【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウィズコロナ社会における新しい生活様式が浸透する中、徐々に個人消費や企業収益の持ち直しの動きがみられました。景気の先行きについては、世界的な金融引き締め等が続く中で、高水準で推移する資源価格や原材料価格、円安による物価の上昇により、依然として不透明な状況となっております。
当社グループが属するエネルギー業界を取り巻く環境におきましては、ロシア・ウクライナ情勢の悪化以降、資源価格高騰の影響を受けた電力会社の財務状況の悪化が見られますが、電気料金の値上げや卸電力市場価格の落ち着きに伴い、一部電力会社においてユーザー獲得に前向きな動きが見られる状況です。
長期的な観点でのエネルギー業界を取り巻く環境におきましては、引き続きグリーントランスフォーメーション(GX)が進展しました。日本政府による2022年12月22日の第5回GX実行会議において「GX実現に向けた基本方針 ~今後10年を見据えたロードマップ~」が掲示され、150兆円のGX投資を官民で実現していくため、日本政府としても20兆円規模の先行投資支援を実行する旨の意見表明がなされる中、こうしたGXの動きの中心となる電力業界においては、2016年4月の電力の小売全面自由化以降、当社のベース市場である電力販売額は約18兆円(注1)と拡大しております。また、乗用車の新車販売における電気自動車(EV)を始めとした電動車比率を2035年までに100%とする目標が掲げられる(注2)など、EVの普及とそれに併せたEV充電インフラの需要が高まることが見込まれております。
このような環境のもと、当社グループでは、「エネルギープラットフォーム事業」においては、「エネチェンジ」(家庭向け電力・ガス切替プラットフォーム)及び「エネチェンジBiz」(法人向け電力・ガス切替プラットフォーム)の2サービスについて、電力会社との連携を強化しつつ、継続的な新規顧客獲得及び既存顧客のサポートに注力してまいりました。
「エネルギーデータ事業」においては、主に電力ガス事業者向けにクラウド型で提供する、デジタルマーケティング支援SaaS「エネチェンジクラウドMarketing」及び家庭向けデマンドレスポンスサービス「エネチェンジクラウドDR」等のサービスにつき、継続的な新規機能開発と営業強化に努めてまいりました。とりわけ、電力需給ひっ迫に伴う節電の社会的要請の高まりにより、電力需要家に節電量に応じたインセンティブを提供する、デマンドレスポンスサービスの営業促進に注力しました。
「EV充電事業」においては、「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」の充電インフラ整備事業
に対応したチャージ2及びマンション向けのモデルであるチャージ3の積極的な営業展開や、タクシー・エレベーター広告等の積極的な広告宣伝を開始するなど、EV充電分野における当社のシェア向上に向けた積極的な投資を継続しました。また株式会社e-Mobility Powerとの提携を中心としてEVユーザーの更なる利便性の向上に取り組んでまいりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の当社グループの経営成績は、売上高1,064,983千円(前年同期比3.6%減)、営業損失418,305千円(前年同期は営業損失71,688千円)、経常損失424,523千円(前年同期は経常損失11,445千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は425,636千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失12,300千円)となっております。
なお、営業外収益で補助金受贈益113,876千円、また、営業外費用で固定資産圧縮損113,876千円を計上しており ます。これらはEV充電サービス事業における充電インフラ整備に係るものであります。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
①エネルギープラットフォーム事業
「エネルギープラットフォーム事業」においては、家庭向け・法人向け共に切替件数が堅調に推移した結果、ユーザー数は前年同四半期比16.1%増の468,169件となりました。四半期のARPU(注3)は、ユーザー数の増加や電気料金の上昇によるストック型収益の増加があった一方、切替時に提携企業から受領する一時報酬単価の下落影響により、前年同四半期比14.2%減の1,730円となりました。以上の結果、セグメント売上高は812,357千円(前年同期比0.3%減)、セグメント利益は160,123千円(前年同期比121.6%増)となりました。
②エネルギーデータ事業
「エネルギーデータ事業」においては、デジタルマーケティング支援SaaS「エネチェンジクラウドMarketing」、家庭向けデマンドレスポンスサービス「エネチェンジクラウドDR」等の既存顧客への継続的なサービス提供や新規顧客への導入及びプロダクト開発を進めた結果、顧客数は前年同四半期比18.0%増の59社となりました。他方、一時的な要因の反動により、四半期のARPUは前年同四半期比29.6%減の4,085千円となりました。以上の結果、セグメント売上高は241,821千円(前年同期比16.6%減)、セグメント利益は64,794千円(前年同期比20.5%減)となりました。
③EV充電事業
「EV充電事業」においては、事業推進のためにエンジニア・セールス人員を中心とした採用の増加による組織体制の拡大や、タクシー・エレベーター広告等の積極的なマーケティングの実施等先行投資を進めた結果、受注件数は事業開始以来の累計で3,576台となりました。また、株式会社e-Mobility Powerとの提携を始めとした各種パートナー連携を拡大するなど、更なる事業拡大を見据えた施策に取り組んでまいりました。以上の結果、セグメント売上高は10,803千円(前年同期比1,405.6%増)、セグメント損失は474,022千円(前年同期はセグメント損失89,709千円)となりました。
(注)1.電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報結果」の電力販売額より算出。
2.経済産業省「第6次エネルギー基本計画」(2021年10月22日)、電動車は電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)、ハイブリッド車(HV)を含む。
3.Average Revenue Per Userの略称であり、1ユーザー当たりの平均収益を意味する。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は3,700,271千円となり、前連結会計年度末に比べ826,804千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が944,267千円減少した一方、売掛金及び契約資産が211,082千円増加したことによるものです。
また、当第1四半期連結会計期間末における固定資産は2,244,289千円となり、前連結会計年度末に比べ12,542千円増加いたしました。これは主にソフトウエア仮勘定が70,782千円、差入保証金が31,023千円増加した一方、のれんが8,768千円、投資有価証券が69,267千円減少したことによるものです。
この結果、総資産は、5,944,561千円となり、前連結会計年度末に比べ814,262千円減少いたしました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は1,845,025千円となり、前連結会計年度末に比べ238,180千円減少いたしました。これは主に短期借入金が85,000千円、販売促進引当金が129,910千円減少したことによるものです。
また、当第1四半期連結会計期間末における固定負債は1,122,583千円となり、前連結会計年度末に比べ50,571千円減少いたしました。これは主に長期借入金が44,499千円減少したことによるものです。
この結果、負債合計は、2,967,608千円となり、前連結会計年度末に比べ288,751千円減少いたしました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は2,976,952千円となり、前連結会計年度末に比べ525,510千円減少いたしました。これは主に利益剰余金が425,611千円、為替換算調整勘定が64,483千円減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は50.0%(前連結会計年度末は51.7%)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
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