、自動車産業を中心とした製造業等の最終顧客の省人化や生産性向上に向けたビジネス案件が進捗するとともに、エコシステムを拡張すべく、住友商事マシネックス株式会社が国内総代理店として取り扱う韓国Doosan Robotics社製協働ロボットに対応させました。
アミューズメント分野においては、画像処理半導体「RS1」の大型受注に対する量産出荷を継続しており、「RS1」を搭載した株式会社ジーグ(サミー株式会社と株式会社ユニバーサルエンターテインメントの合弁会社)の筐体の販売が10機種10万台を突破しました。引き続きこのユニークな2D・3D統合チップの優位性を発揮できる市場セグメントにおけるシェア拡大を目指しています。
また、その他の取り組みとして、現行製品の性能を大きく上回るAI IPプロセッサーの開発を進めています。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、製品事業において画像処理半導体「RS1」の量産出荷を継続するとともに、量産向けZIA C3モジュール、量産ドローン向けカメラモジュール、Cambrianビジョンシステム等を出荷しました。IPコアライセンス事業においては、AI/GPUランニングロイヤリティ収入に加えて、安全運転支援分野、ロボティクス分野においてリカーリング収益を計上しました。また、プロフェッショナルサービス事業においては、AI/GPU受託開発サービスを提供しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,579百万円(前年同期比23.5%増)、営業損失は60百万円(前年同期は営業損失91百万円)、経常損失は58百万円(前年同期は経常損失90百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は60百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失91百万円)となりました。また、当第3四半期連結会計期間(2022年10月~12月)では、売上高654百万円、営業利益41百万円と、黒字化しました。
当社グループは、単一セグメントであるためセグメント別の記載はしていませんが、事業別業績の概要は以下のとおりです。
①IPコアライセンス事業
ディジタルスチルカメラ、4Kテレビ、OA機器等のディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入に加え、新規ライセンス収入やOTAを含むセーフティ分野およびロボティクス分野におけるリカーリング収益の計上により、売上高は158百万円(前年同期132百万円)となりました。
②製品事業
「RS1」の量産出荷に加えて、業務用車両の周辺監視用途ZIA C3キット、量産ドローン向けカメラモジュール、Cambrianビジョンシステム等の売上の計上により、売上高は1,343百万円(前年同期955百万円)となりました。
③プロフェッショナルサービス事業
顧客開発案件の減少により、売上高は78百万円(前年同期191百万円)となりました。
また、分野別業績の概要は以下のとおりです。
①セーフティ分野
業務用車両の周辺監視用途ZIA C3キットの量産出荷売上、プロフェッショナルサービス収入、OTAを含むリカーリング収益等により、売上高は117百万円(前年同期78百万円)となりました。
②ロボティクス分野
IPコアライセンス事業における収入、製品事業におけるCambrianビジョンシステムや量産ドローン向けカメラモジュールの売上等を計上したものの、プロフェッショナルサービス事業における顧客開発案件の減少により、売上高は86百万円(前年同期196百万円)となりました。
③アミューズメント分野
「RS1」の量産出荷売上の計上により、売上高は1,291百万円(前年同期919百万円)となりました。
④その他分野
ディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入等の計上により、売上高は83百万円(前年同期85百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は3,097百万円となり、前連結会計年度末に比べ313百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が37百万円および売掛金及び契約資産が279百万円増加したことによるものであります。
また、固定資産は459百万円となり、前連結会計年度末に比べ228百万円減少しました。これは主に、投資有価証券の早期償還に伴い投資有価証券が199百万円減少し、ソフトウエアが15百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債および固定負債は合計で517百万円となり、前連結会計年度末に比べ140百万円増加しました。これは主に、買掛金が151百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は3,039百万円となり、前連結会計年度末に比べ55百万円減少しました。これは主に、利益剰余金が60百万円減少したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は85.5%となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、216百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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