【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第3四半期累計期間における我が国経済は、ロシアのウクライナ侵攻による世界情勢の不安定感を背景にあらゆる資源価格の上昇や資源の調達にかかるリスク等が深刻化するなか、急激な円安の進行も重なり極めて不透明な経済環境下で推移いたしました。
当社が属する住宅業界におきましては、昨年から続く「ウッドショック」による世界的な木材供給不足は収まったものの、かつてない為替水準から海外資材の調達コストの高騰が進んでいることに加え、不透明な経済状況を背景に消費マインドの減退により、新設住宅着工戸数は持家を中心に減少が続く状況下で推移いたしました。
こうした厳しい状況下、顧客ニーズへの的確な対応を図ることで市場からの信頼性をより高める施策を講じ、継続的な受注確保に努めることを第一とし、両事業部門共に有する高いプレカット技術を活かした省施工商品の更なる拡充や非住宅物件に対する経営資源の投下等を通じて、当事業年度のスローガンである「Be Professional Ⅱ」の体現を図ってまいりました。
内装建材事業においては、想定以上の為替の円安進行や電力費などエネルギー費用の高騰等、特殊な外部環境の影響を受け収益が圧迫されていることから、販売価格の適性化を進めると同時に国内外の生産拠点の再編、物流機能や使用する原材料の見直し等の検証を進め、生産性向上並びに収益性改善に努めました。また、顧客に対する安定供給や高品質の製品を提供するといったメーカーとしての原点を意識し、市場からの信頼を得るとともに非住宅分野への積極的な販売や階段部材を主とした省施工商品、デザイン性の追求拡充等付加価値の向上を進めてまいりました。こうした取り組みにより受注は堅調に推移し、収益は徐々に改善が図られているものの、外部環境の更なる悪化の影響を色濃く受けた結果となりました。
木構造建材事業においては、成長戦略の中核である非住宅分野の領域拡大に向けた施策及びプレカット、パネル、建装の三位一体の取り組みが奏功し、安定した受注及び収益確保に繋げることができました。特に当事業年度は大型非住宅物件を中心とした建装事業が拡大しており、難易度の高い木造建築物を手掛けている技術力を積極的にアピールし、更なる需要開拓に努めました。また、新商品であるサッシ付パネル(neo smart panel)の展開において、販売網の確立に向け、複数の協力企業との提携関係による拡販体制の構築を進めてまいりました。ウッドショックの時勢が落ち着きを見せ、調達リスク等にかかる舵取りの困難さから脱却できつつある一方、価格競争が進展しているなか、攻守のバランスを意識した慎重かつ迅速な事業運営に努め、堅調な業績を維持することができました。
これらの結果、当第3四半期累計期間の売上高は、135億45百万円と前年同四半期と比較し19億90百万円(17.2%)の増収となりました。利益面では営業利益は3億20百万円と前年同四半期と比較し58百万円(△15.5%)の減益、経常利益は3億22百万円と前年同四半期と比較し73百万円(△18.5%)の減益、四半期純利益は2億18百万円と前年同四半期と比較し89百万円(△29.1%)の減益となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。また、セグメント間取引については、相殺消去しております。
(内装建材事業)
売上高は、階段をはじめ事業部全体が増加し、66億34百万円と前年同四半期と比較し、6億61百万円(11.1%)の増収となりました。営業損失は、資材価格及び電力費の高騰等により、2億20百万円(前年同四半期は営業損失48百万円)となりました。
(木構造建材事業)
売上高は、主にプレカット及び非住宅物件等が増加し、69億円と前年同四半期と比較し、13億29百万円(23.9%)の増収となりました。営業利益は、増収及び収益性の改善が奏功し5億36百万円と前年同四半期と比較し、1億13百万円(26.8%)の増益となりました。
(その他)
売上高は、10百万円と前年同四半期と比較し、0百万円(△4.1%)の減収となりました。営業利益は、4百万円と前年同四半期と比較し、0百万円(△7.9%)の減益となりました。
② 財政状態の分析
当第3四半期会計期間末における総資産は126億25百万円、純資産は70億77百万円、自己資本比率は56.1%となりました。
a.資産
流動資産については、主に売上債権及び棚卸資産等が増加したことにより、83億54百万円と前事業年度末に比べ6億27百万円(8.1%)の増加となりました。
固定資産については、主に繰延税金資産(投資その他の資産「その他」に含む。)等の減少があったものの、事業用土地の取得及び両事業部門における設備投資により、42億70百万円と前事業年度末に比べ13百万円(0.3%)の増加となりました。
よって、資産合計は126億25百万円と前事業年度末に比べ6億40百万円(5.3%)の増加となりました。
b.負債
流動負債については、主に未払法人税等及び賞与引当金等の減少があったものの、仕入債務及び短期借入金等の増加により、46億90百万円と前事業年度末に比べ3億68百万円(8.5%)の増加となりました。
固定負債については、長期借入金の調達により、8億56百万円と前事業年度末に比べ1億43百万円(20.1%)の増加となりました。
よって、負債合計は55億47百万円と前事業年度末に比べ5億11百万円(10.2%)の増加となりました。
c.純資産
純資産については、期末配当及び中間配当の実施があったものの、四半期純利益の計上により70億77百万円と前事業年度末に比べ1億29百万円(1.9%)の増加となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、84百万円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)主要な設備
①当第3四半期累計期間において、主要な設備の著しい変動及び前事業年度末に計画した主要な設備の新設、除却等について著しい変動はありません。
②当第3四半期累計期間において、前事業年度末において計画中であった重要な設備のうち、美濃加茂第3工場の合板加工設備は、完了予定年月日を2023年3月から2023年7月、美濃加茂第1・第2工場の生産管理システムは、完了予定年月を2022年12月から2023年7月に変更しております。
また、美濃加茂工場の太陽光発電システムは投資予定金額を63百万円から73百万円に変更し、完了予定年月を2022年12月から2023年2月に変更しております。
③当第3四半期累計期間において、新たな計画の確定による主要な設備の取得は、次のとおりであります。
設備の内容
所在地
取得面積(㎥)
取得価格
(百万円)
取得時期
事業用土地
岐阜県
美濃加茂市
10,291
113
2022年9月
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期累計期間において、当社の経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は事業活動の維持成長に必要な資金を確保するため、自己資金及び金融機関からの借入を有効活用しております。手元資金に関しては常に注視をしており、資金の流動性を確保しつつ資金の使途、調達を決定しております。
なお、当第3四半期累計期間末における現金及び現金同等物の残高は8億28百万円となっております。
資金調達は、金融情勢の変化に対する対応と資金コスト削減及び調達構成のバランスを考慮し調達先の分散、調達方法及び手段等の多様化を図っており、原則として、運転資金については、短期借入金で調達し、生産設備などの長期資金は、社債や長期借入金で調達することとしております。2022年12月31日現在の短期借入金残高11億7百万円(1年内返済予定の長期借入金含む)及び長期借入金残高7億71百万円の借入金総額18億78百万円を主力銀行をはじめとする金融機関から調達しております。なお、運転資金の効率的な調達を行うため、主要取引銀行と当座借越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。
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