【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
(1)
業績当社グループは、インターネットサービス市場において、電子認証や電子印鑑を中心とした、認証技術を活用したトラストサービスをグローバルに提供する「電子認証・印鑑事業」、26年を超える運用実績とノウハウを生かしたホスティングサービスおよびマネージドクラウドサービスを提供する「クラウドインフラ事業」、DX化により業務効率化・高付加価値化を図り、様々な課題解決を支援する「DX事業」を展開しております。また、これらの事業を通じて、利便性と安心・信頼を兼ね備えたインターネットサービスを提供し、多くの企業のインターネットビジネスを支えるべく事業を展開しております。当連結会計年度においては、当社グループの成長・収益基盤の柱である、自社運営の認証局で認証する「GlobalSign」ブランドの電子証明書発行サービスがグローバルで堅調な成長を継続しております。最近では、電子署名サービスやデバイス向け電子証明書が海外を中心に販売を伸ばしております。また、注力商材として位置づけている電子契約サービス※1「電子印鑑GMOサイン」の導入企業数および契約送信数は順調に拡大しており、引き続き中長期的な成長を図るべく戦略的投資を実施してまいりました。さらにDXの進展や多様な働き方の広まりに伴いクラウド利用が拡大したことにより、マネージドクラウドサービスの販売も好調に伸長いたしました。当連結会計年度は、今後の更なる拡大を見込む電子契約サービスへの戦略的投資およびクラウドサービスやO2Oサービス、IDaaS※2等の成長市場へ経営資源を集中することで一層の事業拡大を推進してまいりました。
このような状況下、当連結会計年度の業績は、売上高15,960,064千円(前年同期比13.6%増)、営業利益1,141,059千円(同2.6%減)、経常利益1,215,406千円(同1.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は846,756千円(同75.1%増)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、従来の方法に比べて売上高は46,985千円減少し、営業利益、経常利益はそれぞれ4,134千円増加しております。詳細は「第5 経理の状況 注記事項 (会計方針の変更)、及び(セグメント情報等)セグメント情報 2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」に記載のとおりであります。また、文中の前年同期比較については、収益認識会計基準等の適用前の前年同期実績を用いております。
※1:電子契約サービスとは、これまでの「紙+印鑑」の契約に代わり、「電子データ+電子署名」による契約形態のこと。印紙税課税対象外などのメリットがある※2:IDaaSとは、Identity as a Serviceの略で、IDの管理をクラウド上で行うサービス
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
(電子認証・印鑑事業)電子認証・印鑑事業においては、戦略的投資を継続している「電子印鑑GMOサイン」の販売が堅調に推移しております。SSLサーバ証明書をはじめとした電子証明書発行サービスにおいては、中国をはじめアジア地域を中心として国内外で販売を拡大いたしました。また、円安による為替影響もあり前年同期に比べ増収増益となりました。 当連結会計年度においては、引き続き、電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」を注力商材として位置づけ、中長期的な事業拡大を目的に、人材投資およびマーケティング活動の強化による認知度向上を継続してまいりました。その結果、契約社数は前年同期に比べ約2.3倍の1,073,545社となりました。契約送信件数においても引き続き順調に増加しており、前年同期比で約2.2倍の1,707,168件となりました。 2021年1月より実施している地方自治体における業務のデジタル化を通じた行政サービスの利便性向上と職員の働き方改革を目的とした「さよなら印鑑~1億総デジタル化プロジェクト~」においては、現在、215の自治体が「電子印鑑GMOサイン」を活用し、業務効率化に関する検証を行っております。最近では、山口県や東大阪市、東京都および東京都中小企業振興公社へ導入されるなど、新たに30の公共団体への導入が決定しております。引き続き、自治体へのGMOサイン活用を推進することで業務効率化やコスト削減を支援し、行政サービス向上のみならず、電子契約の普及を通じたペーパーレス化による持続可能な社会の実現に貢献すべく全国自治体への導入を推し進めてまいります。 また、今後も「電子印鑑GMOサイン」の中長期的な成長と利益拡大を目指すべく、継続的な事業投資を実施してまいります。
以上の結果、当連結会計年度における電子認証・印鑑事業の売上高は9,463,118千円(前年同期比22.6%増)、セグメント利益は1,365,281千円(同25.5%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は51,866千円減少し、営業利益、経常利益はそれぞれ1,680千円増加しております。
(クラウドインフラ事業)クラウドインフラ事業においては、クラウドの導入支援および設計・構築、監視・運用などを代行するマネージドクラウドサービス「CloudCREW byGMO」が、クラウドの安全性を高めるセキュリティ対策を特徴としたサービスと26年以上にわたるインフラ運用実績およびAWS認定資格等の高い技術力による強みを活かし順調に事業を拡大しております。当連結会計年度においては、企業のDX推進等、労働環境の変化にともなうクラウドサービスの需要拡大およびパブリッククラウド市場の高い成長を背景に、引き続き良好な受注環境となっております。1月からは24時間365日AWS環境のセキュリティ監視・運用を行う「AWSマネージドセキュリティ」の提供を開始いたしました。昨今、セキュリティ対策の必要性が高まる一方で、国内のIT人材不足は深刻化しております。本サービスは、そのような事業環境において、AWS環境のセキュリティ強化を急務とする中堅・中小企業のお客様へ、初期費用を抑えつつ効果的なセキュリティ管理体制を提供してまいります。このような状況の下、当連結会計年度においては、ホスティングサービスの売上が競争環境の激化等で減少傾向が続いていることおよび電力料金等の高騰によりサーバー費が増加したものの、マネージドクラウドサービス「CloudCREW byGMO」の売上が堅調に拡大したことで、前年同期に比べ増収増益となりました。引き続き、ホスティングサービスのコスト最適化を継続することで安定的な利益創出を図りつつ、「CloudCREW byGMO」の販売強化を推し進めることで事業拡大を目指してまいります。
以上の結果、当連結会計年度におけるクラウドインフラ事業の売上高は、5,958,679千円(前年同期比1.4%増)、セグメント利益は1,267,511千円(同5.1%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は4,880千円増加し、営業利益、経常利益はそれぞれ2,453千円増加しております。
(DX事業)DX事業においては、電子認証・印鑑事業とクラウドインフラ事業で培ったノウハウを生かし、DX化による業務効率化・高付加価値化を図ることで、企業の様々な課題解決を支援しております。当連結会計年度においては、「GMOおみせアプリ」が大手顧客への導入を伸ばしたことおよびGMOペイメントゲートウェイ社との協業サービス「モバイル商品券プラットフォーム byGMO」の販売が順調に進捗したことで増収となりました。GMOデジタルラボ社が提供する企業・店舗専用の集客支援アプリ「GMOおみせアプリ」においては、企業のDX需要を促進すべく、協業によるプロダクト連携を展開しております。GMOフィナンシャルゲート社との協業で展開している、決済端末搭載の会員証アプリ「おみせポケット」は、キャッシュレス化の進展により導入店舗数を順調に伸ばしており、導入店舗数は、前年同期に比べ約4倍の8,753店舗となりました。また、自治体や事業者が発行する紙の商品券をデジタル化するサービス「モバイル商品券プラットフォーム byGMO」においても、引き続き全国の自治体および大手顧客への導入が進んでおります。今後、マイナンバーカードとの連携やオンラインで本人確認できるeKYCによる銀行口座連携等の機能実装を行うことで、全国自治体への更なる展開を目指してまいります。
以上の結果、当連結会計年度におけるDX事業の売上高は1,123,882千円(前年同期比16.3%増)、セグメント損失は290,919千円(前年同期は250,163千円のセグメント損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響はございません。
(2) 財政状態
(資産の部)当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べ3,061,600千円増加し、14,574,304千円となりました。主な増加要因は、現金及び預金の増加2,089,353千円、売掛金及び契約資産の増加2,131,998千円、前払費用の増加188,183千円、ソフトウエアの増加723,885千円、繰延税金資産の増加109,859千円によるものであります。主な減少要因は、関係会社預け金の減少450,000千円、売掛金の減少1,653,915千円、投資有価証券の減少256,082千円によるものであります。
(負債の部)当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ2,258,054千円増加し、6,618,204千円となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加500,000千円、未払金の増加260,272千円、契約負債の増加2,280,151千円、長期借入金の増加585,000千円、繰延税金負債の増加226,786千円によるものであります。主な減少要因は、前受金の減少1,952,564千円によるものであります。
(純資産の部)当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ803,545千円増加し、7,956,100千円となりました。主な増加要因は、利益剰余金の増加426,602千円及び為替換算調整勘定の増加542,388千円によるものであります。減少要因は、その他有価証券評価差額金の減少167,632千円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、期首残高に比べ1,639,353千円増加し、当連結会計年度末には6,659,517千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は1,684,318千円となりました。これは主に売上債権の増加329,514千円、仕入債務の減少42,354千円、法人税等の支払額が372,170千円といった支出要因を、税金等調整前当期純利益1,337,140千円、減価償却費964,635千円、減損損失95,447千円、未払消費税等の増加51,650千円といった収入要因が上回ったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は1,137,824千円となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入182,199千円、投資事業組合からの分配による収入54,898千円、事業譲渡による収入80,000千円といった収入要因を、有形固定資産の取得による支出253,551千円、無形固定資産の取得による支出1,137,075千円といった支出要因が上回ったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は763,683千円となりました。これは主に短期借入による収入500,000千円及び長期借入による収入800,000千円が、配当金の支払による支出387,917千円を上回ったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)
生産実績当社グループは、電子認証・印鑑事業、クラウドインフラ事業及びDX事業を行っており、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(2)
受注実績当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(3)
販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
電子認証・印鑑事業
(千円)
9,238,736
123.1
クラウドインフラ事業
(千円)
5,619,062
100.2
DX事業
(千円)
1,102,265
117.6
合計
(千円)
15,960,064
113.6
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、「売上高」、「売上高経常利益率」、「ROE(自己資本利益率)」を重要な経営指標と位置づけております。2022年12月期の計画に対する達成状況においては、売上高は15,960,064千円となり、計画比を773,064千円上回りました。売上高経常利益率は7.6%となり計画値の10.0%を2.4ポイント下回りました。また、ROE(自己資本利益率)は11.2%となり、計画値の12.2%より1.0ポイント下回りました。この要因は以下の通りであります。売上高電子認証・印鑑事業において、電子証明書発行サービスがグローバルで堅調な成長をしていること、クラウドインフラ事業において、マネージドクラウドサービス「CloudCREW byGMO」の売上が堅調に拡大したことによるものであります。売上高経常利益率クラウドインフラ事業において、外注業務の内製化等によるコスト削減効果が見られたものの電力料金等の高騰によりサーバー費が増加したこと、電子認証・印鑑事業における電子証明書の高速大量発行システムへの投資継続による減価償却費の増加、「電子印鑑GMOサイン」への積極的な投資による広告宣伝費等の増加によるものであります。ROE(自己資本利益率)上記の要因に伴い、親会社株主に帰属する当期純利益が減損損失の計上などにより、計画値を下回った結果によるものであります。
経営指標(連結)
2022年12月期(計画)
2022年12月期(実績)
計画比
売上高(千円)
15,187,000千円
15,960,064千円
773,064千円(5.1%)
売上高経常利益率(%)
10.0%
7.6%
△2.4ポイント
ROE(自己資本利益率)(%)
12.2%
11.2%
△1.0ポイント
(2) 財政状態財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) 財政状態」に記載しております。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金及び設備投資資金は、営業キャッシュフローより調達しております。キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。なお、当社グループは、運転資金及び設備投資資金の調達に際しては自己資金を基本としておりますが、安定的な資金確保のために、金融機関と当座貸越契約を締結し、財源及び流動性を確保しております。
(4) 重要な会計上の見積もり及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社はこの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(5) 経営成績
(売上高)当連結会計年度における売上高は、電子認証・印鑑事業において電子証明書発行サービス並びに、クラウドインフラ事業の「CloudCREW byGMO」の売上が順調に推移した結果、15,960,064千円(前年同期比13.6%増)となりました。
(売上原価)当連結会計年度における売上原価は、6,276,464千円(前年同期比12.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、減価償却費の増加、広告宣伝費等の増加により、8,542,541千円(前年同期比17.5%増)となりました。
(営業外収益)当連結会計年度における営業外収益は、主として受取配当金の計上16,048千円、投資事業組合運用益の計上27,840千円及び為替差益の計上24,625千円により、96,071千円(前年同期比0.7%増)となりました。
(営業外費用)当連結会計年度における営業外費用は、主として支払利息の計上7,300千円及び投資事業組合運用損の計上7,201千円により、21,723千円(前年同期比67.7%減)となりました。
(特別利益)当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益の計上179,484千円及び事業譲渡益の計上37,696千円により、217,181千円(前年同期は86,905千円)となりました。
(特別損失)当連結会計年度における特別損失は、減損損失の計上95,447千円により、95,447千円(前年同期比76.6%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,337,140千円となり、法人税、住民税及び事業税312,499千円、法人税等調整額169,769千円、非支配株主に帰属する当期純利益8,114千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は846,756千円(前年同期比75.1%増)となりました。
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