【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済情勢については、物価上昇に対する各国中央銀行の急速な利上げや量的金融引締めにより、インフレ鈍化の兆しが見られ、金利のピーク感からドル高是正が進んでいます。米国景気はリセッション懸念が薄れ、地政学リスクはあるものの、ゼロコロナ後の中国経済再開への期待も見られます。
自動車産業においては、半導体供給制約や中国のゼロコロナ政策等によりサプライチェーンが混乱し、自動車生産は大幅な生産変動を余儀なくされています。同時に、中国・欧州においてはEV化が急速に進行しています。
このような事業環境の中、当社は国内外の生産ラインの自動化を推進し、生産性と信頼性の向上に取り組んでいます。さらに、EV関連事業ではモーターコアの実証ラインの設置を完了しました。EV車体は、欧州テスラに続き、中国メーカー向けの新規受注を獲得しています。
当第3四半期連結累計期間の業績は、材料単価改定や為替影響等がありましたが、減産影響等により売上高は235,709百万円(前年同期比41.2%増)となりました。利益面では急激な生産変動に対して、労務費や減価償却費等の固定費負担により営業利益は10,218百万円(前年同期比54.9%増)となりました。経常利益は為替差益や持分法利益などにより11,471百万円(前年同期比56.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は8,405百万円(前年同期比55.5%増)となりました。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
① 日本
(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
前期比増減額
前期比増減率
売上高
31,173
45,326
14,153
45.4%
営業利益又は損失(△)
△1,198
1,449
2,647
-
前期との主な増減要因
売上高 半導体影響により主要得意先では生産調整が続いたが、量産売上及び型設備売上の増加により前期比増収となった。
営業利益 急激な生産変動による固定費負担及び電力料金高騰によるコスト高はあるが、型設備の利益改善及び生産効率改善等により前期比増益となった。
② 北米
(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
前期比増減額
前期比増減率
売上高
47,489
81,237
33,748
71.1%
営業損失(△)
△2,220
△646
1,574
-
前期との主な増減要因
売上高 材料単価改定及び為替影響による量産売上の増加と、主力機種立ち上がりに伴う型設備売上の増加により、前期比増収となった。
営業損失 生産性や品質の安定化に取り組み、体質改善の兆しは見えてきたものの、第3四半期で得意先の生産が計画を大きく下回り、固定費の回収が追い付かず営業損失となった。
③ 欧州
(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
前期比増減額
前期比増減率
売上高
14,637
19,413
4,776
32.6%
営業利益
2,317
2,299
△18
△0.8%
前期との主な増減要因
売上高 欧州系完成車メーカーの受注生産台数が堅調に推移したことに加え、12月からのTESLA社向け車体部品の生産開始等もあり、量産売上が増加し、前期比増収となった。
営業利益 前期比わずかに減益となったが、前期の一時的な補償を除くと実質大幅増益となった。
④ アジア
(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
前期比増減額
前期比増減率
売上高
22,197
30,556
8,359
37.7%
営業利益
1,624
1,207
△416
△25.7%
前期との主な増減要因
売上高 上海ロックダウン以降の生産回復、材料単価改定及び為替影響等により前期比増収となった。
営業利益 増収効果はあるが、型設備売上の大幅な減少により前期比減益となった。
⑤ 中国
(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
前期比増減額
前期比増減率
売上高
50,581
60,209
9,628
19.0%
営業利益
4,622
4,136
△485
△10.5%
前期との主な増減要因
売上高 第3四半期にコロナ感染再拡大による大幅減産があったが、材料価格改定及び為替影響等により前期比増収となった。
営業利益 得意先の減産影響に加え、製造コストが増加し、前期比減益となった。
⑥ 南米
(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
前期比増減額
前期比増減率
売上高
7,960
12,583
4,622
58.1%
営業利益
1,635
1,912
276
16.9%
前期との主な増減要因
売上高 トヨタ向け生産台数の増加に加え、材料価格改定及び為替影響により前期比増収となった。
営業利益 生産効率改善や要員見直しの推進に加え、為替影響等により前期比増益となった。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末より9,240百万円減少し、273,299百万円となりました。これは主に、仕掛品、受取手形及び売掛金の減少によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末より15,900百万円減少し、102,714百万円となりました。これは主に、短期借入金及び長期借入金の減少によるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末より6,660百万円増加し、170,584百万円となりました。これは主に、利益剰余金及び為替換算調整勘定の増加によるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、1,238百万円であります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当第3四半期連結会計期間において、資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。