【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
①当期(2023年4-6月期)における業績の概要
当期の連結業績は、以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
増減率
売上高
838,328
886,737
+48,409
+5.8%
売上総利益
(対売上高比率)
56,026
(6.68%)
59,336
(6.69%)
+3,310
(+0.01pp)
+5.9%
販売費及び一般管理費
(対売上高比率)
42,509
(5.07%)
46,935
(5.29%)
+4,426
(+0.22pp)
+10.4%
営業利益
(対売上高比率)
13,516
(1.61%)
12,401
(1.40%)
△1,115
(△0.21pp)
△8.3%
経常利益
17,586
16,676
△910
△5.2%
税金等調整前四半期純利益
17,227
19,963
+2,735
+15.9%
親会社株主に帰属する四半期純利益
8,270
11,188
+2,918
+35.3%
〔売上高〕
売上高は、前年同期から484億09百万円(5.8%)増収の8,867億37百万円となりました。
・「医療用医薬品等卸売事業」で208億00百万円の増収、「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」で172億72百万円の増収、「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」で103億26百万円の増収と、全事業セグメントにおいて増収となりました。
・当期よりMP五協フード&ケミカル㈱(以下、「MP五協F&C」という)及び東七㈱(以下、「東七」という)が新たに連結対象になったことや、㈱メディスケット(以下、「メディスケット」という)が2022年12月から事業を開始していることが、当期の増収に寄与しています。
〔営業利益〕
営業利益は、前年同期から11億15百万円(8.3%)減益の124億01百万円となりました。
・売上総利益率は、ほぼ前年同期(6.68%)並みの6.69%となり、売上総利益は33億10百万円(5.9%)の増益となりました。売上総利益率については、前年同期に計上した一過性の新型コロナウイルスワクチン関連収益やロイヤルティ収益の減少による影響を、相対的に売上総利益率の高いMP五協F&Cが連結対象となったことによる利益率の押し上げなどにより吸収しました。
・販売費及び一般管理費は、MP五協F&C及び東七が連結対象になったことや、メディスケットの事業開始に伴う増加により、44億26百万円(10.4%)の増加となりました。また、MP五協F&C及び東七の子会社化に伴う無形資産償却費・のれん償却費(総額で5億38百万円)を当期より販売費及び一般管理費に計上しています。
・営業利益は、11億15百万円(8.3%)の減益となりましたが、既述の一過性の新型コロナウイルスワクチン関連収益やロイヤルティ収益の減少によるものであり、これらの影響を除くと増益となっています。
〔経常利益〕
経常利益は、前年同期から9億10百万円(5.2%)減益の166億76百万円となりました。
・情報提供料収入及び持分法による投資利益の増加により営業外損益は2億05百万円の改善となりましたが、営業利益の減少を吸収できず、経常利益は減益となりました。
〔親会社株主に帰属する四半期純利益〕
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期から29億18百万円(35.3%)増益の111億88百万円となりました。
・当期の特別損益は32億87百万円の益となり、36億45百万円の改善となりました。
主な特別利益として、東七の子会社化に伴う段階取得による差益(*1)12億53百万円と、本社移転に伴う受取補償金(*2)19億44百万円を計上しています。
(*1)2023年4月3日の株式交換による子会社化以前に保有していた東七株式の簿価と時価との差額を「段階取得による差益」として計上
(*2)八重洲二丁目中地区の再開発計画に伴い2023年2月13日に本社を移転したことに係る当該再開発組合からの補償金を「受取補償金」として計上
・特別損益の改善により、税金等調整前四半期純利益は前年同期から27億35百万円(15.9%)の増益となったことにより、親会社株主に帰属する四半期純利益も増益となりました。
医療用医薬品等卸売事業
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
増減率
売上高
544,446
565,246
+20,800
+3.8%
売上総利益
(対売上高比率)
32,751
(6.02%)
33,442
(5.92%)
+691
(△0.10pp)
+2.1%
販売費及び一般管理費
(対売上高比率)
26,539
(4.87%)
28,796
(5.09%)
+2,257
(+0.22pp)
+8.5%
営業利益
(対売上高比率)
6,211
(1.14%)
4,645
(0.82%)
△1,565
(△0.32pp)
△25.2%
〔売上高〕
売上高は、前年同期から208億00百万円(3.8%)増収の5,652億46百万円となりました。
売上高増加の主な要因は以下のとおりです。
・新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、患者さんの受診数が回復し、前年同期より市場が伸長したことにより販売が増加しました。
・上記に加えて、2023年4月に東七を完全子会社化し新たに連結対象になったことや、メディスケットが2022年12月から事業を開始していることが当期の増収の主たる要因です。
〔営業利益〕
営業利益は、前年同期から15億65百万円(25.2%)減益の46億45百万円となりました。
営業利益減少の主な要因は以下のとおりです。
・売上総利益率は5.92%となり、前年同期(6.02%)から低下しましたが、増収により、売上総利益は6億91百万円(2.1%)の増益となりました。メディスケットの事業開始による利益率の押し上げ影響はありましたが、前年同期に計上した一過性の新型コロナウイルスワクチン関連収益やロイヤルティ収益の減少等があり、売上総利益率は低下しました。
・販売費及び一般管理費は、主にメディスケットの事業開始に伴う増加により、22億57百万円(8.5%)の増加となりました。
この結果、営業利益は15億65百万円(25.2%)の減益となりましたが、既述の一過性の新型コロナウイルスワクチン関連収益やロイヤルティ収益の減少によるものであり、これらの影響を除くと増益となっています。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
増減率
売上高
276,247
293,519
+17,272
+6.3%
売上総利益
(対売上高比率)
20,799
(7.53%)
21,702
(7.39%)
+903
(△0.14pp)
+4.3%
販売費及び一般管理費
(対売上高比率)
14,285
(5.17%)
14,730
(5.02%)
+444
(△0.15pp)
+3.1%
営業利益
(対売上高比率)
6,514
(2.36%)
6,972
(2.38%)
+458
(+0.02pp)
+7.0%
〔売上高〕
売上高は、前年同期から172億72百万円(6.3%)増収の2,935億19百万円となりました。
売上高増加の主な要因は以下のとおりです。
・新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、マスクや消毒液など衛生関連品の販売が低下した一方、レジャーやオフィス回帰など外出の増加や回復の兆しを見せるインバウンド需要により、化粧品や医薬品の販売が増加しました。
〔営業利益〕
営業利益は、前年同期から4億58百万円(7.0%)増益の69億72百万円となりました。
営業利益増加の主な要因は以下のとおりです。
・売上総利益率は7.39%となり、物価高騰を背景とする業界全体の利益縮小に伴い前年同期(7.53%)から低下しましたが、増収により、売上総利益は9億03百万円(4.3%)の増益となりました。
・人財への積極投資・電気代の高騰に加え、増収に伴う経費増により、販売費及び一般管理費は4億44百万円(3.1%)の増加となりましたが、売上総利益の増加で吸収し、営業利益は増益となりました。また、売上高の伸長に伴う固定費の吸収効果や出荷拠点見直し等の配送効率化などにより売上高販管費率は低下しました。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
増減率
売上高
18,548
28,875
+10,326
+55.7%
売上総利益
(対売上高比率)
2,487
(13.41%)
4,212
(14.59%)
+1,724
(+1.17pp)
+69.3%
販売費及び一般管理費
(対売上高比率)
1,795
(9.68%)
3,380
(11.71%)
+1,584
(+2.03pp)
+88.2%
営業利益
(対売上高比率)
692
(3.73%)
831
(2.88%)
+139
(△0.85pp)
+20.2%
〔売上高〕
売上高は、前年同期から103億26百万円(55.7%)増収の288億75百万円となりました。
売上高増加の主な要因は以下のとおりです。
・当期よりMP五協F&Cが新たに連結対象になった影響により大幅に増加しました。
・既存事業におきましても、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行を背景とした食品市場の回復及び原料高騰に伴う価格上昇などにより売上高が増加しました。
〔営業利益〕
営業利益は、前年同期から1億39百万円(20.2%)増益の8億31百万円となりました。
営業利益増加の主な要因は以下のとおりです。
・売上総利益率は14.59%となり、相対的に売上総利益率の高いMP五協F&Cが連結対象となったことにより、前年同期(13.41%)から改善しました。その結果、売上総利益は17億24百万円(69.3%)の大幅な増益になりました。
・販売費及び一般管理費は、MP五協F&Cが連結対象になったことにより15億84百万円(88.2%)の増加となりました。なお、MP五協F&Cの子会社化に伴う無形資産償却費・のれん償却費(総額で5億14百万円)を当期より販売費及び一般管理費に計上しています。
(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
(2)財政状態の分析
〔資産〕
当第1四半期連結会計期間末における総資産は1兆7,794億72百万円となり、前連結会計年度末より698億13百万円増加いたしました。
流動資産は1兆2,313億69百万円となり、前連結会計年度末より520億88百万円増加いたしました。これは主に、季節要因による影響や東七㈱が当第1四半期連結会計期間から新たに連結対象になった影響などによる受取手形及び売掛金の増加460億48百万円および商品及び製品の増加45億42百万円によるものであります。
固定資産は5,481億02百万円となり、前連結会計年度末より177億24百万円増加いたしました。これは主に、株価上昇に伴う上場株式の評価替えによる投資有価証券の増加140億99百万円によるものであります。
〔負債〕
当第1四半期連結会計期間末における負債は1兆693億84百万円となり、前連結会計年度末より477億80百万円増加いたしました。
流動負債は1兆139億89百万円となり、前連結会計年度末より424億70百万円増加いたしました。これは主に、季節要因による影響や東七㈱が当第1四半期連結会計期間から新たに連結対象になった影響などによる支払手形及び買掛金の増加504億05百万円によるものであります。
固定負債は553億95百万円となり、前連結会計年度末より53億10百万円増加いたしました。これは主に、株価上昇に伴う上場株式の評価替えによる繰延税金負債(その他の固定負債)の増加49億11百万円によるものであります。
〔純資産〕
当第1四半期連結会計期間末における純資産は7,100億87百万円となり、前連結会計年度末より220億32百万円増加いたしました。
株主資本は5,243億91百万円となり、前連結会計年度末より119億60百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が63億59百万円増加したことに加えて、東七㈱)との株式交換などにより自己株式が50億50百万円減少したことによるものです。
その他の包括利益累計額は568億85百万円となり、前連結会計年度末より79億57百万円増加いたしました。これは主に、株価上昇に伴う上場株式の評価替えによるその他有価証券評価差額金の増加74億円87百万円によるものであります。
非支配株主持分は1,288億11百万円となり、主に㈱PALTACの純資産の増加により、前連結会計年度末より21億13百万円増加いたしました。
(注)当第1四半期連結会計期間において、前連結会計年度に暫定的な会計処理を行っていた住友ファーマフード&ケミカル㈱(現MP五協フード&ケミカル㈱)の企業結合が確定し「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 (1)四半期連結貸借対照表」に含まれる比較情報に取得原価の当初配分額の重要な見直しを反映しているため、前連結会計年度末からの増減金額の記載にあたっては、当該反映をおこなった金額との比較をしております。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の金額は、187百万円であります。
前連結会計年度末にMP五協フード&ケミカル㈱を連結子会社化したことに伴い、あらたに動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業において研究開発活動を行っています。
MP五協フード&ケミカル㈱は、「技術革新による付加価値のある製品の創造に努め、持続的な成長に向けて邁進する」という基本方針に基づき、付加価値の高い新規製品開発や技術開発の基盤強化、戦略的・タイムリーな技術支援を実施しております。
食品分野では、主に介護食品用増粘多糖類の開発、化成品分野では、脱プラスチック社会に向けた生分解性プラスチック関連素材の開発や、半導体製造に必要不可欠な電子薬剤の研究開発を行っております。
なお、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における研究開発活動の状況に、重要な変更はありません。